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設計事務所とのマッチングサイトに気をつけろ

最近はすごいもので、こんなサイトをたくさん見かけるようになりました。匿名で、敷地にどんな家が建つのか複数の建築家から案を募ることができて、しかも無料だったりする。土地を買う前にどんなお家になるのかみんな心配で、高い買い物だから慎重になるからこういうサービスが普及するのは至極当然なことなのかもしれない。

だけど、一回立ち止まって考えてほしい。

設計をしている人たちは、そのプランを考えることで対価をもらって生活をしている。前にも書いたけれど、そのプランには、独創的なアイディアやつくり方、費用、法規などたくさんの事柄を考慮してつくられていて、設計の仕事の中で最も価値があるといっても過言ではない。
それを無料で手に入れようという発想が間違っていると思っているのですが、、、今回はまた別のお話です。

マッチングサイトをいくつか見てみると、基本的に設計事務所側は顔や名前を公開しているのに対して、クライアントは名前も年齢も匿名でやることができる。クライアントの側からすると安心なんだろうけど、流石にそれはどうかと思うのだ。

建築家は頼まれた依頼に対して、予算内で要望を満たしながら、どれだけクライアントの暮らしが豊かになるか、そういう空間や仕組みを必死に考えています。だけど顔も名前もわからない、そんな相手に全力投球の計画を提案できるわけがないじゃないか。
せめてしっかり話をして、この建築家となら進めていけると思う人に、お金を払ってでも提案してもいいと思える人に頼むようにしたい。
かくいう僕も、依頼したいという熱意の感じられるクライアントからは提案料はいただきません。ただし、「何社か検討しています、とりあえず提案してください」という方からは費用をお支払いいただける場合のみ、計画案を作成・ご提案しています。

そしてもう一つ。これが本当に重要なのですが
こうしたマッチングサイトは無料、のように見えるけれどそうではない。
登録している建築家や施工者から登録料やエントリー料をとっています。そしてそれは巡り巡って、クライアントに設計料や施工費の中で請求されているのです。タダだからって、よく知らない人たちに案の作成をお願いしてはいけない。そこにはクライアントのための案なんてないのだから。そして、ただではなくてその費用は巡り巡ってどこかに必ず請求されているのだから。

依頼する側にもしっかりとした覚悟と思いがないと、良い計画案を提案してもらうことなんてできません。インターネットが便利になって、いろんなことが簡単に調べられるようになったし、便利なシステムもたくさんできました。でも大切なことは何も変わっていないと思うのです。

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