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採用の基本は「歩留まり」の理解から始まる【採用の基本のキ①】

『採用の担当に変わったのですが、
 一体何から覚えたら良いのでしょうか?』

最近、このような相談をよく伺います。
最初に採用担当者となった新人へ
あなたなら何から教えるでしょうか?

スカウトメールの送り方?
面接の日程調整のやり方など
実務からでしょうか?

私は一番最初に教えることとして
「歩留まり」の理論から理解して頂くこと
これを強くお勧めしています。

『歩留まり?何それ?』
とか、
『もっと重要なことが他にある!』

そう感じた方はぜひ最後まで
読んで頂きたいです。

今回は採用担当者なら
絶対に押さえておいて欲しい
歩留まりの理論について
端的に分かり易く解説します。


1.歩留まりとは何か?


まず、歩留まりとは何か?
一般的には製造現場で使われる用語で
加工に際し,使用原料に対する
製品の出来高の割合のこと
です。

採用における歩留まりとは、
応募から入社まで採用選考の工程において
ある工程から次の工程への移行率を指す言葉
として使われます。

つまり、応募してくれた人が10人
面接に来てくれた人が5人だとすると
面接率は50%ということになります。

一般的に面接率は40~50%くらいが平均
(業界、職種によって異なりますが)
なので、特に問題はないと判断できます。

もう少し掘り下げて見ていきましょう!


2.なぜ歩留まりが重要なのか?


それではなぜ、私が歩留まりという
あまり世間では一般的ではない用語を
採用の基本であると位置づけるのか?

それは、採用活動において
歩留まり率こそが、選考過程における
異常を発信するシグナルだから
です。

つまり、
採用活動の健康診断のような役割
あると考えているからなのです。

自社の採用活動において、
現在の数値と目標とするKPIの設定は
とても重要となります。

単に採用人数が〇人では全然足りないのです。
その目標はKPI(※)ではありません。
KGI(※)と呼びます。


※KPIとKGIの違い

KPI(Key Performance Indicator)
…ビジネスにおける過程を見る指標
KGI(Key Goal Indicator)
…ビジネスにおける結果を見る指標

採用でいうKGIとは採用人数であり
KPIとは各工程における歩留まり率を指す。


3.採用は数学のセンスが必要


では、ここからは具体例を用いて
どのように活用するのか?
基本のキをご説明したいと思います。

ある採用担当者がスカウトメールを
千通送信して5名の採用を目標とした場合
その結果を数値化したものです。

ここでは個々の数値から何を読み取れるか?
トレーニングをしていきたいと思います。

まず、図1をご覧ください。
黄色のセルとグラフの青枠を見て
何が読み取れるでしょうか?

グラフだけ見るとシンプルに
角度がガクッと下がっていますよね?
果たしてこれは異常なのか?

図1

答えは、異常ではないということです。
これは応募と応募の数値の違いです。

自社のスカウトメールの応募率が10%
これが同じ業界内でどうか?
比較してみて問題ないか確認しましょう。


次に、グラフが見づらくないでしょうか?
応募後=カジュアル面談の設定人数からが
応募後となるため、見やすくするために
スカウトメールの数値を削除します。

図2をご覧ください。
応募後=選考過程における数値の変化となります。

従って、
ここからはグラフの角度が鋭い所は
何かしらの検証が必要となってきます。

図2

次は、
カジュアル面談から採用面接の設定率です。

この「設定」とは、予約の段階であり、
「実施」とは面接の実施人数となります。

では、赤い数値をご覧ください。
採用面接の設定率が40%とありますよね?
これは一般的な数値となります。

前半でもお伝えした通り、
40~50%が平均となりますので
それ程問題のある数値ではありません。

では、見直す所はどの部分でしょうか?


最後に図3を見てください。

内定通知が17%とあります。
これは正常な数値でしょうか?

図3

この数値だけを見て一概に異常とは言えません。
ただ、カジュアル面談を経ているにも関わらず
この数値が示すことは、おそらく…

面接官の採用基準が高すぎる疑いがある

これを確認してみましょう。

それ以外にも、例えば…
採用要件の基準が高すぎた。
・採用面接自体に問題がある。
・部署のメンバー間で基準が不明確である。

そんなことは起きていないでしょうか?

この表では、採用面接後の辞退率がありません。

もし、圧迫面接をしていたらどうでしょうか?

内定通知を出す前に
大量の辞退者が出ていたとしたら…

そう考えると、
数値の設定の重要性がわかって頂けるでしょうか?

少し極端な例をお話しましたが、
これ以外にも内定辞退があるため、
少し多めに内定通知を出す工夫
必要なのかもしれません。

ただ、私がここで注意している点があり
採用基準を下げ過ぎないようにして欲しい。
ともお伝えしています。

先程の説明から矛盾するのでは?
と感じた方もいるかもしれません。
詳しくは次回にお伝えします。


如何だったでしょうか?

歩留まりの重要性をご理解頂けたでしょうか?

これらは採用の要件定義について
次回詳しくお話したいと思います。

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