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「理想の間取りができない」理由

「要望通りなのですが、いい間取りかどうかわかりません」
「この間取りの改善点はありますか?」

この手の質問をよくいただきます。
悩みを抱えている多くの方がこう言います。

全部自分で指示して希望通りになっているけど、いい間取りなのか不安。

はっきり言って希望通りだからいいんじゃないかと思ってしまいます。間取りに正解なんてありません。個人の暮らし方に合わせてゼロから作るものです。間取りは要望や構造、法規、寸法、デザインなどたくさんのものが緻密に積みあがってできています。ちょっと変えたくらいでよくなるとかそんな簡単なものじゃないのです。設計をやられていない方の「希望通り」は、どっかで見たことある情報のツギハギでできているので、はっきり言ってハチャメチャです。決していい間取りなんて言えない。でも希望通りだと思っているのだからそのまま進めるのがいいんじゃないかと思うのです。

多分雑誌やインターネットでいろんな間取りや家を見ているのでしょう。そうして得た知識を組み合わせて、自分の希望通りになった。だけど何かが気になる。。。

それはそうです。素敵な間取りは、クライアントの気持ちや覚悟が反映されているから素敵なのです。間取りはクライアントと設計者とやり取りや、住まいぶりなどたくさんのものの積み上げでできています。だから、どんなに写真で見たものが素敵で、真似してそのまま建てても、住んでみたらなんか違うと思ってしまうでしょう。結局他の誰かのための間取りを組み合わせているだけなのですから。

「自分の家だから」、「クライアントだから」、という押売の的な依頼の仕方では、良い間取りにはなりません。いい間取りができないのは、頼んでいる設計者の力量もあると思いますが、クライアント側に努力や想像力や覚悟が足りない可能性があるのです。

自分の希望通りのよい間取りは、インターネットで調べても、誰かにちょっと頼んだくらいでもできません。クライアントと設計者のコラボレーションで、たくさんの打合せを経て、ようやく出来上がるものなのです。


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