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日米の成長力格差⑬:終身雇用下でのイノベーションは可能か⁉

前回は、「いいものを安く」の日本対「必要なものを適正な価格で」の米国では、どうしたって労働生産性に差が出てしまうこと。更にはルールが変わって52名のオーナーで不動産登記できるしくみを作られてのでは、日本人が建てたホテルが立ち行かなくなったように、日本が得意としている分野に対して突然ルールを変えられてしまうことが成長力の差になっていることをみてきました。


✅これまでの12話分のあらすじ


80年代には追い付いたと思っていたアメリカとの間で、いつの間にか大きな成長力格差が付いてしまったのは、どうしてか?

その要因として、
①多様性に不寛容な風土
②前例踏襲と属人のマネジメント
③変化しない教育
という3つを挙げて、①と②の深堀りを続けてきました。

どうして多様性に不寛容なんだろうか?

どうして前例踏襲が重んじられるのだろうか?

日本とアメリカの行政や企業のマネジメントの特徴は何か?
をテーマに
「部分最適、属人化、長時間労働の日本」
VS
「全体最適、標準化、労働生産性重視のアメリカ」
という比較
をしてきました。

今回でその比較を終えて、次回からは「変化しない教育」の問題を考えていくことにしましょう。

✅同質化した社員の結束力に綻び⁉


終身雇用か、ジョブ型雇用のどちらが正しいかではなく、成長力格差を縮めていくために、おっちゃんは、それぞれのいい面と悪い面を認識することが大切だと思います。

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今の日本は、80年代までの勝ちいくさの方程式を踏襲して、終身雇用を維持していますが、その方程式にそぐわない成功者が出てきています。

更に、会社に忠誠を誓って人生を捧げてきたのにリストラにあったりもしています。

そんな疑心暗鬼の中では成長は止まります。

社員は1つの企業に人生を捧げ、自分はどう考えるかではなく、会社や上司がどう考えているかを忖度して、規格大量生産に適合した同質化社員を育成することで、アメリカに肉薄した時代があったのは事実です。

しかし、多様性に不寛容な社会にイノベーションは起きず、成長が止まりました。

政府は、女性活躍社会を作ると格好いいフレーズで多様性を訴えますが、前例踏襲の中で女性管理職比率が加速度的に上昇することはありません。

終身雇用制は女性活躍社会の大きな障壁であり、目標だけの一人歩きが続きます。

政府は2020年までに女性管理職比率を30%にする目標を「2030年までの可能な限り早期」に繰り延べしました。

✅終身雇用の労働慣行はそう簡単には壊せない⁉


おっちゃんは、終身雇用の下で社内で次から次に新たな職務を経験し、転勤も何度もしました。

転勤の中には、海外勤務もありました。

終身雇用の下で、住宅ローンで家を手に入れ、子供たちを社会に出して、ある意味では、日本社会が築いた戦後の勝ち戦方程式どおりに、サラリーマン生活を過ごせた世代なのだと思います。

そんなおっちゃん達世代のサラリーマン経験者一人ひとりが、みんな職務を通しての武勇伝をもち、一つの企業に自身のサラリーマン人生を捧げた経験を通しての自慢話に花を咲かせます。

だけどおっちゃんは、その成功体験はもう通用しないと考えています。

年をとってくると冒険せずに前例踏襲しておく方が、失敗のない安全運転でマネジメントができることに気が付きます。部下の変革要望に、「ノー」と言っておけばいいのです。

もうそんなマネジメントは通用しなくなるでしょうし、同質化は弱みに変わっていくでしょう。

だけど、終身雇用制度は、直ぐにはなくなりません。

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日本の起業家、アントレプレナー養成所とでも言えるリクルート社は、終身雇用の雇用慣行の下でも、会社を飛び出して起業する若い人を育て続けてきました。

だから、今の雇用形態の中でも成長力を高めていく方法論はあるはずです。

ムラ社会づくりの名人で「改善」「改善」の連続によって、世界一の自動車メーカーになったトヨタも変革に臨もうとしています。

きっとこれから、大きな変化があります。

日本企業には変化に適応して勝ち残っていく賢さがあるとおっちゃんは信じています。


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