【生き物からのラブレター#21】ウミシダは植物じゃねぇ
佐渡の海で初めて出会った生き物は数あれど、その中でもお気に入りなものの一つがウミシダだ.
もう名前にシダと入ってしまっているので、植物(海藻)に間違われるのも無理はない.そして見た目も名前に恥じず、本当にシダ植物の葉っぱにそっくりなのだ.葉っぱの広がり方までそっくり.植物(海藻)に間違われるのも無理はない.
それでも私は言いたい.
ウミシダは植物じゃねぇ!動物だ!
そしてウミシダの魅力を知らないなんてもったいない!!!!
まずはその美しい葉っぱのような腕だ.実はこの腕で小さなプランクトンなどを捕まえて食べているのだけれど、効率よく捕まえるためにその腕から規則正しく密に細かい枝が伸びている.これがシダに見える所以だ.
英語だとウミシダはFeather starと呼ばれる.確かに羽(Feather)のようにも見える.そしてなんと!ウミシダはこの羽で泳ぐのだ.
ウミシダはウミユリと呼ばれる動物から進化してきたと考えられている.ウミユリはウミシダから長い茎が生えた、これまた本当にユリのような生き物なのだけど、ウミユリは岩などに固着していることが多くほとんど動かない.
ウミシダも普段はじっと岩陰などに潜んでいるのだが、いざというときにはその美しい羽を羽ばたかせて優雅に泳ぐ.大きな個体に出会うとダイバーさんなんかは結構ビックリするそうだ.
私が初めて見たのは手のひらサイズの小さな個体だったけれど、あまりのダイナミックさに何度も刺激して泳がせてしまった.常に泳いでいる生き物ではないので、すぐに疲れてしまうようで申し訳なかったけど.
茎を切り捨てて得た自由.優雅に逞しく泳ぐウミシダは生命の力強さも教えてくれた.
ちなみにウミシダを見たいのなら新潟県にある水族館「マリンピア日本海」がオススメだ.奇しくも私がウミシダに初めて出会った新潟の海はウミシダの宝庫だったのだ!
私が行った時にはなんと、5種類ものウミシダが展示されていた.
一つの水族館で5種類もウミシダが見れるなんて!水族館でのほねなし(無脊椎動物)チェックは欠かさない私でも、流石に5種は初めてだった.そんなわけで個人的には大興奮だったのだけれど、この子たちは海藻だと思われて気に留める人は少ないのだろう.
そう思うと、ウミシダのことを皆んなに知らしめねば!という変な使命感に駆られるのであった.
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