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好きなものについて語るときに私の語ること

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私の人生を彩るものの記録。
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記事一覧

おじいちゃんのこと

おじいちゃんが亡くなった。

一昨年かその前に米寿のお祝いをしたから、90歳近い歳だったはず。

持病はなく、亡くなる数日前の夜に体調を崩してそれっきり。

だけど体調を崩した日の昼間は、デイセンターで大好きなカラオケをしていたらしく、それを聞いて少しだけ嬉しかった。

長崎の田舎から上京して大学を出て、内閣府で働いていたおじいちゃん。当時はそんなすごい仕事をしていたなんて、ちっとも知らなかった。

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失恋して服を作る彼女のこと

失恋をしたときに、人は何をするだろうか。大泣きをする人もいれば、お酒を飲む人もいるだろう。感傷的な映画を見たり、反対に大爆笑できるテレビを見る人もいるかもしれない。

彼女は服を作った。

彼女が失恋をしたばかりのころ、たまたま二人で会う機会があった。失恋の感想として、彼女は「どうせなら触ってほしかった」と言っていた。その言葉に悲しいくらい共感できて、私は「わかる」と言った、らしい。正直、記憶にな

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ポルトガルで10年前の答え合わせを

ポルトガルで10年前の答え合わせを

毎年恒例、夏休みの海外旅行。2019年はポルトガルに行ってきた。

「ポルトガル?良さそうだね。で、何があるの?」ポルトガルに行くことを伝えたとき、人からさんざん言われた台詞がこれ。

確かに、フランス、イタリア、スペインなどと比べると、超有名な建築物があるわけでもなく、すぐに頭に浮かぶ料理やブランドがあるわけでもない。

だけど訪れてみると、のんびりした街の空気や、親切な人々含めて、魅力的なもの

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少しだけ背伸びをする人生

少しだけ背伸びをする人生

中学生か高校生くらいの時にぼんやりと思い描いていた夢は、ハイヒールを履いて颯爽と歩く女性になることだった。成し遂げたいことや、なりたい職業なんてなかったのに、なぜかそんな女性の姿だけが憧れとして頭の中にあった。

それが理由かは分からないけど、いつも少しだけ背伸びをする人生を歩んでいる気がする。

受験の時の志望校は自分の実力より少し頑張らないといけないレベルにしたし、ファッションやメイクはその時

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本に誘われ、ロンドンでジンを一杯

本に誘われ、ロンドンでジンを一杯

2019年8月7日から9日までロンドンに行ってきた。

お盆休みに友人たちとポルトガルへ行く予定だったので、その日程に無理やりくっつけての弾丸旅行。              

そうまでしてロンドンに行きたかった理由は、ロンドンでジンを飲みたかったから。ただ、それだけ。

ジンとの最初の出会いは、山田詠美さんの『放課後の音符』。(装丁が変わったのを知らなかった)

今より少し前の時代の女子高

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