俳句 2019年8月

今月は44句
おろおろと子をあやしをり秋に入る
印鑑を勝つやうに押す残暑かな
蚯蚓死す満車のコインパーキング
玉葱を吊るし客居ぬ駐車場
居待月待ち受け画面に今の犬
昼の桃答えは裏に書いてるよ
残暑かな少女の隣空いていて
八月の老人海鮮丼を食う
東京に集まつてきて残暑
親指の太く短し黒葡萄
借り物を自分の物に終戦日
秋扇に第二関節なかりけり
O脚の娘と秋の川歩きをり
壁に穴母は稽古にゆく帰省
無視すれば無視されるから濁り鮒
百合揺るる紙パックのお茶吸う吸う
どこ小だよ前の花火のくづれゆく
つけ汁の濃さに差のあり冷素麺
見える所見られる所夏祭
冷房が効きすぎてをり塩で食ふ
喉通り過ぎゆく泡や今朝の秋
動かした人形の動かぬ残暑かな
春巻を貫くやうに食ひ案山子
秋の蚊と食器と忘れ物のタオル
蝗にも蝗の理由ありにけり
かなかなや明日実家に帰ります
鰯雲軽き手鍋を一煮立ち
いつのまにか一人となりし秋湿
秋の水さつきなんて言いましたつけ
配達の来ず秋風鈴鳴りにけり
芋虫に柔き歯のありナムル食ふ
朝顔や奥歯の噛み合はぬ破顔
冷やかや零れるやうに二人言
秋声や骨にはそれぞれの重さ
伝票にとめはねはらい休暇明
流れ星音声案内待たず押す
夜食とはプリンの黒いとこのやう
蓑虫の緊急停止ボタンめく
秋晴やカレー冷たきカレーパン
買い食いや視点定まらぬ秋灯
長き夜の入口出口一人分
金柑やいつかは揃うキーホルダ
新米を嵌め込む口の暗きかな
露けしてありがとう良い人ね


個人的に好きな句
蚯蚓死す満車のコインパーキング
玉葱を吊るし客居ぬ駐車場
居待月待ち受け画面に今の犬
昼の桃答えは裏に書いてるよ
残暑かな少女の隣空いていて
八月の老人海鮮丼を食う
東京に集まつてきて残暑
秋扇に第二関節なかりけり
O脚の娘と秋の川歩きをり
壁に穴母は稽古にゆく帰省
百合揺るる紙パックのお茶吸う吸う
冷房が効きすぎてをり塩で食ふ
秋の蚊と食器と忘れ物のタオル
かなかなや明日実家に帰ります
秋の水さつきなんて言いましたつけ
芋虫に柔き歯のありナムル食ふ
秋声や骨にはそれぞれの重さ
伝票にとめはねはらい休暇明
流れ星音声案内待たず押す
蓑虫の緊急停止ボタンめく
秋晴やカレー冷たきカレーパン
買い食いや視点定まらぬ秋灯
金柑やいつかは揃うキーホルダ
露けしてありがとう良い人ね

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