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子どもが歩けばマンガにあたる

突然ですが、質問です。
マンガを読んだことのない子ども時代に
見知らぬ人からマンガを手渡されたとしたら?
そして、そのマンガがツボだったら・・・・?

私はご縁を、運命を感じました。

さかのぼること、2019年。北欧への家族旅行。

物価の高いノルウェー・オスロで、Airbnbしたマンション。
住民専用の中庭で遊ぶ日本人の子どもに、ざわつく子供達。
そして、一人の少女から
「日本旅行のときに買ったけど、読めないから、あげる」はいっと、
四コママンガを手渡されます。

ときに、2週間の旅も半ばすぎ。
お話に餓えていた娘に、マンガの読み聞かせがスタート。
マンガ久々の私も夫も、夢中になりました。

地球の反対側で日本の漫画を手渡されるとは!

マンガが大好きだった小学校の頃、
友達に「これ読んでみ」と手渡しされたのと、重なる経験でした。


マンガに不思議な縁を感じた翌年、2020年。世界はえらいことに。
きっかけは、5月のSTAY HOME。

個性的な本屋さん目白押しの京都で、本探しに事欠かなかった私たち。
本屋さんや図書館に行けない状況になって、気づいたことが。

本屋に行けない=オフラインの出会いが断たれると、本に出会えない。

大手ネットストアには、「試し読み」サービスがあるけど、
書いた人か本の名前を知らないと、探せない。
オフラインの出会いが断たれて一番困るのは、
子どもや高齢者など、オンラインの世界につながりの薄い人たち。

私たちには非常時の体験でも、地域に書店が一軒もない「書店空白地」は、
全国自治体の2割強(2017年7月31日トーハン調べ)もあるそう。

「書店空白地」の疑似体験は、デジタル化の進む近未来の予告なのかも。

だったら!スイッチを押したのは、こんな試みでした。
「Teddy Bear Hunt:テディベアを探しに行こう」。

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 Photo by Nicolas Gonzalez

子ども向けの本「We’re Going on a Bear Hunt」からヒントを得て
外出自粛時の散歩の楽しみに、と、
住民が手持ちのぬいぐるみを窓辺に置き始めたとか。
どこにでもあるテディベア。向きを変えれば、役割がかわる。


私の事務所は、義実家の敷地にある「できちゃった」事務所。

退職後、息子夫婦の近くに引っ越してきた義両親が
妙齢でコミュニティを一新するハードルへのお節介心からできちゃった、
ささやかなワークスペース。子どもや老人の生活道に面しています。

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そうだ、事務所のガラスに、マンガのコマを貼ってみたら!
試し読みのショーウィンドウになるんじゃないかな?

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町を歩いていて、突然目の前にマンガのコマがあらわれたら。

翌週同じ道を歩いて、話が進んでいたら。
気になってその翌週もまた寄り道したくなって
それでもうちょっと話が進んでたら、一冊読んじゃうんじゃないかなぁ

犬も歩けば棒にあたるように、子どもが歩いてマンガにあたる。

地球の反対側で、ミラクルにアンテナが同じ子からの突然の贈り物。
AIのおすすめだったら、感じなかったかもしれない、縁と運命。

よし!
まずは、お気に入りのお話の作家さんに著作権の話を通してからと、
お問い合わせフォームから、ぽちっとします。結果、お返事はなく・・

もう一度とも思いましたが、思いとどまりました。
文面を練って気がついたのですが、小さな事務所のささやかな発信では、
作家さんのメリットのない、自己満足でしかなくて。

それから自問自答します。許可がおりたとして、どうする?同じ作家さんの作品を紹介し続ける?・・・広がりもないし、押しつけがましいかも。


そこから、紆余曲折すること半年。2020年12月。
暗いトンネルを迷走した後、突然光が!?

きっかけは、学習マンガ専門インターネット書店をやってみたいという、
きいすさん
の記事でした。

人は誰でも偶然を生きていて、偶然を必然に変える時、幸せを感じる。

地球の反対側で手渡された一冊のマンガとの「偶然」に導かれ、妄想した、
本をめぐる子ども
冒険の「必然」について、書いてみようと思います。

営業するなら、好きな本を語ろう


この試み、実は、私自身の悩みを解消するためでもありました。

・・・SNSって、難しい・・・
アカウントを開設して始めたのはいいんですが、何を書いていいのやら。
特に困っているのは、ツイッター。拡散性のあるプラットフォームですが、
自分の宣伝するほど、拡散力のないものはないんです。(きっぱり)

そこで思いました。
こういう商売してます、良い商品なので買ってくださいというより
私はこういう本が好きです、そしてこういう商売してますって言った方

話を聞いてもらえる確率は高くなる
んじゃないかな?

ヒントは、ここにありました。
海とタコと本の町、明石の出版社さん、ライツ社さんの記事。

カフェや服屋さん、飲食店などのスモールビジネスオーナーの
「お客さんの滞留時間を長くしたい」
「つながりたい客層とつながりたい」という要望からの
店先で本を売る「みせさき本屋」。

なるほど、店先で本を売ったら、つながりたい客層とつながれそうです。
・・オンラインの世界でも、つながりやすくなるのでは?

事務所のガラスに貼ったコマ紹介を、SNSのコンテンツとする。
扱う本について書けば、その本に関心のあるお客さんが反応しそう。
100%だれかのためというモチベーションでは、三日坊主まっしぐら。
だから、続けられる必然性が必要だと思いました。

改めて私の試み。オフラインの出会いが断たれると、本に出会えない子どもや老人のため、スモールビジネスオーナーである、私自身のため。
でも、これだけでは回らないし、続かない。

そんな矢先、出版社主催のマンガビジネスコンテストを目にします。

建築、美容、農業など、異分野の視点から
マンガの未来へのビジネスプランを募るというもの。
ネットの困りゴトを掛け合わせて、リアルプレースから働きかける、
・・建築ならではの視点かも?

これは・・と要綱を熟読。すると、コンテスト主催のきっかけ、「子どもがマンガを読まなくなった」の一文に、目が釘付けになったのでした。

強いものが強くなりすぎる世界は、劣化している


コンテストのそもそも話。今、子どもがマンガを読まなくなっていて、
業界の先細りの未来に、危機感があるらしい。

「鬼滅の刃」がこんなに売れて、それはないと思っていたけれど
どうやらそうでもないみたい。
マンガを買うのはもっぱら大人で、子供はアニメ。・・たしかに。

そこで、いくつか統計を拾ってみました。

コミックスは好調の一方、書籍全体はやや減。
電子書籍は販売増。10代も結構伸びていて、小学生の電子書籍利用も。
マンガの電子書籍率は高く、スマホ所持→電子書籍という流れ。

また、小中学生の約90%が「本(マンガ以外)が好き」
約85%が「マンガが好き」と答えてる。
昭和の感覚でいくと、マンガ好きの割合が低い結果は、やや意外。
子どもがマンガが読めないとも聞きますが、実際それはあるかも。

原因は、マンガ特有のお約束みたいです。
たとえば、後ろ姿で去っていく人=さよならのシーン。
ト書き風に「お別れしています」と注がないと理解できないとか。
マンガ独特の複雑なコマ割についていけないこともあるみたい。

動画や短文が好まれる傾向からも、行間を読む力は衰えつつあるのかも。
行間を読むには、結構な想像力が求められます。

マンガの読み方、自転車に乗るみたいな技術で、
入り口でつまづくと、食わず嫌いの大人に。

ほんとのところどうなんだろう?と、夫の職場の20代に聞いてみたところ
マンガを読まずに育ったから、今も読めないし、読まない人、いました。

どうも親世代のマンガの付き合い方が、子どもに影響しそうです。
そこで身近な親世代に、話を聞いてみました。

マンガは本屋か、ツイッターで探します。

家族も読むから、紙のマンガが好き。
自営業だから通勤もないし、電子書籍より紙で買いたい。

田舎で家が広いし、置き場所には困らないです。(農家)
マンガは無料アプリで読みます。気に入ったマンガだけ、紙で買ってコレクションしてます。

店で置く雑誌を電子書籍に切り替えようかと、検討したことあるんですけど
インテリアとして必要だと思って、紙で置くことにしました。
紙のマンガにはインテリアの価値があると思います。(美容師)​

通勤のない地方(京都)在住の二人。紙の本と電子書籍を使い分け、
リアルとデジタルの世界を行き来して、読み買いしているようです。

電子書籍には、かさばらない、流通に有利というメリットの反面、
シェアしにくいデメリットも。放置しておけば家族が勝手に読むという、
紙の本あるある、本の入り口づくりには大事そうです。

でも、です。
通勤のある都市部の人がますます電子書籍を買うようになると、
都市部でも、書店は電子書籍を買う確認の場にしかならないってこと。
そうすると、書店空白地は全国的に広がる。
都市部の書店もいずれ淘汰され、大手ネットストア一択になりかねない。
紙の本も電子書籍も、ある程度探せることがオンライン読む・買うの前提。

読む家の子どもは読むけど、読まない家の子は読まない。
そして、一度本を読むことから離れてしまった親とその子も、戻れない。
読まない0か、読み続ける100かの世界。
読む人の利便性が向上するほど、読む人と読まない人の格差が広がる。

本を読む・買うのオンライン化で、人が本を探すよりどころは、推しの数。
だから、強いコンテンツに人が群がって、より強くなる。
これが「鬼滅の刃」ブームの根っこだとすると、
コンテストのそもそも論にあったように、強いものが強くなるだけの世界は、これから関わろうとする人に入口を閉ざす、劣化した世界なのかも。

・・じゃあ。どうやったら、デジタル化の波に乗りながら、
本を読む・買うのリアルな扉が開けられるのだろう?

「書店」は減っても、「本屋」は増えてる


先ほどの「みせさき本屋」の記事で分かったこと。
書店って実は、参入障壁の高い商売なんだそうです。

出版社と書店をつなぐ卸の「取次」は、大手数社の寡占状態。
一定規模の売り上げ見込みや、信任金に保証金と、書店を始めるハードルが高い。だから「個人のちょっと売り」は、今までできなかったとか。

書店には、欲しい本を欲しいだけ入荷するイニシアチブがあると思ってましたが、決め手は、書店の過去実績と「取次」だそうで。

だから、欲しい本入らない→売れないの悪循環で、
販売実績が右肩下がりの地方では、書店の倒産が進むそう。
書店の斜陽→ネット書店へ→書店空白地誕生、の負の連鎖です。

「卸」の存在意義。それは、本には「返本」制度があるから。売れなかった本は出版社に送り返すことができる。だからリスク回避と、請求・領収の細々業務の取りまとめをする「取次」の仕組みができたそうです。

書店空白地を加速させる背景には、こんな昭和な仕組みがありました。

しかし、時代は令和。
個人が小さく書店を始められるサービスは、生まれています。たとえば
楽天ブックネットワークの、小ロット書店経営のサポートサービスfoyer。

「書店」は減っているけれど、「本屋」は増えてる。

「書店」とはいわゆる新刊書店。
「本屋」は、より広い本との出会いの場、タッチポイント。
新刊書店は減っていても
カフェ、図書館、銭湯、ホテルなど、本との出会いの場は増えている。

実際、新刊本が売れるか売れないかは、タイミングも大きくて
出してみないと、誰にも分からないところがあるとか。
だから、どんなにがんばっても重版にかけられる本は、70%どまり。
そして一旦、結び目がついてしまった返本は、廃棄されるそう。

だとすると、本の文脈に合うスモールビジネスに「寄生」して、
本の文脈に合うタイミングを「待って」本を売る
のは、
理にかなっているのかも。
それもあって、昭和システムの盲点をつくこの新業態が、増えている?

そもそも、粗利の低い薄利多売の書店経営で、固定費や人件費は重い。

売上総利益率は一般小売39%に対し、専業書店23%
-日本政策金融公庫2017, 書店経営指標2019-

書店の本が売れないというけれど、
専業にするから
新刊を前提にするから立ちゆかなくなるのでは?

アップデートするべき課題が、おぼろげながら見えてきた気がします。

本は並べられて、インテリアになる、メディアになる

さきほどの知人美容師さんのお話から。
本棚=インテリア→メディア
という視点。これは目からウロコでした。
本は、洋服や音楽のように、自分らしさを表現する手段なのかも。

ただ、一冊の本をセレクトしただけでは、読み手の個性はぼんやり。
でも、三册くらい+感想が並べられたとしたら。
どんな読み手の個性も、自然に「にじみ出て」くるんじゃないかな。
だから、本棚。本は感想を添えられ、本棚に並べられて、メディアに。

そうか。だから小商いをすると、店に本棚が置きたくなるのか!

そこで思い出したのが、ライツ社さんのこの記事。
「じぶん書店」は、書店の一角にお客さん推しの本棚を置く小さな書店。
お客さん自らが提案して、実現したそうです。

この記事で印象的だったのは、本を売ることは楽しい」という、喜び
本業でなければ、ままならない環境でのチャレンジが「楽しい」!

・・ん?この世界感?何かと似ているような気がする・・
そうだ「あつまれどうぶつの森」!
「あつ森」は、制約のある条件下で、自分の無人島をデザインするゲーム。

ゲームの本質とは、能動的に楽しむこと、チャレンジすること。

・・と、小さな「本屋」と「あつ森」がリンクし始めます。

無人島づくりと本棚づくりの、他と領土争いをしなくて良い設定にも、
共通点あり。島を行き来して、見せ合いっこするのも又「あつ森」の魅力。

だったら小さな本棚づくりの一つ一つのプロセスが、眺め・眺められたら?
ささやかな試み単独では非力でも、ひな形をつくって、みんなで楽しめるプラットフォームを用意したら、大きな力になるんじゃないかな?

人には自分の本棚を見せたいという欲求があるし
人の本棚を見てみたいという欲求もある。


この根源的な欲求のそばに、サッカーみたいなシンプルなルールを置けば
チャレンジという負荷が、本をめぐる冒険を楽しむスパイスになるのかも。

インテリアとして、世界を見える化することで、
リアルとデジタルの両方で、プロセスがエンタメ化できる。


ゲームのような、ショップのような、境界の溶けたプラットフォーム。
もう少しつっこんで、具体的に考えてみたいと思います。

感想読んで、書いて、本を売って、作ったら、楽しさ倍増


・・にしても。
選書して、感想をつけて発信すれば、メディアになる、と分かっていても
日々、膨大なコンテンツからセレクトし、内容をまとめ、感想を書く、
を続けるのは、大変・・・

誰かが予めざっくり、概要つきで、しぼりこんでおいてくれたら
発信のハードルも低くなって、媒体を往復する楽しさが広がるのかも。

そこで思い浮かんだのは、NewsPicks
一言でいえば、ニュースのセレクトショップ。
3つの立場による「選ぶ」が、回る仕組みになっています。

①NewsPicks
各メディアが報じる膨大なニュース(独自記事あり)から、
読者の「!」につながる良質なコンテンツを、選ぶ。

②ピッカー
読者はさらに「!」なニュースを選び、ピッカーとして、コメントを書くことができます。コメントはピッカーの専門性を生かした解説、感想でよし。

③一般読者
多様なバックグラウンドを持つピッカーを選んで、
ニュースをより多角的に、深く理解することができる。

これを踏まえた「選書+感想」を交換するプラットフォームの姿を、
成長3段階から、想像してみました。

プラットフォーム認知への種まき:フェーズ1

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知名度が低く、プレイヤーの少ない初期段階は、関心づくり、
「人間」ピッカーを窓口に、リアル読書コミュニティづくりから。

本部は世の膨大なコンテンツから、選書し、ウェブでまとめを発信。
そこから、スモールビジネスオーナー(以下ピッカー)が、再び選書。
自分の選んだ本にコメントを添えて、
リアル本棚+店先コマ紹介ポスターと、SNSの両方から、発信。
リアルとデジタルの場がリンクし合う、本棚ワールドです。

まずはピッカー。
リアルでは、店先の本棚から。
デジタルでは、本部のコンテンツから選書して、各々のSNSで感想を発信。

そして、本部。ウェブサイトにピッカーのデジタル本棚をつくって、
コメントを回収→ピッカーの推し本をデジタル本棚に収めます。
本をクリックすると、誰でも自由にコメントがのぞけて、「あつ森」のように、ピッカーのリアル本棚が、本部ウェブサイトに再現される仕組み。

本部ウェブやSNS、店前のコマ紹介で、推し本が気になった人は、
実際、手に取ってページをめくってよし、
ピッカーと語ってよし、その場で紙本を購入してもよし。

プレイヤーの関係を流動化:フェーズ2

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プラットフォームが充実してきたら、「あつ森」的ゲームルールを進化させ、読書体験をもっと冒険的に。

ガリガリ君のあたりくじみたいな仕組みをイメージ。

本を売ることは「楽しい」。だから、売り手を増やす。
ウェブ上の本棚の自分の選書から、誰かに本が買ってもらえると、
リアルとデジタルの両方で使える、地域通貨の「ご褒美」がもらえて、
(アフィリエイトみたいな、ドライな金銭の授受ではなく。)
その地域通貨で、たとえば、
読んでみたかった本が手に入るというのは、どうかな?

そうすると、スモールビジネスオーナーだけではなく、誰かの感想を読んで、本を読み始めた子どもが、ピッカーになり、感想を書きはじめ、気づいたら本を売ってたみたいに、プレイヤーの関係性が流動化するかも。

そう、ピッカーが感想を書きやすいような環境が必要だと思ったのは
子ども自身が、本を売ることに参戦できたら、という目当てからなんです。

また、お試し期間を経て、サービスに信用がついてきたら、
まとまった冊数でお任せの、定期販売を始めてもいいのかもしれません。
「信用」と「楽しさ」が送料を凌駕する臨界点で、紙本の販売も始められるはず。

出版の常識を更新:フェーズ3

コミュニティが成長し、販売実績がついてきたら、電子書籍の販売や、
注文を集めて都度版をかける、新しい紙の本出版形態へ移行することも!?

いずれも廃棄や広告へのコストを、出版社や作家さんに還元していければ。

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また、本を「売る」・「買う」の関係だけでなく、
「作る」・「読む」の関係も、流動化できるのかもしれません。
本部がマネジメントに入ることで可能な、みんなの新しい本づくり。

複数の著者や編集者のグループで、本をつくる試みは始まっていますが、
選書や感想の交換がコンテンツづくりに発展したら、楽しさ倍増。

まとめると、こんな感じです。

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本という相棒がいてくれるなら


素人が、遠慮なく大風呂敷を広げたこのプラン、
コンテストでは、橋にも棒にもかかりませんでした。(そりゃそうだ)

ですが、青図は見えてきました。自らがユーザーとなって、試行錯誤でひな形をつくれば、説得力も増すと思うんです。

だとしても、一人は、非力すぎ・・(だから応募したんですが)
また「マンガ」が漠然としていて、絞り込めてないのも、問題。
自分ごとにするための、オリジナルな属性ってなんだろう・・むぅ。

そんな折。きいすさんの記事を目にします。
子ども向けの学習マンガ!なるほど!私も母親だった!

そして、このブックリストの記事。
構成が、私のイメージしていた本部ウェブサイトの本棚そのもの!

バナーが本棚なんです。そして、それぞれの推し本をクリックすると、
本の概要と、おススメ詳細記事にリンクしてる!これは!

そして、冒頭に引用した
「学習漫画専門のインターネット書店をやってみたい」という過去記事。

そこで学習漫画。
本棚に紛れさせておくだけでアラ不思議。
勝手に読んで勝手に学習してくれる魔法のアイテムなのです。

もっとみんな学習漫画を読んだらいいのに。
こんなに楽になれるのに(親が)!

ガミガミ言わなくても、チクリと言わなくても、
おやつで釣らなくても、よいしょしなくても、
勝手に学習してくれるんですよ。
素晴らしいじゃありませんか!

勝手に読んでもらうには、
娘のように本が好きということが
前提にはなるのですが、本を読まない子でも
活字じゃなくて漫画ならどうかな?
試してみる価値はあるんじゃないかな?

noteで学習漫画を紹介する度に、
もっと知ってもらいたい、
「勉強しなさい」と小さなチクチクを
繰り広げているご家庭にお届けしたい。
そんな気持ちがフツフツと沸いてきました。

うちも、マンガデビューした子が読みやすさにつられて、
大人なマンガにも勝手に前のめりになりました。(→ギリシア神話読破)

マンガ読んでるんだったら勉強しろ!なんて言われた過去もあったけど
今や、マンガは、活字への架け橋なんだと思います。

そして、子どもが勝手に読む の一文に、
「!!!」
一歩進んだ落としどころが浮かんできました。

折しも我が家、学童問題に揺れてます。

というのも、学童って、限りあるキャパに希望者殺到のため、
ワサワサと落ち着かない環境だとか。
だからすぐ辞めちゃって、1年生から鍵っ子続出という、衝撃的事実。

でも、うちの場合、学童行かなきゃ絶対無理って訳でもないんです。
そのために、事務所を義両親宅につくったというのもありますし。
ただ・・私も、義両親も、つきっきりは、厳しい。

でも、このきいすさんの本棚にあるような選書があったら?
子どもが勝手に読んで、楽しんで、学校のフォローアップにもなる!

一度糸口が見えると、怠惰な妄想は広がるものです。

同じ境遇のお友達も多い。そして子どもも、友達と遊びたいはず。
なら、他のお友達も集めて、ご近所で協力して自力学童するってどうかな?

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近所に、同じように場所が融通できる小商いのお母さんって、それなりにいます。そういう人たちに声をかけて、持ち回りで子どもみるってどうかな?
毎日だと尻込みしても、曜日当番制だったら。

そう考えると、きいすさんの学習漫画専門のインターネット書店で、
本を買う人たちの顔も、浮かんできました。

まずは、忙しい親御さんたち。

実際、書店空白地になってしまうような地方の親御さんたち、忙しいです。
会社にお勤めという忙しさではなく、家業も多いから、
仕事?家のこと?地域?カテゴリー不能な用事で、近所を飛び回っている。

それから、うちの義両親みたいな、おじいちゃんやおばあちゃんたち。
助っ人であり、当事者であり、スポンサーです。

今まで難しかったとしても。本という相棒がいてくれれば。

学童やめた鍵っ子が、現実どうするかっていうと、習い事に行くそうです。どこかでだれかに見ていてほしいという、親都合の習い事。
が、他に選択肢がないからの、消極的な選択の可能性大。

今、ありとあらゆるサービスで、選択肢は溢れかえっています。
でも、こんなにいっぱいあるのに、いや、あり過ぎるから?
本当にほしいものって、少ない。

みんな、シンプルに、
信用できる人から、買いたいだけなんじゃないかな?
少なくとも私はそう。信頼できる先輩ママさんの選書本棚のぞいてみたい。

でも、自分とアンテナが似てる人の本棚、
オンライン検索だけで探すのは、ハードルが高い。そして決め手がない。
我が家が地球の反対側でマンガを手渡されたような、
リアルプレースでの、リアルな体験の助走が、必要
なのかも、と思います。

大手ネット書店。品揃え、送料、スピード・・利便性と効率のすべてにおいて、抜きんでています。・・大人の買い物には。

でも、自分の子ども時代を振り返って、
友達や家族との思い出ともオーバーラップする読書の楽しさって、
もっと、ざらざらした寄り道にあったんじゃないかな。

そういう冒険、合理性を追求する余り、過保護に早道作り過ぎて
ノイズと一緒に、排除しつつあるように思います。

きいすさんの「ゆるラク子育て」っていうキャッチフレーズ。
一人で抱えこまないで頼ることが、罪悪感でなくなる、
素敵な言葉だと思います。

子どもは一人では育てられない。

だからこそ、ピンボールのボールみたいに、思い切って外に押し出せば、
大人のしがらみや境界を越えて、ひとりでにコロコロ転がって、
これからアップデートされる社会の、循環の鍵になるのかもしれません。


最後に、長文におつきあいいただき、ありがとうございました!
結果、懸案だった問題は、何ら解決せず。

ただ、何はともあれ、突然マンガを手渡しされたご縁をきっかけとした、私自身の本をめぐる冒険を見える化しようと思い、記事にしてみました。

アドバイス含め、コメントいただけるとうれしいです。

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