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【ほねなしエッセイ#4】スナガニの悲劇

新潟、砂浜の思ひ出その②

花の大学生!やっぱり楽しいのは飲み会♪夏には近くの海でバーベキューなんてこともよくあった。

そんな楽しい楽しい部活の飲み会の後、海で花火しようぜー!となり、みんなで海へ。

新潟大学近くの五十嵐浜は市街地からは少し離れている上に海水浴場ではないので、街灯もなにもなく夜には真っ暗。本当に真っ暗。

そんな中、懐中電灯と花火と酒をぶらさげて酔っ払いたちは突き進む。

海風も吹く中,どうにかこうにか花火を始めて楽しんでいると,ササッと動く何かが目に入る。何度か見かけてそれがカニだとは分かった。が、早すぎる。

それもそのはず。おそらくこのカニはスナガニで、目の前からあっという間に消えてしまうその素早さから英語ではゴーストクラブと呼ばれている。昼間もたまに見かけるけど、夜のほうが活発。

お酒を飲むはずの紙コップを片手にカニを追い回してみるものの、見失ってしまったり、カニが海へ飛び込んでしまったり。。。

他の部員も何人か加わって、夜の海を前屈みでフラフラ。こっちの方がホラーな気がする。それでも捕まらない。暗闇に目も慣れてきたのに。

むう〜悔しい〜!!!

サッカー部のスポ根魂に火がついて、必死に追いかけること幾分か・・・つ、捕まえた〜!!!

MAXハイテンションで「カニ捕まえましたー♡♡」と先輩の元へもっていくと、

ゴォォォォォォー

。。。

。。。

焼かれました。花火で。

あぁなんて酷いことを。あんなに素早く走り回っていたカニがこんなに簡単にみるも無惨な黒い物体になってしまうとは。

私はショックでしばし呆然。でも、生物慈しみ隊に志願してくれた他の部員が一緒にお墓を作ってくれた。

本当にゴーストになっちゃったよ。

スナガニ、色んな砂浜で見かけるけど、その度にこの出来事を思い出してしまう。

前回のフジノハナガイといいスナガニといい砂浜の生き物は素早い。砂浜は隠れる場所がないから早く逃げるしかないのだろうけど、本当に命がけなのだということを身をもって知ったのでした。

今度は頑張って逃げ切ってね!


☆☆生き物からのラブレターを読み解くため、生き物との出会いや体験を綴るほねなしエッセイ連載中☆

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