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【ほねなしエッセイ#6】サッカー部,夏の昆虫観察記②

相変わらず新潟大学女子サッカー部の練習場は昆虫観察が楽しい場所である。こうして振り返っていると,サッカーして,昆虫観察して,私は小学生男子か!?と突っ込みたくなるけどれっきとした女子大生だったはずだ。

まぁでも私の小5病は一生ものだと諦めているので,このまま楽しく生きていこうと思う。


ある日の練習終わり,グラウンドの脇に置いてあった小さなサッカーゴールのネットにカマキリがくっついていた。綺麗な緑色の大きいメスのカマキリである。

おぉ!立派なカマキリだ!と眺めていると,「こっちにもいましたよー!」と後輩が今度は小さなカマキリを見つけてきた。おやおや,こっちはオスっぽいぞ。

カマキリといえば,メスが交尾後にオスを食べてしまうという話が有名である。産卵するために栄養がたくさん必要だからとは言われても,交尾したら用無しですとでも言わんばかりのこの行動はちょっと可哀想に思える。

とか言っておきながら,さぁこの話は本当なのか確かめてみようじゃないか!と小さい方のカマキリをメスのカマキリの真ん前に置いてみた。

すると,オスはこっちがビックリするほどの慌てふためき様!絵で描くような汗が見えそうなほどビビりまくっている。もうこの時点であの話の真相ははっきりした。

やっぱり食われるんですね。

でもこのオスは凄かった!一度メスの目が届かないところまで避難すると,今度は交尾を試み始めたのである。

メスに悟られないようにゆっくりと背後から近づくのだが,ちょっとでもメスに動きがあるとオスはビクッと逃げの体勢になる。もうその攻防は見てるこっちが冷や汗もので、息が止まりそう。

そしてついに,一瞬の隙をついてメスの背中に飛び乗ったオスは見事交尾を成し遂げたのである。天晴れ天晴れ。もうみんなで拍手喝采。

しかもこのオスは食べられることなく逃げおおせた。よかったよかった。いや〜かっこよかったですよ。

この日はやたら満足した気持ちで家に帰った。

カマキリの卵一つ一つにオスカマキリの命がけのドラマがあると思うと,なんだか胸が熱くなるのであった。


☆☆生き物からのラブレターを読み解くため、生き物との出会いや体験を綴るほねなしエッセイ連載中☆

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