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【ほねなしエッセイ#5】サッカー部、夏の昆虫観察記①

大学時代、私はサッカー部に入っていた。
今でこそ女の子がサッカーをやっていても普通になってきた気がするが、私が現役の頃は「女子サッカー部です!」と言うとまだまだ驚かれる時代だった。

新潟大学女子サッカー部も当時まだ創部3年目。広い広いグラウンドは当然男子サッカー部やアメフト部が使っていて、我々が使えるはずもない。

よって女子サッカー部の練習場所は余ったグラウンドの隅っこ。隣には林があり、グラウンドには雑草がパラパラと生えていた。

夏になると木陰に置いておいた荷物の上に小さなケムシが落ちてくる。もうみんな手慣れたもんで、そのケムシをぱっぱっと払ってから帰るのだが、ある先輩は家で寝転んで寛いでいたら天井をケムシが這っていたそうだ。

練習後に草取りをすることもよくあった。新潟のアリは大きい(と私は感じた)。当然アリの巣も大きい。見つけた巨大なアリの巣を掘ってみたくなって木の棒でつついていたのだがどうにももどかしい。

明日スコップ持ってきますね!と言って、本当に100均で購入して持ってきた私に先輩は驚きを隠せなかったそうだが、快くアリの巣堀りに付き合ってくれた。

卵や女王を掘り当てたのは嬉しかったのだけれど、それ以上にこのアリが好戦的なことに驚いた。巣を引っ掻き回していると、いつのまにかあちらこちらで戦いが起こっている。え?君たち仲間じゃないの?足とか千切っちゃってるけど。。。

新潟のアリ、コワイ。

変な印象だけが残ってしまった。

別の日には、アシナガバチが自分の体と同じくらいの大きさのバッタを抱えて飛んでいた。おーすごいなーどこに持っていくんだろ?と観察していると、なんとスルッとそのバッタを落としてしまった!!!

えー!?せっかくのあんなに大きな獲物を・・・。こっちまでショックを隠しきれない。

アシナガバチはウロウロと周辺を探している。私も一緒に探してみるけど、緑の草むらに落ちた緑の小さなバッタ(しかも死んでいる)を見つけるのは至難の業だ。

しばらくすると,アシナガバチの方が先に諦めてお家に帰ってしまった。え?もういいの?本当にいいの?私が諦められない。

結局バッタは見つからなかったのだけど,アシナガバチさんの巣が地面の中にあることは分かった。草むらの中の小さな穴の中から出たり入ったり忙しそうなアシナガバチ。

今度バッタ見つけたら巣の近くにでも置いておいてあげようかな・・・。なんてことばっかり考えているので,草取りは全く捗らないのであった。

☆☆生き物からのラブレターを読み解くため、生き物との出会いや体験を綴るほねなしエッセイ連載中☆


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