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今読みたい『茶色の朝』、ふつうの人々が茶色に染まっていく短編物語

「これからは茶色のものしか認めません!犬や猫のペットであっても。」

ふつうに生活している私たちからすると「はぁ~?」と意味不明に聞こえてしまう号令です。

しかし、ふつうの感覚を持っている人でも、このあと次第に「茶色」に染まっていくことはありえます。

この1か月ほどは、毎日のようにテレビニュースからウクライナ戦禍の様子が伝えられます。

直接的な支援ができない中でも、早くこの事態が収束することを強く願っています。
(*- -)

毎日あふれるニュースを見ていて印象に残った場面が2つあります。

ひとつは、ウクライナ人の男性がロシアに住んでいる父親に電話で自分の現状を伝えたところ、父親は息子の言葉を受け入れることなく公共放送の情報を信じていると伝えたエピソードです。

もうひとつは、ロシアの子ども番組で「情報は確かめて」から受け入れるようにと諭している場面です。
SNSなどのグローバルな情報ではなく、国の発信している情報を受け入れることを教育しています。

「これからは茶色しか認めない」

はじめは、それが正しいのかどうか中立的にジャッジできる状況にあるはずです。

しかし私たちは「強いインパクトで伝えられたこと」や「くり返し聞かされていること」については、次第に洗脳されてしまう弱さも備えていると思うのです。

「もし今わたしがロシアで暮らしているとしたら、両極の情報のうちどちらを信じているのだろう?」

こんな問いかけを自分にしてみました。

ありたい自分像はありますが、自分の選択に絶対の自信があるとは言えませ
んでした。

そんなことを考えているときに『茶色の朝』という本を見つけました。

ふつうの人々が疑問に思いながらも「茶色だけ」に染まっていくストーリーです。

私たちが自分の思考の軸をしっかり持ちたいと思うなら、「流されていく状況を客観的にみることができる力」をつけておくのも良い方法かと思います。

フィクションの物語だからこそ、客観的に考えることができました。



また、ちいさな子どもたちへの教育にも関心を寄せたいと感じています。

子どもたちはおとなや先生の言葉によって、よくも悪くもあっという間に自分の考えを変えることができます。

例えばたった23分間、先生の話を聞いただけでも・・。


ご紹介した2冊は、読後はけっして明るい本ではありません。

いまは平和に暮らせている日常に感謝しつつも、非日常でも自分の軸がぶれない準備も大切かと思っています。

(*´ω`)


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