そこにあるものを考える|2021年7月に読んだ本
効率と無駄。どちらでもなく、ただそこにあるものについて考えを巡らせることがあります。存在を認知するだけに留まること。あるいは妄想と呼ぶのかもしれません。そのような、なんともいえない感覚を言語化してくれた本に出会えた月間でした。
2021年7月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでご紹介します。
誰かの選書のヒントになれば嬉しいです。
断片的なものの社会学|岸政彦
この世界にいたるところにある断片。断片的なものに触れることで、必ずしも何かのきっかけになるわけではなく、大半はただの断片として時間が過ぎていくだけです。ただ、その断片が違う世界への窓となり、思いもしなかった場所へと連れてってくれる瞬間は確かにあると思うのです。
だから、効率化と言って断片を排除したり、無駄と言って無駄なものにむりやり価値をつけるわけではなく、断片をただ断片として評価せずに触れておく。そうやって人はバランスを取って生きていくのかもしれません。
つながり過ぎた世界の先に|マルクス・ガブリエル
現在の状況下での人々の考え方や環境の変化についてが語られています。全てに賛同できるわけではなかったのですが、興味深い指摘や表現方法もいくつかありました。
SNSの危険性についても書かれていましたが、そこにあるものを考えるような曖昧さに対して、SNSは最も向いていないことではありそうです。
クラフトビール超入門+日本と世界の美味しいビール図鑑110|主婦の友社
初めて美味しいと感じたビール、家でしっとりと飲むビール、沖縄のビーチで語らいながら飲むビール、スペインのサッカースタジアムで熱狂しながら飲むビール。ビールにはたくさんの思い出があるのに、味や種類にはこだわらずに飲んできました。おかげで大体のビールに美味しさを感じるように。
ふと、自分の好きな食事を振り返ったときに、そこにあるものはやっぱりビールだったことに気付きました。「いつか自分のビールを作ってみたい」と思ったので、まずは種類を知ってみようと思ったわけです。大きなことかもですが、小さく育てていこうと思います。
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日々暮らしていると、さまざまなことに良い悪いと評価を下してしまいがちでした。ただそこにあることを認知するだけというのは実は難しかったりします。つい評価を下してしまう。少しずつバランスを取っていけたらいいと思います。
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