2020年6月俳句

今月は39句


短夜の夫が入つて出ていつて
黒南風や言われなければ動かない
ファミレスの平たいライス雲の峰
父の日にゆるく口止めされたこと
青蜥蜴水曜空欄の手帳
紫陽花や妻に厳しい義理の母
父方の親戚愉快夏料理
真夜中に扉の重き冷蔵庫
梅雨入してひつくり返すマグカップ
濁り鮒ああとかいいとかううとか
強冷房や窓際席のハンバーグ
あいの風そういう人も必要
夏帽子そういうのってどういうの
たまにしか開かない出口松落葉
店員も客も人らしく南風
冷酒や十六角形の太陽   
媚びるべき人に媚びをる夏の川
青梅やなにが可哀想なんだよ
弟嫁の後姿しか知らぬ蟹
業務用食パン固し夏の昼
白シャツやお釣りお願いします
紫陽花に手を入れて折るおじさん
レジに置く氷菓や十三円のお釣り
風死すや無人の如く弾くピアノ
決められし就寝時間夏の潮
心太家賃払ってない人と
水馬反省してるんだねえホント
梅雨寒や一応食べれるよ食べな
赤ん坊の産毛の柔し李熟る
夏空や肉屋の多い商店街
鈴蘭や手描きのヒーロー顔だけ
階段の刺さりし壁や守宮這ふ
六月の皮肉が血肉となり怒り
いつまでも客間に布団旱梅雨
使ったら戻しといてね合歓の花
避暑の子の唾液まみれの種見せり
神主の息子の笑顔梅雨晴間
東京へ行く郵便や田水沸く
夏布団余計なことは言うくせに


個人的に気に入った句


短夜の夫が入つて出ていつて
ファミレスの平たいライス雲の峰
父の日にゆるく口止めされたこと
青蜥蜴水曜空欄の手帳
父方の親戚愉快夏料理
真夜中に扉の重き冷蔵庫
濁り鮒ああとかいいとかううとか
夏帽子そういうのってどういうの
店員も客も人らしく南風
青梅やなにが可哀想なんだよ
白シャツやお釣りお願いします
レジに置く氷菓や十三円のお釣り
風死すや無人の如く弾くピアノ
心太家賃払ってない人と
水馬反省してるんだねえホント
赤ん坊の産毛の柔し李熟る
夏空や肉屋の多い商店街
鈴蘭や手描きのヒーロー顔だけ
階段の刺さりし壁や守宮這ふ
避暑の子の唾液まみれの種見せり
神主の息子の笑顔梅雨晴間
東京へ行く郵便や田水沸く
夏布団余計なことは言うくせに

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