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中途採用の集客媒体の基礎【採用の基本のキ⑧】

2023年の人手不足倒産が260件で過去最多

このようなニュースが
世間で騒がれるようになった昨今、
働き手の不足が深刻な状況です。

2024年問題では
トラックドライバーの人手不足の中
残業時間上限規制でモノが運べない
とマスコミ報道を見た方も多いでしょう。

更に、2025年には
団塊世代(1947~1949年生まれ)が
75歳以上の後期高齢者となり、
他業種でも働き手不足の問題が表面化します。

人材獲得競争を勝ち抜けない企業には
倒産危機もあると言って過言ではありません。
今回は、人事が絶対に押さえておいて欲しい
採用の基礎知識を解説します。

その中でも、中途採用において
人手不足を解消するという目的
必要な採用の集客手法のお話をします。


1.働き手不足はどの業界で発生しているか?


採用手法の話をする前に、
まずはどの業界が人手不足なのか?

よく分からないという方のために
簡単に解説したいと思います。

厚生労働省のデータによれば、
以下の3業種が筆頭になります。

①医療・福祉
②建設業
③運輸業・郵便業

①医療・福祉

2025年問題でも象徴されるように
団塊の世代が75歳に達する2025年の
介護サービスの需要は2017年と比較すると
以下のように変化しています。

在宅介護:24%増
居住系サービス:34%増
介護施設:22%増

ご存じの方も多いと思いますが、
需要に対して賃金水準が上がらず、
大企業の参入がないこの業界では
待遇面の悪さから人手不足が続きます。

2025年における需給ギャップは、
約55万人ともいわれています。

②建築業

高度成長期以降に整備したインフラや
建物の多くは50年を経過し、
今後一斉に老朽化するため、
建築業の需要は高まるばかりです。

しかし、給与の低さと休日の取り難さ
といった待遇面の悪さが主な原因で
人手不足が続いています。

建設業の就業者数は
1997年:685万人(ピーク時)
2020年:492万人
ピーク時と比較して約28%減少しています。

2030年時点の需給ギャップ予測は
最大で49.8万人と言われています。

③運輸業・郵便業

これまでも2024年については
解説してきましたので
詳細は以下の記事をご参照ください。

こちらも待遇面の悪さから
2030年時点の需給ギャップ予測は
最大で約24万人と言われています。


2.集客に用いられる媒体の種類とは?


中途採用の集客の王道と言えば
転職ナビサイトになります。

まずはこれに掲載をして
自社が選ばれるのか確認しないと
何も始まりません。

後半では違う手段も提案しますので
まずは基本を抑えましょう。

総合転職サイト
①doda
②リクナビNEXT
③マイナビ転職
④エン転職

どのサイトも一度は
見聞きしたことがあるでしょう。

「いや、掲載しても高いだけで
 ちっとも応募が来ないから
 困っているんだが!」

そんな声も聞こえてきそうなので
細かい説明は避けますが、
ナビサイトで正社員を獲得するには
待遇面×仕事の魅力」の訴求
が必須となります。

つまり、
中小企業で大企業の求人に勝つためには
何かに特化した魅力付けが必須となり、
「そんな魅力はない」と考えている時点で
採用はかなり難しいと言えます。

個人的な感触ですが、
年収450万円未満の案件を
これらのサイトに掲載するのは
愚策と考えております。

人手不足業界は
年収300万円~400万円の求人が中心のため
この土俵で戦うのは厳しいと思います。

では、どうやって戦えば良いのか?
それはナビサイトを使うのであれば、
専門特化した媒体を利用することを
ご提案したいと思います。

建設業
①建職バンク
②ジョブケン
③ブルカラ

介護職
①レバウェル介護
②マイナビ介護職
③e介護転職

トラックドライバー
①ドラEVER
②トラッカーズジョブ
③ドラコムネット

あくまで、上記は沢山ある媒体の
ほんの一部です。

詳しくは「地域×職種×求人サイト」
検索して調査してみてください。

ただし、一つこれだけは押さえておいて
頂きたいのですが、求人のナビサイトは
あくまで条件比較サイトである点を
忘れないでください。

つまり、何か一つでも特筆した条件、
魅力的な仕事がないと、比較検討の土俵に
すら立つことができません。

費用ばかり掛かるのに応募が来ない!

この原因は上記の問題にあると
私は考えています。


3.結局は採用の知識がないと破綻する


ナビサイトの特徴はご理解頂けたと思います。

では次に、私なりに模索した結果、
ナビサイトを使わない採用手法をご紹介します。
自社にあったものをお試しください。

①indeed PLUS

indeedはアルバイト、パートだけでなく
労働集約型の正社員求人にも強い媒体です。

クリック単価で精算するため予算を設定して、
使い過ぎない点が魅力だと言えます。

他は通常の採用と変わりませんが、
掲載に当たって注意点があり、
自社の採用サイトがあった方が
効果が高いとされています。

自社採用HPがない企業は
リクルートのAirワークをご利用ください。


②デイワークを活用し、アルバイトから採用する

例えばタイミーのような単発バイトを
活用して良いと思った人材へ
直接アプローチする手法です。

軽作業等の案件で集客をして
職場体験をして頂くため、
対面で勧誘できる点が良い所です。

もしトラックドライバーなら横乗りをして
介護ホームなら、入居者とのふれあいも
体感して頂くといった手法で
仕事の魅力を肌で感じてもらうのです。

自社に合わない人は
ブロック機能を活用することで
再度、来てしまうことを防止できます。

また労働の対価を支払うため
求人としてだけでなく、
労働力の不足を補う施策としても
有効であると考えています。

昔の手法で言えば
アルバイトスタッフの学生を勧誘して
正社員へ登用するといった手法を
使っていた企業もあったと思います。

このアルバイト採用のプロセスを
省略できる点が魅力的ですが、
その分、ミスマッチも起きますので
しっかりと見極めが必要です。


③Googleリスティング広告

詳細は別の機会でご説明しますが
リスティング広告を利用するのは
如何でしょうか?

ナビサイトでもアルバイトや
契約社員が多いナビサイトで、
正社員の求人を掲載することで
検索に残る可能性があります。

しかし、Googleで検索する人は
意図をもって検索しているため
志望度が高いとも言えます。


如何だったでしょうか?

いずれの手法も、今はマイナーでも
段々常識になりつつありますが、
運用の難しいという誤解から、
ナビサイトへ走る企業が多いことも
事実ではないかと思います。

結局の所、これまでにご紹介した
「採用の基本のキ」シリーズで
ご説明した基礎知識を知らずに
表面手的な手法に囚われて手を出すと
必ず失敗してしまいます。

新卒採用は、計画・設計⇒集客⇒選考
を経て入社のためリードタイムが長い点が
企業側の負担が大きく、失敗した際の
損失も大きいと言えます。

特に不人気の業種では
新卒なら、第二新卒を狙うべきで、
若手でもブラック企業で悩む人を
勧誘した方が遥かに効率が良いです。

競合他社や周りの企業の真似をして
ありきたりな広告を出して結果が悪いと
嘆く人事担当者を山ほど見てきました。

この記事を読んで頂いたあなたには
同じ轍を踏まないで頂きたいと思います。


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