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【風呂酒日和17-1】 改良湯(かいりょうゆ)

【風呂酒日和(フロサケびより)とは】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。
https://note.com/hino_sou/m/m5fe912dcc57f


渋谷と恵比寿、どちらから歩いても10分強くらい。
大通りから一本入った道に、どーんと現れるクジラの絵。
大きなアートと近代的な建て構えが目印なのが、改良湯だ。

壁画の前では、小さな女の子がちょうどポーズを決めていた。
銭湯も今風だし、女の子も今風である。
ちゃんと「映え」そうなポーズを決め、カメラに視線を送っている。


クジラの右手の道を進むと銭湯の入口がある。
入口のロゴも、かかっているのれんも、なんともスタイリッシュ。
「ぼーだれす湯」と書かれたのれんをくぐると、美術館の入口のような下足入れがあり、奥にロビーが続く。

扉のすぐ左手にカウンター。
奥にはちょっとした腰掛けスペースと、飲み物などの自動販売機が置かれている。受付ではステッカーも売られていてロゴのかっこよさに思わずほしくなってしまうほどだ。
銭湯でオリジナルステッカーを見たのは代々木のバスハウス以来である。
さすが渋谷区。
受付でバスタオルとフェイスタオルを250円で借り、脱衣室へ向かった。


...いやいやいや。
脱衣室、めちゃくちゃアーバン。
大きめのエステサロンの更衣室かと錯覚するほどだ。(行ったことはないが)
白基調の壁におしゃれな形のちょっとした腰掛けのような長いスツール。
ドライヤースペースの椅子や洗面台の脚は細いアイアンで、もうそこかしこが「洗練」の渋滞である。
トイレも駅ビルの上層階にあるカフェのような綺麗さだ。

そして、かなりの盛況。
やはり土地柄もあってか、今まで行った銭湯よりも群を抜いて年齢層が豊かな気がする。
おそらくこの改良湯になる前から通っているであろう世代もいれば、拝みたいくらいのプロポーションの若くて綺麗なお姉さんもいる。

なんだか私はおめかししてちょっと素敵なパーティに来たような気分になりつつも、実際はおめかしどころかまとっていたものをすべて脱ぎ捨て浴室に向かう。
当たり前だ。だってここは銭湯。
いつもふらふら飲み歩いている私も、ゆっくりゆっくり歩くおばあちゃんも、颯爽と歩く綺麗なお姉さんも、みんな平等に丸裸になって楽しむのが銭湯である。

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