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ほけきよ俳句

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#短詩

2022年10月俳句

https://youtu.be/6PDqHs8dwDQ

鷹渡る耳立ててゐる招き猫
九月尽妻は理事長となりぬ
おすすめの食べ方のあり秋扇
空席に残る食器や秋澄めり
保育士の促す踊り木守柿
ままごとのお金としてのピーナッツ
火恋し自転車の鍵かけ忘れ
エスカレーター降りれぬ吾子や稲の花
灯火親しむ中警察署長が見ている
秋の虹まずはお友達登録だけでも
金木犀行列は終了です
あんぱんに愛と勇気や敬老の日
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2022年9月俳句

2022年9月の俳句

とろろ汁汚れても良い吾子の服
色鳥やまたも書き順指摘され
天高し洗濯物を干す時間
空席に数限りある九月かな
結論から始まる話椿の実

2020年8月俳句

今月は44句秋の蝶買い物してから帰ります
笑つてる旅館のテレビ夏孤高
無花果や区別つかない芸能人
黒い種白い種ある盂蘭盆会
脅されて日記書いてる夏休
いつまでも怒る息子や秋の色
残暑かな嬉しき麺の良く絡む
去年まで住んでいた部屋秋の蜂
お願いしたらすぐにやつてよ稲の花
八月の道八月の挿入歌
初秋の便器ほどほどきれいなり
快晴やとにかく秋の日なりけり
別れても見える人なり稲雀
初めてだから初めてだか

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2020年7月俳句

今月は37句
入店の音からからとソーダ水
レシートのラムネと濡れて手の厚さ
赤子の如く厚き座布団日の盛
犬を飼う人の集まる夏野かな
右を向く著者近影や雨蛙
網戸して中古マンションのチラシ
求める事をすれば良いだけ梅雨茸
風鈴や貝みたいで美味しい貝
具を入れるパンの隙間や新樹光
お花畑冷凍炒飯上手く盛る
違う事に違うと言える熱帯魚
冗談のつもりだったが花菖蒲
起きていて寝ている手足糸蜻蛉
夏シャツに

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2020年6月俳句

今月は39句
短夜の夫が入つて出ていつて
黒南風や言われなければ動かない
ファミレスの平たいライス雲の峰
父の日にゆるく口止めされたこと
青蜥蜴水曜空欄の手帳
紫陽花や妻に厳しい義理の母
父方の親戚愉快夏料理
真夜中に扉の重き冷蔵庫
梅雨入してひつくり返すマグカップ
濁り鮒ああとかいいとかううとか
強冷房や窓際席のハンバーグ
あいの風そういう人も必要
夏帽子そういうのってどういうの
たまにしか開か

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2020年5月俳句

今月は43句
母の日のサーモン多いパック寿司
掃除機の音の華やぐ薄暑かな
夏の夜視聴者参加型番組参加
夏めいていい加減な水加減
義実家に定位置のある子供の日
葉桜や方言最後まで聞いて
同窓会知らぬ先輩もいて立夏
体重計の数字揺れ動く立夏
皆同じ話題五月のラジオアワー
母驚き赤子驚く大き蜘蛛
母の日にトイレの風水術言われ
社内報に部長の笑顔梅雨に入る
八重桜場所だけ決めて待ち合わす
木蓮の作画崩壊し

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2020年4月俳句

今月は38句春日傘最終回を探している
巣燕や年齢抜かされる気はない
99.99999%卒業す
知り合いの医者の返事を待つ日永
新社員の向く方を向く新社員
桜に挟まれ川もきらきら光つてる
ごみ箱にごみ溢るるや猫の恋
麗かや私の部屋は狭い
木瓜の花お世話になつただらう君も
心細き遅延電車や揚雲雀
行列の先頭にいる新社員
お受験の子と受験の子門に入る
草餅や当選済の札貼られ
新社員録音録画禁止なる
組み

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俳句2020年3月

今月は43句
目の白き達磨の小さき春の塵
麗かや木像の目の動かざり
山門を潜れずにゐるしゃぼん玉
春寒や横たう信楽焼狸
辛い時笑ってみよう蛍烏賊
独り言聞かれぬままに卒業す
柔らかい眼鏡に変えし春休
春炬燵死んだと思っていたあいつ
人に好かれ人に食べらる桜かな
リモコンの釦に零のない遅日
説明書のよく読むページ春の風
囀や開けば空の冷蔵庫
チューリップ説明書無きロボット犬
三月の本音出ちまつた顔

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俳句2020年2月

今月は46句
小春日やホワイトボードの小さき文字
ジャンパーの柵に掛けられしまま踊る
一面に七里の渡し枯芒
冬の蜂署名のありし注意書
冬帽子斜めに被り六地蔵
精度良き参道の砂利寒の水
歯と歯の間の歯の欠けてゐる春日かな
使わない鍵持ち歩く二月かな
整列す中古パソコンらの余寒
冴返る日の昇降機よく停まる
立春や肉を焼くとき網も焼く
【非公表:お〜いお茶新俳句大賞6句】
待春の舌の置き所なき口中
冬終

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俳句2020年1月

今月は50句
水涸れて不動の瀧となりにけり
壁に隠れて兎餅を撞く松の内
寒鯉を横目に見ゆる女かな
賽銭に異国の硬貨初詣
初旅や異国と坂と塀の街
歩行者の道いっぱいに冬麗
松過ぎてマスクのままに寺巡る
老人のジャンパーのまま餅啜る
大須商店街異国の春も迎えをり
寒鴉高らかに乗る招き猫
赤信号青信号も寒鴉
観音の列の太さよ冬の雲
社歌歌う仕事始の咳払い
沿線の近くに走る雑煮かな
元旦の歯ブラシ口に迎へ

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俳句2019年12月

今月は52句

家康のコスプレをして懐手
石垣の隙間覗きし十二月
長靴のやうな金鯱冬の月
武将なので敬語使わぬクリスマス
大広間に二匹の遊ぶ狸かな
名古屋城誰のものでもない枯野
スノードームに太古の記憶蘇る
冬麗の広場に市場開かるる
ベビーカー押して止まりぬ年の市
妻の寝息規則正しき聖夜かな
凩や注射の針を向けらるる
平均身長平均体重年の市
個人情報確認し合ふ年忘
長電話聞かされてゐる炬燵かな

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俳句 2019年11月

今月は35句
ラグビーのスクラム心臓の如く鼓動
ハロウィンの道譲り合ふ二人かな
電子レンジの口開けしまま冬に入る
文化の日突っ張り棒の影静か
秋惜しむ慰安旅行の課長父に似て
封筒を抱えし帰路や冬に入る
虎の威を借りし白人冬の星
挨拶は私の役目冬雲雀
勧誘を一本足で聞く梟
酢が弱い砂糖が強い波の花
白鳥に隠れて食べるプリンかな
誇らしげに大好物を見せる熊
冬の虹王子と呼ばる編集長
凩や電子レンジで温

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俳句 2019年8月

今月は44句
おろおろと子をあやしをり秋に入る
印鑑を勝つやうに押す残暑かな
蚯蚓死す満車のコインパーキング
玉葱を吊るし客居ぬ駐車場
居待月待ち受け画面に今の犬
昼の桃答えは裏に書いてるよ
残暑かな少女の隣空いていて
八月の老人海鮮丼を食う
東京に集まつてきて残暑
親指の太く短し黒葡萄
借り物を自分の物に終戦日
秋扇に第二関節なかりけり
O脚の娘と秋の川歩きをり
壁に穴母は稽古にゆく帰省
無視す

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