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生き物からのラブレター

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私と海のほねなし(海産無脊椎動物)たちとの出会いや体験を振り返るエッセイ。
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#新潟

【生き物からのラブレター#0】ラブレター解読のためにエッセイを書いてみることにした

私はヒトデや海の生き物から膨大な数のラブレターを貰っているらしい。

郵便受けがもうパンパンだから、読んであげて!とある人に先日言われて驚いた。

え?どうゆうこと?

そりゃ私は海の生き物大好きだし、生き物と接することで学んだことはたくさんあるけれど・・・ラブレターはちょっとよく分からない・・・

と思っていたのだが、ピコーンと今閃いた。

私が出会ってきた海のほねなしたちのことを書いてみよう!

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ハクチョウのいる街【生ラブ#23】

ハクチョウのいる街【生ラブ#23】

菅生沼に今年もハクチョウが来たそうだ.

私が今住んでいる茨城県は日本で2番目に大きな霞ヶ浦をはじめ,前述の菅生沼など多数の沼や湖がある.ハクチョウなどの水鳥の渡来は冬の訪れを知らせてくれる嬉しいニュースだ.

しかし元々私は栃木県,それも中心地の宇都宮の出身だ.お隣の県といえども栃木県は日光の中禅寺湖など山奥に行かないと湖がない.そのため水鳥などとはあまり縁がなかった.

そんな私だが大学は新潟

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【生き物からのラブレター#21】ウミシダは植物じゃねぇ

【生き物からのラブレター#21】ウミシダは植物じゃねぇ

佐渡の海で初めて出会った生き物は数あれど、その中でもお気に入りなものの一つがウミシダだ.

もう名前にシダと入ってしまっているので、植物(海藻)に間違われるのも無理はない.そして見た目も名前に恥じず、本当にシダ植物の葉っぱにそっくりなのだ.葉っぱの広がり方までそっくり.植物(海藻)に間違われるのも無理はない.

それでも私は言いたい.
ウミシダは植物じゃねぇ!動物だ!
そしてウミシダの魅力を知らな

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【ほねなしエッセイ#6】サッカー部,夏の昆虫観察記②

【ほねなしエッセイ#6】サッカー部,夏の昆虫観察記②

相変わらず新潟大学女子サッカー部の練習場は昆虫観察が楽しい場所である。こうして振り返っていると,サッカーして,昆虫観察して,私は小学生男子か!?と突っ込みたくなるけどれっきとした女子大生だったはずだ。

まぁでも私の小5病は一生ものだと諦めているので,このまま楽しく生きていこうと思う。

ある日の練習終わり,グラウンドの脇に置いてあった小さなサッカーゴールのネットにカマキリがくっついていた。綺麗な

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【ほねなしエッセイ#5】サッカー部、夏の昆虫観察記①

【ほねなしエッセイ#5】サッカー部、夏の昆虫観察記①

大学時代、私はサッカー部に入っていた。
今でこそ女の子がサッカーをやっていても普通になってきた気がするが、私が現役の頃は「女子サッカー部です!」と言うとまだまだ驚かれる時代だった。

新潟大学女子サッカー部も当時まだ創部3年目。広い広いグラウンドは当然男子サッカー部やアメフト部が使っていて、我々が使えるはずもない。

よって女子サッカー部の練習場所は余ったグラウンドの隅っこ。隣には林があり、グラウ

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【ほねなしエッセイ#4】スナガニの悲劇

【ほねなしエッセイ#4】スナガニの悲劇

新潟、砂浜の思ひ出その②

花の大学生!やっぱり楽しいのは飲み会♪夏には近くの海でバーベキューなんてこともよくあった。

そんな楽しい楽しい部活の飲み会の後、海で花火しようぜー!となり、みんなで海へ。

新潟大学近くの五十嵐浜は市街地からは少し離れている上に海水浴場ではないので、街灯もなにもなく夜には真っ暗。本当に真っ暗。

そんな中、懐中電灯と花火と酒をぶらさげて酔っ払いたちは突き進む。

海風

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【ほねなしエッセイ#3】フジノハナガイはもう波に乗りたくない

4年通った新潟大学は海の近くにある。海なし県から来た私にとっては夢のような立地だった。

建物の高いところへ登ると海が見える。よく研究棟の非常階段から日本海に沈む美しい夕日を眺めて黄昏ていた。風の強さも相まって、刻一刻と変わる景色。うっすら見える佐渡島。幸せな時間だったなぁ。

一番近い五十嵐浜は見渡す限りの砂浜で、生き物を探すには正直あまり面白くない。それでもやっぱりいるにはいる。

ある日、波

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