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句集『本物』

2013年から2021年までの俳句を選句 しづしづと救急車ゆく春隣 冬の雲列島のごと並ぶ靴 福寿草父だけ知らぬ吾子の友 大き愛大き見返り竈猫 餡パンの顔の男や社会鍋 巳年蠍座B型次男年末賞与 資格取るための勉強冬の虹 ポインセチア無駄遣ひてふ使ひ道 室咲やコンセント無き喫茶店 貴方らしき誤り方や年の暮 英吉利人なら傘差さないや冬灯 諸説ある忙しさなり冬雲雀 白き物皆救急車文化の日 鵙の声たこ焼き一つずつ食べる 立冬やヨーグルトしか食べぬ子の 人のゐて電柱もゐて寒鴉 冬晴や図鑑は均等に並び 室の花チーズケーキと国際情勢 年用意暴力追放の街 デパ地下の満員となり神の旅 鷹渡る追越車線空いてをり パンを買ふ列に加はり赤蜻蛉 犬を引く紐のたわみや秋の潮 大型犬を従えている秋日和 隣人は四人家族や秋の声 蟷螂やいつも二人で分けていた わかること以外わからぬ秋出水 新涼や用途の違う醤油ある 病院のコンビニで買ふ氷菓かな 立秋の吾子堂々と喃語かな 吊るされし鯨の骨や夏の果 紙オムツ丸めて秋の朝の中 銭湯の皆堂々として残暑 足着かぬ椅子の高さやソーダ水 蛍火や間違ひ指摘し合ふ仲 アイスコーヒー私が晒されているやうな カットステーキ定食頼む新社員 空欄の多き申請花曇 おかわり自由しないも自由新社員 パンツスーツ集団のゐて四月馬鹿 蒲公英やもう立つやうになりました 春の虹いま目薬の真下にゐて 菱餅を切るまな板の少し濡れ 春の塵きつねうどんの大人しき 手伝わぬ人も居て良し雛祭 鍵すぐにかける家なり春大根 短くて太きストロー桃の花 春の光正解を探しに来た 卒業生花束下向けて帰る のどかさや赤子立ちたき時に立つ 三人で運ぶソファや水温む 寝室に定位置数多春の闇 三月のラッキーボーイハッピーガール 花曇電話ボックスの中から 春の蝿選択肢から選べよ 春浅し幼子に這ふ聴診器 立春の電子レンジを眺めをり 春寒し抑揚の無き電子音 音の出る絵本の音も春めけり 囀や単身赴任決まりをり 菜の花や昇降機無き雑居ビル 春の昼辛子マヨネーズだつたか 信じてあげたい雨の予報や亀の鳴く 新年の右折車両と見つめ合ふ 行き帰り違ふ道なる初仕事 話し声漏れし窓口寒椿 冬晴や未だ傷の無きオムライス 焼肉に裏表あり鰤起こし 家計簿に書かないお金日向ぼこ 押せば開く扉の如き師走かな 山茶花や美容皮膚科の壁白し ポインセチア五戦三勝だがどうする 火恋し決着つける程でもなく 失敗をすぐ言う夫や烏瓜 平面の多き窓口に秋桜 秋の雲どこかってどこか分かれば 啄木鳥や現金が一番安心 私と同じお悩みいぼむしり 秋湿汁まで飲まなくても良いよ 優先権持ちて堂々と花野 お待たせしました秋の大北海道展 秋麗私が一番綺麗 秋高し返事は聞いてないけど 祖母熱狂す覆面レスラー鰯雲 ワンオペレーション育児す秋の蛍 口論が広がつてゆく新蕎麦よ 秋の蝶抽選に外れたら、ね 桐一葉運命の人じゃないらしく 秋の蜂びっくりしたと言うが 言葉通りに言葉受け取る渡り鳥 秋の水スタミナ弁当六八九円 秋の園ご都合の良いお口だこと でもそれは自業自得だよね新涼 胡桃割る君だけ謝つて欲しい 黄落や三角コーン直立す 鰯雲傷口見せてあげようと思って 秋高し可愛い豚まんとの写真 放屁虫投票箱に穴一つ 秋の日はコロッケくらいの大きさ ましら酒人類発展の悩み 秋曇俺たち葉巻仲間 水澄むや絶対3LDKが必要 カレー食う為の散歩や草の花 黒い種白い種ある盂蘭盆会 いつまでも怒る息子や秋の色 去年まで住んでいた部屋秋の蜂 初秋の便器ほどほどきれいなり 歯茎腫れて穴子寿司の美しや 残暑かな何度もいないいないばあ 会計の早い病院鰯雲 梨拭けば赤子が笑うなり 秋の昼私は声で分かるから 新米にとやかくは言わんけど 桃並べ雄雌の見分け方 狗尾草じゃあ私が見せちゃるけんね 犬を飼う人の集まる夏野かな 右を向く著者近影や雨蛙 網戸して中古マンションのチラシ 求める事をすれば良いだけ梅雨茸 お花畑冷凍炒飯上手く盛る 焼肉屋煙と灯り漏れ晩夏 歯が痛くなつて夕立音の無く 兜虫義母に見られてはならぬ 噴水や親孝行として泣けり 炎昼や女子小学生の露骨 一番良い運動すれば良い端居 短夜の夫が入つて出ていつて ファミレスの平たいライス雲の峰 青蜥蜴水曜空欄の手帳 父方の親戚愉快夏料理 白シャツやお釣りお願いします 心太家賃払ってない人と 水馬反省してるんだねえホント 梅雨寒や一応食べれるよ食べな 鈴蘭や手描きのヒーロー顔だけ 東京へ行く郵便や田水沸く 母の日にトイレの風水術言われ 社内報に部長の笑顔梅雨に入る スーパーの床ピカピカやソーダ水 熱意なら誰にも負けません白夜 雨蛙考えたらわかるだらう 寝て起きて昨日言われた言葉、滝 蝸牛任せると言った以上は 夕立にヨシと一言言い戻る 空腹ややや常温の缶ビール 新社員の向く方を向く新社員 麗かや私の部屋は狭い 木瓜の花お世話になつただらう君も 行列の先頭にいる新社員 お受験の子と受験の子門に入る 新社員録音録画禁止なる 春の野や苺味だと思つた赤 行く春や時間かかるからお先に スイートピーあなたは会社員だから 税務署の昼の無欲や桃の花 して欲しそうな挨拶するよ花水木 すげーーーという一言蝿生る 春の山笑える名前笑い合う 辛い時笑ってみよう蛍烏賊 チューリップ説明書無きロボット犬 啓蟄のケチャップ爆ぜながら出る 春一番この電車はまだ止まらん 野遊や見えないと言い張り続け 春の雁三十九点二度の熱 ビジネス街ステーキランチ春の虹 春大根閉店間際の入店 楽に金欲しいや駅のホーム長閑 日常系ドタバタコメディ朝桜 土筆野や私以外皆私服 蒲公英やイッてやりましたわガハハ 三月尽残業禁止だから禁止 冴返る日の昇降機よく停まる 立春や肉を焼くとき網も焼く 待春の舌の置き所なき口中 冬終る面倒臭そうな店員 立春日帰り出張のいってきます 不機嫌の伝わってきて余寒 百千鳥聞かれれば答えるだけ 雪とけて男らしいとこありますよ俺 枝垂桜金目の物をあげたい 浅き春手の裏を太陽に 春の暮傘取りに戻る人 亀鳴くや歯医者三十分耐えた 終電が空の財布を運ぶ春 春は曙あの部署にいつてくれたまへ 春一番期待してないラーメン屋 親の資産聞きし次男や風車 猫の子や乾物ばかりの物産展 春の泥いいねいいねとカメラマン 賽銭に異国の硬貨初詣 老人のジャンパーのまま餅啜る 観音の列の太さよ冬の雲 社歌歌う仕事始の咳払い 元旦の歯ブラシ口に迎へをり 女子高生ホットポカリと白い息 センター試験アナウンサーの左右対称 元日にカーテン開けしままの部屋 雑炊を念入りに吹く怒老人 着膨れて女子高生集団の嘲笑 煮魚に煮汁かけ続ける狸 終電や餅が焼けるのが遅い 三寒と四温や温め直すパン 大皿の牡蠣グラタンやドリンクバー 炬燵猫別に仲間ではないよ 笹鳴や作つてもらつたシチューが甘い ナイフとフォーク使う朝食冬薔薇 懐手いいよいいよ買ったげるよ 冬枯や切手頼りなく貼られ 妻不在焼肉食べ放題待春 枯草を踏めばどうしたんですか待ち 白菜や俺が食べるのを見てくれ 冬凪や私平熱低いから 平均身長平均体重年の市 個人情報確認し合ふ年忘 大鮪ノーヘル原付の走る 白菜や歯間ブラシに血の滲む 妹の友達見かけ年の市 甲斐甲斐しく賀状投函する私 鯨跳ぶハードカバーの本閉じる おへそ記念日セーターに指入る穴 山眠る育児休業するらしく 撮り直す為に大根抜かれをり 雑炊や怒られたから笑うふふ 返り花管理組合総会紛糾 間違い探し間違いのまま晦日蕎麦 文化の日突っ張り棒の影静か 秋惜しむ慰安旅行の課長父に似て 挨拶は私の役目冬雲雀 勧誘を一本足で聞く梟 凩や電子レンジで温まる 駅伝子倒れなければ前進す 鮫ゆらり隣の脚が当たりさう 園長のぶっきら棒に寒の水 冬晴の買い物袋二重なり どうしよっかどうしよっか帰り花 還暦の母にケーキや枇杷の花 メリーゴーラウンド上下せし冬麗 秋冷房防災訓練打合す あの人は犬を蹴る人台風過 雨の日のフードコートの秋扇 鰯雲あるいは流線型ボデー 兄弟の肖像写真冬支度 冷まじやモリムラブラザーズラブ 皆動いており秋の海に着いた ガブガブとお茶ガリ食って雁渡る 私も今そこにいるよ秋の蝶 終電に礼儀正しく乗る夜長 あすみませんあすみませんと檸檬の香 秋麗鏡見続ける勇気 ナンパ師の彼女や秋の虹二重 東京を過ぎし台風ワイドショー 四次元の写真に入り込む蜻蛉 コンビニのおでんのはんぺんぷかぷかす 晩秋や記念硬貨の菊の紋 超巨大自動車会社とろろ汁 着膨れて流体動物猫とゐる 空つ風君そういうの好きだよね 嬉しそうな異動報告枯芙蓉 秋澄みし日や大仏と付けまつ毛 大袈裟なキーホルダーや鰯雲 敬老の日のスケッチの手が大きい 導くやうに秋分の日の歩幅かな 人混みに隙間のありし秋の波 大南瓜煮て冷凍庫の乾き 握り寿司より助六寿司が好きで月 そりゃ私悪くないし猪 旅人やどうせだつたら竜田姫 解約の理由お聞かせ下さい秋思 火の恋し笑つてくれる顔をして 二番目に近いコンビニ草の花 栗の毬割れタメ口の警察署 明太子入卵焼焦げ雨月 馴染みの店で儲け話をして檸檬 もう寝るの紅葉且つ散るもう寝るよ 印鑑を勝つやうに押す残暑かな 蚯蚓死す満車のコインパーキング 玉葱を吊るし客居ぬ駐車場 居待月待ち受け画面に今の犬 昼の桃答えは裏に書いてるよ 八月の老人海鮮丼を食う 東京に集まつてきて残暑 親指の太く短し黒葡萄 秋扇に第二関節なかりけり O脚の娘と秋の川歩きをり どこ小だよ前の花火のくづれゆく 秋の蚊と食器と忘れ物のタオル 秋の水さつきなんて言いましたつけ 芋虫に柔き歯のありナムル食ふ 朝顔や奥歯の噛み合はぬ破顔 冷やかや零れるやうに二人言 秋声や骨にはそれぞれの重さ 秋晴やカレー冷たきカレーパン 露けしてありがとう良い人ね レジに並ぶ氷菓が少し溶けるくらひ 説教に小さき相槌土用鰻 アイスコーヒー隣の席の子守唄 電卓を何度も見せる熱帯魚 白シャツの白き者より席を立つ 向日葵畑に俺が居るとこ見たいだろ ゆふがたのハンカチ臭しまた拭ひ 胡瓜折るやつてはいけないと言はれ 大夏野足裏のまだやはらかく 風死すや胃にヨーグルト溜まりをり 夏の夜の仲良き家族ポン酢のポン まけまけの酒を撒く撒く夏の朝 七夕やだからお前は駄目なんだ 車座になつて夏野に話しをり 二次会に上司が一人付いてきた 滴りや別々に食ふチョコとパン かたかげり頼まれしこと忘るるる 馬鹿夫婦雲の峰見て歩きをり 日焼の先輩嗚呼人生は素晴らしい 動かざる大学生の半裸かな 散歩する為の散歩や青芒 一人になれば夏休開始なり 水っぽいカレー卯の花腐しかな 百貨店に百貨のありし炎天下 滝壺に骨が沈んでいるらしい 蝸牛金で済むならそれで良し 父の日や祖母の朝は早い 異邦人の傘の短し藍浴衣 発作的交際報告泥鰌鍋 メロン切つてふたつのメロン眺むるる クーラーがクジラのやうに息を吐き 夏風邪や面白い事言いますよ俺 月曜の殺人現場にある麦酒 蝉時雨自動改札のリズム 青蜥蜴西口いつも先に待つ 冷し中華先に帰つて来た夫 押さないで下さい万緑に慣れるまで 網戸してトイレ半開きで固定 白南風や登場人物全員ムカつく ヒロインは私と私梅雨茸 雲の峰満腹中枢のお馬鹿 つけ麺の麺の短し雨蛙 炎天や財布忘れて愉快 片かげり父に似た兄僕母似 薫風やあとは食べてねよろしくね 聖五月二人組でも良い三人 入門編としててんと虫団子虫 更衣昇降機に二人狭い 飲み会と仲間が好きな黄金虫 夏めいて言つちや駄目聞いちや駄目 新樹光まづは変わつてないですねと 送別会兼異業種交流会に蛍 ホルモンを妻に多めに焼く緑夜 満貫直撃夏野が怖くなつてきた 知つてるよ私何でもさくらんぼ どかどかと入店したり風死せり コンビニに汗ばむ少女と会社員 盛夏かな食卓赤き皿うどん 噴水に感情移入して号泣 真夜中やソファ就寝蚊事ほっかむり 玉の汗舐めてなかなかやるな俺 春の川みな直線を引きたがる 一塊の流動体として花見 春の夜に標識多き道なのね 梨の花だつて挨拶されたから 昼蛙道に植木鉢植木鉢 結婚をしないできない春炬燵 菜の花やニューヨークへ行きたいのか 犬ふぐり気象予報士の娘ぞ 春駒や最近怒らなくなった 猫の恋なんでも出来立てに限る 最後まで見る価値は何残る雪 地元ではぶいぶい言わせ春の泥 遠足の電車に寝ているおじさん 別々の入口出口春休 磯巾着えらく批判的ですねえ 選択肢みな正解の春の雨 二軍の人は二軍のままに春惜しむ 残雪や家賃六万五千円 春休サドルの高さ合はせをり 春の海髪を伸ばしている途中 プロペラの回り始めて長閑なり 食べられるもの少なくなり春の星 巣燕や一人ネパール人陽気 マネキンと同じ店員濃山吹 春浅し整つてゐる鼻の穴 最終電車過ぎし線路に春の月 春光や地に着く足と着かぬ足 食パン一斤抱えし帰路や春の風 立春突撃人を見下すための靴 格好良いゴリラやバレンタインの日 春の風邪積み木○△◻︎ この街はたまに風船飛んでゆく 春眠のカーステレオや缶の空 新しき看板娘水温む 春疾風カレーうどんの小さき染み 紙のなき啓蟄の公衆便所 飲み残しはこちらにお捨てください春 大丈夫?野遊大丈夫ですか コンビニにマニュアルのあり年新た 獅子舞のずがりずがりと迫りくる 助手席に乗り成人の日の晴着 新年会目標話す時ふふふ 太陽を動力にして亀の鳴く 春めきて示し合わせたような色 恋猫や説明口調となるデート 人々を足早にする春の雨 父の日や面影の無き家族写真 立飲みの客の孤独やチューリップ 春更けて自分だけ派手なシャツ 剥がすことなき貼り紙やこどもの日 母の日だぞと父からの電話くる 剃刀の刃の冷たさや梅雨に入る 紫陽花や食器を運ぶだけの夫 蟇煙の多き喫茶店 更衣お母さんだけ別の服 惰眠貪り黴の一部と化していく 虹消えて人影の無き歩道橋 青蜥蜴尾の短さや手に火傷 六月の階段いつも濡れてをり 六月の太陽いつも暇つぶし 新妻のすぐ泣き止みて冷奴 噴水と呼ばれし水の溜まりをり バス停に不揃いな椅子夏木立 人はもう水に戻れぬ梅雨出水 必達の生産計画金魚玉 A定食頼む一団秋祭 炎昼の匂ひに粘度ありにけり 網戸して街の一部と化してゆく 作業着に着られ正しき胡瓜かな 朝顔の蔓を誘導する手つき 馬肥えて再開発の予定ある 火星また新発見や今年米 天高し新車初めての洗車 迷惑な生き方として秋桜 きょうはおとうさんがいたあつかった 台風や納豆混ぜし箸の先 敬老の日の煮物煮る長さかな 水澄むや薄桃色の塩の岩 隣人の団欒の声竹の春 秋の暮明日やれる事明日にやる まだ道の半ばの釣瓶落しかな ちちろ虫また夕飯のこと聞かれ ゆめ並ぶ習字教室新松子 新米の食卓に父遅れ来る 手拍子の合間合間やピーナッツ 体育の日のおむすびやしゃけたらこ 蓑虫や十円多き貯金箱 あちこちの道濡れている祭かな 秋の蚊の影の落ち着く机かな 切れ端の残るうどんや枯芙蓉 立冬やレシピ冷蔵庫に貼られ どうだどうだ最近どうだ夏まつり セーターの箸の動きの遅きこと 枯芙蓉尻尾に海老の残りをり 前掛に青きポケット寒卵 大鷹が赤い電車を狙いをる 赤とんぼ可愛い子には旅させよ 猿も木から落ちるコスモスに落ちる 白い息吐く口は災いの元 腐っても鯛殻有りて蝸牛 帯に短し襷に長しかき氷 数え日や早起きは三文の徳 死人には目無し口無し流れ星 鶯の鳴いて言葉を返します 後はもう君が来るまで聖夜待つ 数へ日の商店街を皆歩く 白菜に買物袋傾けり 梟や鏡とじゃんけんして負けぬ 海鼠買ふ駅向ふ人迎ふ人 土筆野にそれぞれ違ふ高さあり 鉄骨組まれ金魚の泳ぐ場所となる 日盛りやビルの背筋が伸びてゐる 台風を包む卵の厚さかな 遠方の友の遅刻や胡桃割る 家族皆朝寝坊也糸瓜棚 黄落の一樹やカレーとなる火力 新米や食べてばかりのポストトト 秋澄めばエビフライの尾も食べる 肉焦がし続ける網や秋の潮 団栗ころころ返事をせぬ返事 枕にタオル今日から秋麗 火が恋し宝くじの二三枚 ハイボールの氷穏やかおけら鳴く メロン掬ふ境界線の定まりぬ 秋の蚊のB定食となるアイツ 天高し挨拶程々に診察 秋澄むや塊となるオムライス 蟷螂は満足感を食べに来る 僕の人生アタシの人生まる子の忌 穴に入る蛇や昇降機の加速 通勤に嘔吐の跡や冬に入る 神鶏のふてぶてしくも年惜しむ 日向ぼこする皺の無き警備服 うぐいすの鳴いて講義の休みをり 春泥や農耕車のある駐車場 鉄塔の線の行方や卒業す 春浅し使うところのみ整理 刈上げの日焼けの男ニカッとす 肌脱ぎの男胸張る鏡前 バナナ食ぶ手のひら腰に当てはめて パセリ摘むミラーボールの止まつてて 着膨れの子のさよならの大きくて 雑踏に入りて鮪の目となりて 人前は繕うばかり寒椿 春の虹改装中の馴染み駅 初燕入門願い携えて 足跡を一つ残して卒業す 春の虹無職無職と自嘲する くるくると踊る歯車働蜂 日々思うこと忘れおる日永かな 余花ありぬ群れ合うことを良しとせず 蜻蛉生まる乾麺に湯を注ぎ 噴水の水の樹となり植物園 シャワー浴びたし心臓の音聴こふれば 紫陽花やポップコーンの弾け飛ぶ 紫陽花や下宿には学生ばかり 雷や後輩にしか怒れぬ男 肩こりによく効きさうだソーダ水 炎天はでっかいお尻のようなもの 生真面目な男笑顔の海開き 年下の自慢話や鵙日和 秋燕やカレーの匂ふ住宅地 秋の空電波は規則良く流れ うっふんと背伸ばしたる豊の秋 本物になりたい男の猛暑かな 網戸見て複眼になる眼かな 秋雨やプレハブ小屋を解体す 部屋に一人家に四人の良夜かな 霙降るもっぱら親指の付け根に 俺が炬燵なら右脚を浮かす 初雪を大口開けて待っている 日本縦断冬鳥のマラソン 冬晴れやコンクリートのひび割れて 幼少期最後にそびえるパセリの樹 風薫り練るほどに艶濃茶かな 指先に集めて灯す夏の星 はじき豆厚顔無恥と言われたり 月から見ると人類みな双子 女のやうな顔と言われし残暑 台風通り過ぎ太陽はピカピカ ミドリムシ三日月は遠く漂い この星の一等賞の残暑かな 刈田にて巨人は足の裏をかく 全方位炬燵生活横臥主義 これからに胸膨らませ寝正月

    • 7月18日 何あんた仕切ってんのよ

      7時起きる。朝飯準備。妻と娘起こす。赤ちゃん起きる。7時半シャワー。朝飯、味玉、スープ、ヨーグルト。娘はアロエヨーグルトとバナナとミニボトル型乳酸菌飲料を食べた。娘にもスープを作っていたが出すのを忘れていた。味玉は昨日の手羽先の煮物の汁に漬けていたもので、汁はゼラチンで固まっていた。妻は固まった汁を食べなかった。娘から、保育園の後に一緒に遊びたい友達がいるから早く迎えに来るように言われた。8時娘と家を出る。自転車で移動。保育園へ。娘を預ける。薬局へ。顆粒出汁、炒りごま、納豆、

      • 7月17日 タクシーが捕まらない

        6時半起床。7時シャワー。朝飯準備。7時半妻と娘起こす。朝飯、海老カツサンド、コーンスープ、ヨーグルト。娘が海老カツサンドを食べなさそうだったのでもらった。妻から、最初からもらおうと狙っていたでしょうと指摘された。8時離乳食。雨なので妻が保育園へ娘を送ることになっていたが、アプリでタクシーを呼ぼうとしてもなかなか見つからなかった。どうしようと妻が言っていたので、時間を決めて時間になったら行けば?と言うと、どういうこと?とややキレ気味に聞き返された。聞き返し方にむかついたので、

        • 7月16日 両者考えるフリ

          7時半起きる。妻に起こされる。娘と赤ちゃんは起きていた。娘の熱は下がっていた。シャワー。妻は昨日のスクワットで筋肉痛らしかった。娘がアロエヨーグルトとオレンジジュースを食べる。8時ミルクをあげる。8時半妻と娘が家を出る。9時オムツ交換。洗濯。9時半赤ちゃん寝る。12時赤ちゃん起きる。12時半ミルクをあげる。赤ちゃんが掴まり立ちしかけていた。昼飯、レモンペッパーウインナー2本。13時半オムツ交換。14時半ミルクをあげる。15時半オムツ交換。16時妻帰宅。妻は海老カツサンドを買っ

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          7月15日 刺身のこだわりの切り方

          9時半起きる。娘と赤ちゃんは起きてた。ミルクをあげる。ウォーターサーバーの水が途中で切れてしまったのでお湯を沸かす。中途半端に粉ミルクにお湯を入れてしまったため固まってしまったので作り直す。妻起きる。ウォーターサーバーのボトル入れ替え。ミルクをあげる。オムツ交換。10時シャワーに行こうとした時に朝飯をどうするか妻から聞かれ、昨日の豚バラのさっぱり煮を使った蕎麦にしようと思っていることを言うと、妻が蕎麦を茹でるお湯を沸かそうとした。急かされているような気がしたのでお湯を沸かさな

          7月15日 刺身のこだわりの切り方

          7月14日 言われるがまま靴

          9時半起きる。娘起きる。10時シャワー。妻起きる。赤ちゃん起きる。10時半朝飯作る。11時朝飯、牛すじ煮込みうどん。昨日作った牛すじの煮込みで作った。ネギたっぷりいれ、甘めの汁で美味しかった。洗濯。12時妻と娘が夏祭り風知育菓子を作る。12時半家を出る。歩いて移動。スポーツショップへ。靴を買いに来てスニーカーを見ていたが、メンズは2階ということを知らずに1階のレディースのスニーカーを見ていた。良いのがなかったので別のスポーツショップへ。ショップ内を見て回る。スニーカーを買う。

          7月14日 言われるがまま靴

          7月13日 りかちゃん人形はどこだ

          6時半起きる。床で寝ていて寒かった。毛布をかぶってソファで再び寝た。10時起きる。娘と妻と赤ちゃん起きる。ミルクをあげる。娘が体調が悪いらしいかった。体温を測ると熱があった。娘吐く。10時半シャワー。朝飯準備。11時朝飯、パスタ、サラダ。パスタはチーズソースとトマトソースを混ぜたもの。サラダは蒸しキャベツにイタリアンドレッシングに韓国海苔、しらす、イカの塩辛を合わせた。娘と積み木やじゃがりこ危機一髪で遊んだり。じゃがりこ危機一髪のハズレのじゃがりこは紐で繋がれており引っ張って

          7月13日 りかちゃん人形はどこだ

          7月12日 提案後の推進力

          7時起床。シャワー。朝飯準備。7時半妻と娘を起こす。赤ちゃん起きる。妻は眠がっていた。娘はスムーズに起きた。妻が焼きカレーパンとヨーグルト、娘がアロエヨーグルトを食べる。離乳食のかぼちゃをあげる。あまり食べなかった8時ミルクをあげる。娘がお絵描きしておりハートが描けないから描いてと言っていた。8時半妻と娘が家を出る。9時オムツ交換。9時半洗濯。10時赤ちゃん寝る。10時半ラーメン丸を食べる。12時半赤ちゃん起きる。13時ミルクをあげる。14時半オムツ交換。赤ちゃんと家を出る。

          7月12日 提案後の推進力

          7月11日 挑発喃語

          7時起床。トイレ掃除。シャワー。朝飯準備。7時半妻と娘を起こす。赤ちゃん起きる。妻が雨は降ってないと言っていたが私の天気予報アプリでは降っていた。雨が降っているときは妻が娘を保育園に連れて行くことになっており、今回は妻が連れて行くことになった。娘は私が起こすと起きたがらず、妻に起こして欲しいと言った。しかし、妻が揺すって起こしても娘は起きず、抱き起こしてと言ったので妻が怒った。娘は泣いた。赤ちゃんが娘の近くに来て喃語を言うと、笑わないでと娘は泣き怒った。謝り共感してあげると娘

          7月11日 挑発喃語

          7月10日 あの子の前でボケまくり

          6時起床。6時半トイレ掃除。シャワー。7時朝飯準備。7時半妻と娘を起こす。赤ちゃん起きる。朝飯、シウマイ弁当、味噌汁。弁当は妻と半分こした。娘はフルーツヨーグルトと味噌汁を食べた。娘は味噌汁を美味しいと言っていた。8時娘と家を出る。自転車で移動。保育園へ。保育園の少し前の道で同じクラスの子とすれ違い、門のところで合流した。友達と合流してから娘がずっとボケていた。踊ったり、廊下を泳いで進んだり、カニの真似をしたり、荷物を置く場所をわざと間違えて自分で突っ込んだり、替え歌を歌った

          7月10日 あの子の前でボケまくり

          7月9日 ずっと仕事してていいよ

          6時起床。6時半トイレ掃除。シャワー。7時朝飯準備。朝飯、生ハム、ヨーグルト。生ハムは昨日食べたものの残り半分。生ハムにはオリーブオイルをかけて食べた。7時半娘と赤ちゃん起きる。娘朝飯、バナナ饅頭、アロエヨーグルト。娘はアロエヨーグルトだけ食べた。ミルクをあげる。8時オムツ交換。娘から髪を結びたいと言われたが忙しいので却下した。娘と赤ちゃんと家を出る。赤ちゃんはベビーカーに乗せた。8時半保育園へ。娘を預ける。コンビニで切手を買う。郵便を出す。9時帰宅。9時半赤ちゃん寝る。10

          7月9日 ずっと仕事してていいよ

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          2024年6月俳句

          2024年6月の俳句

          2024年6月俳句

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          7月8日 誰か来るまで待つ

          6時起きる。6時半トイレ掃除。シャワー。7時朝飯準備。7時半妻と娘を起こす。娘はテンションが低かった。朝飯、カレー、ヨーグルト、オニオンスープ。カレーはコンビニの飲食店コラボのカレーで、妻と半分ずつ分けた。娘はドーナツ、ヨーグルト、オニオンスープ。8時娘と家を出る。自転車で移動。保育園へ。娘を預ける。8時半帰宅。オムツ交換。ミルクをあげる。妻家を出る。10時赤ちゃん寝る。10時半洗濯。11時妻から電話がかかってきて一旦家に戻るが外食するか弁当買ってくるかどうとのこと。美味しい

          7月8日 誰か来るまで待つ

          7月7日 大回りで公園へ

          8時起きる。8時半娘起きる。シャワー。9時朝飯準備。妻と赤ちゃん起きる。9時半朝飯、ミートソースパスタ。3人分作り、妻と娘はそんなに食べないので結構食べた。ミルクをあげる。10時洗濯。娘がチョコを食べる。妻がテレビの情報番組を見て町中華に行きたいと言っていた。近くにある町中華を挙げると、挙げた店に行きたくない理由を言い出したのでめんどくさくなった。ゴミをまとめる。11時妻から半都知事選の途中結果を見たけど夢かな?と聞かれた。内容を聞いたところ夢っぽかった。12時半娘と家を出る

          7月7日 大回りで公園へ

          7月6日 コンタック怖い

          8時半起きる。娘は起きていた。トイレ掃除。9時シャワー。朝飯準備。蕎麦を茹でる。蕎麦は一袋200グラムで、もう少し欲しいなと思った。9時半冷やしそば、チーズソーセージ、キムチ。娘は冷やししらすそばとヨーグルト。10時ミルクをあげる。洗濯。紙を切って俳句の短冊を作る。娘が短冊欲しがったので一枚あげた。娘は書きたい願い事を言っており、赤ちゃんが大きくなりますように、ご飯を食べますように、ママがちょっと大きくなりますように、と言っていた。10時半家を出る前、コンタクトをつけようか迷

          7月6日 コンタック怖い

          7月5日 公園ゾンビ

          7時起床。シャワー。妻起きる。夜に娘がおねしょをしたらしく大変だったらしい。朝飯の準備。7時半娘を起こす。朝飯、チャーハン、ヨーグルト。8時娘と家を出る。自転車で移動。保育園へ。娘を預ける。8時半帰宅。洗濯。妻家を出る。妻は今日京都へ日帰り出張で帰りが遅い。ミルクをあげる。9時オムツ交換。10時半赤ちゃん寝る。11時赤ちゃん起きる。ミルクをあげる。11時半赤ちゃん寝る。12時ステーキの仕込み。筋切り、シーズニング、50度で1時間の低温調理。13時赤ちゃん起きる。オムツ交換。ミ

          7月5日 公園ゾンビ