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アイディアのセカンドオピニオン

家づくりは高い買い物。だから後悔したくない。
セカンドオピニオン」という言葉も市民権を得て、建築の世界でも聞くようになりましたね。インターネットで見ず知らずの相手にアドバイスを求める、なんていうのも少なくありません。

家づくりはわからないことだらけだし、欠陥住宅になったらどうしよう、と、皆さん藁にも縋る思いでいろいろな質問をされます。もちろんアドバイスをもらったり、ご自分で調べたことを設計される方にぶつけて、不安を解消しながら進めていくのは建物にとって良いことです。


だけどやっちゃいけないことがあります。それがアイディアのセカンドオピニオンです。(厳密にいうとセカンドオピニオン自体はOKなのですが)


「この提案よりもっといい提案ありますか?」「この提案がいまいちしっくり来ていません、どうしたらよいですか?」「知人の建築をやっている人に聞いたらやめたほうがいいといわれました」などなど。。。

このnoteでも何度か書いていますが、プランや提案はたくさんのものの積み上げでできています。設計される方は皆さん、毎日毎日その家のことをずーっと考えて、あーでもない、こーでもないと検討しながらつくっています。

それをパッと見ただけの人に少し気になることを言われたくらいで、なぜそれを鵜呑みにするのか、僕はよくわかりません。もちろん、「こんなことを言われたんですけど大丈夫でしょうか?」と設計士さんに相談するのは全く問題ありません。むしろそういうやり取りが建物をよくしていくからです。ですが、「こうした方が良いと言われました」、とか「その提案は現実的ではないと言われたからやめたい」なんて言うのは論外です。なぜ、そう見えたのか、どうしたらそれを乗り越えられるか、を一緒に考えていけないようなら、そのアドバイスをくれた人に設計を頼まれた方がいいんじゃないでしょうか?と僕なら言ってしまいます。

プランやアイディアは、クライアントと設計士が二人三脚で、少しづつ積み上げてつくっていくものです。そしてそこには正解はありません。だから設計者は、クライアントの希望やイメージに近づけるために、クライアントやその家の事を毎日考えています。少し話を聞いただけのセカンドオピニオンが毎回的確なことを本当に言えるのか、と僕なら不安になります。

だから設計者を信頼して、しっかり考えを整理して、気持ちを伝えればよいのです。「この提案がいまいちしっくり来ていません」とか、「この部分は変えて提案してもらえますか」とか、「別の方にこんなことを言われたけど、大丈夫ですか」とか。極論、この案でできますか、とお願いすればどの設計者も対応できてしまいます。第三者の言うことを鵜呑みにして、ふらふらする方は結局誰に頼んでもうまいく行きません。一番一生懸命考えてくれている設計者のことを信頼できていないからです。

「提案」はもちろん大事です。だから不安になって、いろんな人に相談したくなりますよね。でも「提案」は設計者の考え方や人となりが一つの形になっただけです。だから「提案」の表層的な部分ではなく、その奥にある「設計者」をきちんと選ぶことが大事だと僕は思います。この提案の家に住みたいではなく、たとえ提案が変わっても、この提案をしてくれる設計者と一緒に家づくりをしたい、そんな気持ちで選んで欲しいと思うのです。

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