見出し画像

海外に出て初めて気付く「匂い」の違い

こんにちは!

今日は少し変わったテーマ、"匂い"について書きたいと思います。

BGM : Music for a dying star

=================

このテーマについては以前からどこかで書きたいと思っていました。

「匂いは五感の中でも特に敏感に記憶を呼び起こす」
こういった言葉を今まで何度か目にしたことがあります。
皆さんもどこかで聞いたことがあるかもしれません。

僕もこれを実感する時があります。

僕の中で、一番記憶が「ブワッ」と蘇るのは小学校の校庭に植えてあった木の匂いです。
多分季節は春。場所は、横浜かな。
何の種類の木かも分からないのですが、少し湿ったその匂いを嗅ぐと「あ、あの匂いだ」と小学校の事を瞬時に思い出します。

匂いとは不思議で、同じ場所に長期間いるとその匂いが身に染み込んで感じなくなります。

日本の匂いは「味噌の匂い」だとか「醤油の匂い」だとか言われますが、僕は「湿った太陽の匂い」だと思っています。
その匂いを嗅ぎながら成田空港から続く田んぼの光景を電車に乗って眺めている時は「僕は日本にいるんだなー」と愛おしく感じるのですが、数ヶ月もいるとそれがどんな匂いだったのか思い出せなくなってしまいます。

=================

インドに行く前、「インドは空港に着いた瞬間にインドの匂いがするよ」と誰かに言われました。
もしかしたら、何かの記事で読んだのかもしれません。

でも、実際はそんな甘いもんじゃなかった。
インドは、飛行機に入った瞬間にインドの匂いがします。

インドの匂いとは、ガラムマサラとか、要は香辛料の匂いです。
あの匂いが、飛行機の中に充満しています。

匂いからは、逃げられないんですよ。
飛行機に入った時、「あの扉の向こうの空港に戻りたい」と反射的に思いました。
「これからこの匂いの中で10日間生活できるかな」と、本気で不安になりました。

でも、人間の順応力は僕の予想を遥かに超えていた。
街中に漂うカレーの匂いも、犬や牛の糞の悪臭溢れる道路の匂いも、3日もいれば慣れていました。

あっという間に10日が過ぎて、ロンドンヒースロー空港に着くと、当然あの強烈な香辛料の匂いはありません。
(その時はおそらく僕自身が香辛料の匂いを周囲に撒き散らしていたと思います)
そうなると、今度はあのインドの強烈な匂いが恋しく匂いシックにかかってしまいます。

ところが今度はまた違う匂いが鼻腔を刺激します。
それは、あのMontréalで嗅いだような西洋ならではの匂いです。
僕はまた「あ、懐かしい!」とその匂いを愛おしく思い、自分が再び海外へ来たことを実感しました。

=================

さて、今はもうロンドンの匂いに慣れて生活をしている僕ですが、今僕の住んでいるエリアは"バングラディッシュ系"の方が多く生活しています。
バングラディッシュ料理のお店とか、Pray roomとかがたくさんあり、「バングラディッシュだけで集落が成り立つんだなぁ」と感心しています。

そして、バングラディッシュ人の経営するお店では、あの香辛料が沢山置いてあるんですよ。
初めてそのお店に入った時に「あ、インドの匂いだ!」とまた匂いの記憶が蘇りました。
今僕は、ロンドンの匂いもインドの匂いも両方楽しめるラッキーな場所で生活しています。

=================

インターネットのおかげで映像や音は同じものを簡単に共有することができるようになりましたが、今の技術ではまだ匂いや触感の共有はできていません。
(僕が知らないだけでもうそれもできるようになっていたりしていませんよね?)
もしかしたら5年後、10年後にはそれらも当たり前になってしまっているかもしれません。

行ってみないと実感できないことは思わぬところにあったりします。
僕だって匂いがこんなに重要なタームになるとは全く想像してなかった。

僕はまだまだこれからの自分の想像を超える新しい発見と出会いに心を躍らせています。
海外渡航が全てではありませんが、新しいことを始めれば今想像もできない発見が必ずあります。
是非、心軽やかに新たな発見を一緒に楽しみましょう。

=================

と、ここまで愛おしい"匂い"について書かせていただきました。
ここから、また全く違う話題について少し書かせていただきます。

=================

映画界でのスキャンダルがきっかけになって、女性に対してのセクシャルハラスメントが問題になっています。
僕のフォローしているBBCとRTでは、ここ数週間、新たな女優の告白であったり、どこかの国でのデモであったり、関連の新しいニュースがかなり頻繁に上がって来ます。

僕の友人で、日本で芸能の仕事をしている女の子がいるのですが、彼女と以前、業界での男性主権の話をしていました。
彼女のように芸能の仕事をしている女の子は仕事をもらう為に彼らの機嫌を損ねてはいけない。
そういった力関係を理由に精神を病んでしまう女の子も少なくないそうです。

それを聞いた時、僕は「業界ではそういうこと、多そうだな」と感じました。
でも自分は、まずそういったことをしないし、遠い世界での話のように感じていました。

でも、彼女は「私はいつも周りの男性がなんで助けてくれないのかって思ってる」と続け、「どこかにボランティアに行くことも素晴らしいかもしれないけど、目の前にもできることがあることに気づいて欲しい」と言いました。

それを聞いた時にハッとさせられました。

=================

昨夜、僕は寝つきが悪く、ベットで少し考え事をしていました。
その時に、ふと以前見たある記事のことを思い出しました。

5年前日本で一人暮らしをしていた時、僕は自分の年代には珍しく新聞を購読していました。
しかし仕事の忙しさを言い訳にあまりきちんと読むことができず、未読の新聞が毎日溜まっていきました。
ある週末に溜まった新聞を整理していた時、偶然目に止まった記事に目を通しました。

それは、当時小学生の春名風花さんがリレーコラムで書いていたこの記事です。
僕は小学生の彼女の言葉がグサグサ心に刺さって時間が止まったように感じました。

5年が経った今、その記事を改めて読み直しましたが彼女の言葉は全く色褪せません。

僕は自分がいじめに遭ったことはないと思っていますが、何故かいじめに対して言及する人や、いじめを経験して乗り越えた人達にとても惹かれています。
茂木さんも、メンタリストDaiGoも、ヨーヨーパフォーマーのBLACKもそうです。

春名風花さんは「いじめられている方にも原因がある」と言われている風潮に対しても、真っ向に持論を貫いています。
5年前小学生だった一人の女の子が、です。
思えば僕は彼女をテレビで見たことがないし、その他の彼女の活動を何も知らないけれど、それなのに、これだけの強烈な印象を僕に与えています。

=================

僕はもともと問題提起をしたり自分の意見を述べたりするタイプではありませんでした。
それが外へ出て新しいものを見たり、こうして発信する場所を得ることをきっかけに、少しずつ世間で起こっていることを調べたり、考え始めるようになりました。

新しいことを知れば知るほど、自分の無知や常識の無さを思い知らされます。
欠けているところばかりだけど、それでも自分にできることがあると思っている。

日本の社会では、自殺率の高さやストレスフルな風土が度々取り上げられます。
でも、僕たちは被害者じゃありません。
恵まれた国に生まれて、体も健康な僕たちは、自分の意思で行動を起こすことができます。
学んだり、繋がったり、発信することができます。

始めの一歩は知ることから始まります。
いつになっても遅すぎることはありません。

僕自身、もっときちんと自発的に学び、発言して行動できるよう努力します。
一緒に自分自身と社会を向上させましょう。

=================

毎日記事を書いているおかげか、日々読んでくれている方が増えて嬉しいです。
励みになります。

リンク元を確認すると、ブログ村というところから来てくれている方もいるようです。
僕は登録をしたのですが、バナーを貼らないとランキングに参加できないということを知り、「バナー貼るのはちょっとやだな」と思って今のところランキングには参加していません。
リンクはきちんと生きてくれていて有り難いです。

でも、ロンドンのカテゴリよりもモントリオールのカテゴリから来てくれている方が多いみたい。
多分ロンドンに比べたらモントリオールのブログを書いている人が少ないんだと思います。
僕、ここではモントリオールについて何も書いてないのに申し訳ない。

プロフィールのページの上の方にモントリオールにいた頃のブログのリンクを載せました。
良かったら読んでみてください。
モントリオールで生活している途中は全く更新しなかった時期もありますが、最後にモントリオールでの生活をまとめた記事を書いています。

モントリオールは本当に素晴らしいところです。
あんなに綺麗な都市なかなか無いと思う(どこ行ってもそう思うのかもしれないけど)。

=================

今日、新しい曲をYouTubeに載せようと思っています。
僕のYouTubeのページへのリンクも上のプロフィールのページにあるので是非聴いてみてください。
明日はその曲の解説について少し書きたいと思っています。

=================

今日知ったんですが、日本はこの週末三連休だったんですね。
みなさん素晴らしい連休を!
Have a fabulous weekend! 

(この記事は2017年11月4日に 元ブログ へ掲載されたものと同内容を載せています)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?