マガジンのカバー画像

キヨメの慈雨

44
現在投稿中の小説『キヨメの慈雨』をまとめたものです。 三年前の豪雨災害をきっかけに増え始めた『コトナリ』と呼ばれる不思議な生物が潜む地方都市で繰り広げられる事件を、豪雨で父親を亡…
運営しているクリエイター

2023年1月の記事一覧

【小説】キヨメの慈雨 第十話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第十話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑あらすじの記事に第一~三話のリンクがあります。ジャンププラス原作大賞応募作品(四話以降は審査対象外)ですので規約違反になってしまうのではないかとビビっており、マガジンにまとめていません。続きが気になりましたら、お手数ですがスキとフォローをしていただけますと追いかけやすくなると思います。

↑前回の話です。

 三年前の豪雨では多くの天領市民が犠牲になり、意澄の父も命を落とした。それがコトナリの力

もっとみる
【小説】キヨメの慈雨 第九話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第九話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑あらすじの記事に第一~三話のリンクがあります。ジャンププラス原作大賞応募作品(四話以降は審査対象外)ですので規約違反になってしまうのではないかとビビっており、マガジンにまとめていません。続きが気になりましたら、お手数ですがスキとフォローをしていただけますと追いかけやすくなると思います。

↑前回の話です。

 日尻が、そして特民室が意澄に求めたのは彼女とチコについての説明だった。だが意澄は何を説

もっとみる
【小説】キヨメの慈雨 第八話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第八話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑あらすじの記事に第一~三話のリンクがあります。ジャンププラス原作大賞応募作品(四話以降は審査対象外)ですので規約違反になってしまうのではないかとビビっており、マガジンにまとめていません。続きが気になりましたら、お手数ですがスキとフォローをしていただけますと追いかけやすくなると思います。

↑前回の話です。

「18時20分から七名で予約しました江西です」

「お待ちしておりました、こちらへどうぞ

もっとみる
【小説】キヨメの慈雨 第七話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第七話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑あらすじの記事に第一~三話のリンクがあります。ジャンププラス原作大賞応募作品(四話以降は審査対象外)ですので規約違反になってしまうのではないかとビビっており、マガジンにまとめていません。続きが気になりましたら、お手数ですがスキとフォローをしていただけますと追いかけやすくなると思います。

↑前回の話です。

 銀色の輝きが、音速で花村望に直撃した。あまりの速度に、意澄はその弾道を目で追えなかった

もっとみる
【小説】キヨメの慈雨 第六話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第六話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑あらすじの記事に第一~三話のリンクがあります。ジャンププラス原作大賞応募作品(四話以降は審査対象外)ですので規約違反になってしまうのではないかとビビっており、マガジンにまとめていません。続きが気になりましたら、お手数ですがスキとフォローをしていただけますと追いかけやすくなると思います。

↑前回の話です。

「彼女とは、私達が戦う」

 そう言った日尻がプラチナ色に輝く拳を足元に叩きつけると、同

もっとみる
【小説】キヨメの慈雨 第五話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第五話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑あらすじの記事に第一~三話のリンクがあります。ジャンププラス原作大賞応募作品(四話以降は審査対象外)ですので規約違反になってしまうのではないかとビビっており、マガジンにまとめていません。続きが気になりましたら、お手数ですがスキとフォローをしていただけますと追いかけやすくなると思います。

 水の拳を握り締めて、意澄は殺された少女を担いだ女に殴りかかる。突然の襲撃にも女は楽しそうに口を歪め、上体を

もっとみる
【小説】キヨメの慈雨 第四話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第四話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑あらすじの記事にこれまでの話のリンクがあります。四話以降はコンテストの審査対象外になってしまいますが少しずつ書いていきたいです。

「あれは、君達がやったのか?」

 ワゴン車から降りてきた白髪の若い男が、先ほど意澄が倒した暴漢を見て尋ねた。市役所の車から出てきたのに、その服装は上下とも白いジャージだった。傘もささずに立つ若者は穏やかな口調をしているが、不思議と威圧感がある。

(えっと、何て答

もっとみる
キヨメの慈雨 第三話 (ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

キヨメの慈雨 第三話 (ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

「チコ、もうひと頑張りだよ!」

 その言葉に適当に応えつつ、チコは内心で舌を巻いていた。

(肉体の水への変化は消耗が激しいというのをわかっていながら、全身を水に変えてさらにそれを操作し小窓から外へ脱出したか。この小娘、凄まじいな。コトナリを見ても大して動じることはなく、戦闘が始まっても取り乱すことはなく、能力を手にしても迷うことはない。ノリがいい、というやつなのか適応力が異常に高いのかはわから

もっとみる
キヨメの慈雨 第二話 (ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

キヨメの慈雨 第二話 (ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

 男は両手を縛った女子高生を前にして尚、手を出せずにいた。自宅のリビングに、何かがいる。蛇と呼ぶにはあまりにもおかしな、青色の何かが。それが力強く少女に言い聞かせる。

「お前には、特別な力がある!」

 それは、少女に勇気を与えた。それは、暴漢に恐怖を与えた。たった一言で、両者の立場は逆転していた。

 チコに気を取られている男に、意澄は思い切り喉突きを喰らわせる。それから両手が自由になったこと

もっとみる
キヨメの慈雨 第一話 (ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

キヨメの慈雨 第一話 (ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

 進級時の恒例行事といえば、自己紹介だろう。ましてや、高校に入学してすぐの一年生のクラスとなれば尚更だ。その自己紹介が、御槌意澄は苦手だった。

 別に自分が嫌いな訳でも、他人に興味が無い訳でもない。ただ、言うことが無いのだ。新たなクラスメイト達は『カードゲームをやってます』とか『ギターが弾けます』とか『中学では陸上で県大会入賞しました』とか、それぞれ趣味や特技や個性を口にしているのに、意澄にはそ

もっとみる
ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品「キヨメの慈雨」あらすじ

ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品「キヨメの慈雨」あらすじ

平和な地方都市・天領市を未曾有の豪雨災害が襲ってから三年。

入学早々、特技も個性も趣味も無いことに悩む女子高生・御槌意澄は昼休み、校舎裏で弱っていた蛇型の不思議な生物を発見する。

自分は『コトナリ』の一種だと名乗る記憶喪失のその生物は、傷を癒すために取り憑かせろと意澄に迫り、そして尋ねた。

「特別な力が、欲しいのではないか?」

それが、平凡どころか没個性な少女の物語の始まりだった。

意澄

もっとみる