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起きている街、寝ている街、違う顔の街。


いつもとは違う時間に馴染みの街を歩いてみる。
仕事が終わって夜帰る頃には、程よく街も静かになって、閉め作業を始めた店が見える一方で、コンビニやドラッグストア、これから盛り上がり始めるようなお店がぽつりぽつりと灯る。

そんな見慣れた街並みを、珍しく昼過ぎの温かい日差しの中歩いてみた。
いつもシャッターが降りていた店が息を吹き返したかのように夜とはまた違った種類の活気を見せ、街をつくっている。
花屋さん、八百屋さん、何屋ともつかない日用品や生活雑貨が売られている店やクリーニング店、こんなところに洋菓子店もあったのか。
見慣れた街から新しい発見をする。
その分、今眠っているのはいつもにぎやかな明かりがついていた、夜動き出す店だ。

いつも通る同じ道。
何度も見た景色なのに、そこは全く違う世界のようで、ある種のパラレルワールドようにも思える。
違った二面性を見せる街。
いや、昼と夜だけではない。時間の分だけ、人の分だけきっとこの街にはそれぞれの顔があるのだ。


歩けば歩くほどに新しい発見があり、この街の新しい顔を知る。
当たり前だと思ってちょっと見飽きていた景色でも、自分のいる時間、思うこと、少しの違いでこんなにも顔が違う。
きっと、私が普段同じ時間に通っているあの駅やあの通りも、私が知らない世界を持っているのだろう。

そんなことを思うと、まだまだ知らないこの世界にわくわくするし、見慣れた街でも、いつもと違うタイミングだったり、ちょっと気まぐれな気持ちが舞い降りてきた時に、一本道をそれて通ってみるのもまた新しい出会いに繋がるのだと感じる。


安心するいつも通りの道。
新しいことが見つかるわくわくする道。
少し違うだけで、見え方も変わるし、街の顔も変わる。
私にはこんなに近くですら、まだ見ていない景色があるのだ。

今いる場所も、まだ知らない場所も、もっともっと見てみたい。

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