ひとみ

1989年東京の生まれ。千葉の外房育ち。考えたり感じたもの・ことに輪郭を与えるために書…

ひとみ

1989年東京の生まれ。千葉の外房育ち。考えたり感じたもの・ことに輪郭を与えるために書いています。

マガジン

  • アート・絵画・美術に関する私感

    ここではアート、もしくは絵画、より広げて美術の分野に入るかなと判断したものを扱う、考えを整理するために書くノート。

  • 思想や宗教に関すること

    思想や宗教に関することについて、考えをまとめるために書いてるノート。

  • 今日の気づき

    気づきの集合体から新たな気づきが生まれるのを期待してみる

最近の記事

ポーランドから、帰ってきた。

 先月の7月18日に、約10ヶ月のポーランド留学から帰ってきた。 帰国に至るまで、コロナの影響で苦戦したので、その辺りのことを少し書いておく。  まず、日本行きの飛行機が3度、キャンセルになった。ポーランドの日々のコロナ感染者数が一向に減らず、国境封鎖が何度も延長された為だ。購入するたびに口座からクレジットカードでの引き落としはされるため、貯金残高がもう失敗できない状態にまで追い込まれた。航空会社からは払い戻しは半年先だと言われてしまう。一時はポーランドでコロナの収束を待

    • 子どもっぽい

       ポーランド語の授業で、年齢を聞くイディオムを学んでいた時のこと。練習に、いつも明るいポーランド人教師のマグダレーナ先生が、学生一人一人に歳を聞いていった。私の番になり「マム、トゥシェジェシィチ、ラト!」と正直に自分の年齢を言うと、先生は聞き間違えたのかと思ったらしく、もう一度聴き直し、私がまた同じように答えると、さらに黒板に数字を書いて私に確かめた。私が頷くと「信じられない!」と驚愕の表情を見せた。私は昨年の9月に30歳になったけど、先生は22歳か23歳くらいだと思っていた

      • 近況報告のような、本の話

         約1ヶ月ぶりの投稿。  最近は、ほとんど絵を描かずに本ばかりを読んでいる。本を読むことを中心に生活していると言ってもいいが、それが結構充実している。本を読むために、朝、ベッドから体を起こし、本を読むための集中力と思考力を維持するために、体にいいと言われる食材を選んで購入してきて、調理してそれを食し、明日も本の続きが読めることを楽しみにして眠る、といった感じ。ポーランドでは日本の書籍は手に入らないので、amazonで購入してkindleを用いてPCとスマホで読む。このような

        • 宗教について#2

           どこかで誰かを失いつつ生きる私たち。  ポーランドでの生活は、いろいろと制限が増して窮屈に感じることも多いけど、その分様々な事を考えるきっかけをくれるし、自分を省みていられる。最近はずっと部屋の中で本を読んだり、紙と鉛筆だけでドローイングを描いたりして過ごしている。外に出たい衝動に駆られると、キッチンの高いところにある窓から見える、淡い青色の空を見つめて、心を沈める。そうしている時にいつもぼんやり思い出すのは、谷川俊太郎の「空の青さを見つめていると」という詩。      

        ポーランドから、帰ってきた。

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        • アート・絵画・美術に関する私感
          9本
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          8本
        • 今日の気づき
          3本

        記事

          知ることの可能性

           姉の投稿を読んで、私が思った事を整理して書いてみる。遠い国で起こっている様々な問題について、私たちにできる事はあるのかどうか、について。  私が初めて海外に渡航して、チベットの問題を知った後、私は部屋で1人で悶々として「知るべきじゃなかった」と後悔した事があった。なぜならそれはとても残酷で悲しいもので、それを知らなければ大学を辞める事だって考えなかったからだ。でも、その事をある人に話すと「その分だけ、魂はきれいになっているんだよ」と教えてくれた。それから、「魂はきれいにな

          知ることの可能性

          2020/03/22

           ポーランドでは数日前から、無用な外出が禁止になった。出られるのは、近くのスーパーへの買い物だけ。散歩も禁止。スーパーの中も50人の人数制限で、多くの人がスーパーの外で他の人たちと近づきすぎないようにして、扉が開くのを待っている。開いたら、譲り合って入店する。  アンネ・フランクは、これ以上の緊張を強いられた環境で2年間以上潜伏生活をしていたんだと思うと、彼女の心の強さを思い知る。彼女の日記には反省はあっても泣き言のようなものはほとんど見当たらない。時には怒り、時には笑い、

          アレクサンダー・カルダーの霊感

           今回はアレクサンダー・カルダーが、霊感と呼ばれるような特殊な体験を得て彼の代表作である「モビール」を作るに至るまでのお話。ちなみに霊感とは。 霊感(れいかん、英: inspiration)は、神・仏が示す霊妙な感応のこと。また、神や仏が乗り移ったようになる人間の超自然的な感覚。あるいは霊的なものを感じとる心の働き。 理屈(理知的な思考過程など)を経ないままに、何かが直感的に認知されるような心的状態。 また、こうした本来の意味から転じて、芸術家・哲学者・科学者などが説明しが

          アレクサンダー・カルダーの霊感

          コロナウイルス in Poland

           今、ヨーロッパではコロナウイルスの感染が急激に拡大している。特に感染が広がっているのはスペインとイタリアで、イタリアでは感染者が1万人を超え、死者は1000人を超えているそうだ。  昨日、スーパーのレジに並んでいたら、なぜか後ろに並んでいた20代の髪が長くて華奢で小綺麗な感じの女の子が私から2メートルくらい離れて立っていて、一歩も詰めない。私はすぐにその理由を察した。私がアジア人だから、少しでもコロナウイルスの感染を警戒しているんだと。コロナウイルスが拡大し始めてから、ア

          コロナウイルス in Poland

          ゴッホの死の真相とフィクション

           今日はゴッホの死の真相について、想像の物語を書いてみることで迫ってみた。  私は昔からゴッホ(本名フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ[1853-1890])の絵が好き。個人的には自然を描いたデッサンがいい。根気よく対象を追いかけているし、描く事に対する情熱、また自然や生命に対しての敬愛の念も感じる。  ゴッホ は死ぬまでの約10年の間に油絵約860点、水彩画約150点、素描約1030点を世に残していて、有名な油絵の作品は最後の2年間に集中している。燃えるように絵を描

          ゴッホの死の真相とフィクション

          小学4年生

           ポーランドの美大もコロナの警戒のために明日からしばらく休校。時間もあるので思いつくままに思索していきます。  まず、小学校の4年生の頃の話から。昔の辛い思い出話をするのは疲れるし好きではないけど、私はちょっと特殊な子で、特殊な状況だったし、そういう人間が存在していてそう言う状況が今後も起こりうるって事を知ってもらう意味でも、書いておく。  私は小学生の時、学校では大人しい子どもだった。小学校4年生のときも、大人しかったためか、先生に目の敵にされていた。当然そんな状況下で

          小学4年生

          どうでもいいような悩み

           ポーランドのヴロツワフも少しづつ気温が上がり、青空が見える日も増えて、陽も日に日に長くなってきた。ヨーロッパの冬を経験するのは初めてだったけど、想像以上に厳しかった。12月頃から2月後半までは日中も太陽は低く、昼の12時なのに早朝のような空。16時くらいには真っ暗だった。外に出ると、3日に1回くらい風の強い日があり、その風も凍るように冷たい。耳を出していては耳がちぎれるような痛みに襲われるため、外出時の帽子と手袋は必須だった。気分も、太陽光を浴びることで体内で自動的に生成さ

          どうでもいいような悩み

          いいもの

           今日は、いい文章・いい絵画って何?ってことについて、自分なりに考えたことを少しだけ書いてみる。  私の身近に二卵性の双子の子がいるけど、2人は性格が全然違うから、生年月日を利用した「誕生日占い」「星座占い」「四柱推命」などの占いの類は当てにならないのだとわかる。「当たってる!」って思うのは、そう思わせるように書いてあるからだ。同じ文章でも、読む人が変われば受け取り方も変わる。誰もが共感できるように書くことなんて、そんなに難しいことじゃないんだと思う。  でも占いは、次の

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          ユーリ・ノルシュテインについて

           私は今まで、映画やアニメを見て涙するような事はほとんどなかった。だが最近は歳のせいか涙腺がゆるくなって、子ども向けアニメを見ている時でさえ、思わず涙してしまうようになった。先日もNetflixで数年ぶりにジブリの「魔女の宅急便」を見て、泣いてしまった。トンボを助けにいくために、キキが必死に魔法の力を取り戻そうとしているシーンで、ポロリ。ポケモンのCGアニメ「ミュウツーの逆襲」を見ても、サトシがミュウとミュウツーの争いに巻き込まれて石化してしまい、それをピカチュウが何度も電気

          ユーリ・ノルシュテインについて

          A玉とB玉

           あの、ラムネを飲む時に飲み口を塞いで来て飲みづらくする、ラムネに入っているガラスの玉は、「ビー玉」ではなく「A玉」という事を、小さい頃にお父さんが教えてくれた。元々あのガラス玉は、炭酸が抜けないようにガラス瓶の先端を密閉して封をするのが目的。だから、きれいな球体にできなかったらその役割を果たせないため、「B玉」として子供のためのおもちゃとか、全然違う目的で使用されることになる。    つまりビー玉はガラス玉社会の落第生達の集まり。でも、私ならラムネビンに固定されて、他のラム

          A玉とB玉

          恋愛に不器用な人同士がする恋バナ

           恋バナって、話をする相手の経験値が自分と釣り合っていないと、恋愛相談になっちゃう。もし、誰かとひっそりと恋バナしたいときに、自分と同じような人が周りにいなかったらどうするか。諦めて、1人で絵を描いたり、音楽を奏でたり、日記に綴るようなことしかできない。  大学の、卒業制作終了後の打ち上げて、同じアトリエで作業していたにも関わらず、4年間あまり話をしなかった女の子に「わたし、ひとみちゃんと、恋バナしてみたいって、ずっと思ってたの!」といわれた。なんか、告白みたいに。そして、

          恋愛に不器用な人同士がする恋バナ

          命の値

           インドで出会った女の子、スハイマの話。たまに、昔あったことをふと、思い出す。思い出した時が一番の書きどき。  スハイマはインド・ケーララ州のコチというところに住む20代女の子。コチにある美術大学に通っている。絵を書く事、自然を写真に撮る事が好き。彼女のスケッチブックには、自然界のありとあらゆるものがいきいきと描き込まれていた。彼女は私に、植物の名前や木の実の名前、自然との関わり方を教えてくれた。私たちは絵を描く合間を縫って、よくアトリエの外に散歩に出ていた。茶畑の広がる田