【実話怪談】500円ババア
渡井さんが小学生の頃、町に「500円ババア」と呼ばれているおばあさんが居た。
通学路上にある古い大きな家にひとりで暮らしていたそうで、学校の下校時刻になると玄関先に籐椅子を出して、ボロボロの巾着袋を握って座っていた。
そして、通りかかった子供たちに声をかけて、歯が一本も見えない口でニコニコ笑いながら、巾着から出した500円玉をくれるという、その名の通り景気の良いおばあさんだった。
小学生にとって500円は大金だ。みんな、毎日誘い合って500円ババアの家に行って、近所のスーパー