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【風呂酒日和10-1】 BathHaus (バスハウス)

【風呂酒日和(フロサケびより)とは】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。
https://note.com/hino_sou/m/m5fe912dcc57f


山手通りをちょっと入ったあたり。
たまたま近辺にいた私は衝撃的な文字を見つけた。

「クラフトビールと銭湯 BathHaus(バスハウス)」


クラフトビールと、銭湯...。
そんな神のような取り合わせを持つ店が存在するのか。

思わぬ時間に用事が終わり、ぽっかりと空いた夕方になるかならないかぐらいの時間。
私はつい癖のようにGoogle Mapで、"銭湯"と検索してみた。
そして見つけたこの夢のような組み合わせ。
普段ならそれぞれ探さないと出会えないものたちが一同に介している場所があるとは。
これはもう、行くしかない。


立地や真新しさ、webサイトの雰囲気。
きっとおしゃれで今風な銭湯なんだろう。
私は怖気づいていた。
人が怖いし、いつも銭湯で全力で話しかけるなオーラを放っている私はびくびくしながら、それでもクラフトビールと銭湯という魅力的なカップリングに惹かれ、勇気を出して足を運んだ。

たどり着いたそこは、遠くから見るとバーのような雑貨屋のような佇まい。
おそるおそる扉を開けると、店員さんが「こんにちは〜」と明るく迎えてくれる。


入った見た目はまさにバーだった。
カウンターと4人座れるテーブル席が1つ。
おしゃれなクラフトビールのサーバーや可愛らしいデザインの瓶が並ぶ。

おどおどキョロキョロしていると「初めてですか?」と声をかけられ、丁寧に説明をしてくれた。
タオルは2枚まで150円でレンタルでき、入浴料は大人が700円とのこと。
受付で850円を支払い、すぐ隣ののれんをくぐって一通り施設の案内してもらう。
浴室はテイストの違うものが2つあり、日によって男女入れ替え制となっているようだ。


入浴料700円は銭湯の中ではなかなか割高だが、中にはシャンプー、コンディショナー、ボディーソープなど大体のものが揃っている。
脱衣室にはクレンジング、化粧水、乳液まで並んでいて、無料で使えるドライヤーはもちろんのこと、ストレート、カールまでできるヘアアイロンまで設置されていた。
ラグジュアリーなエステサロンかラブホテルのような手厚さである。

そして浴室の入り口前にはiPhoneが一台。
浴室内にあるスピーカーにつながっていて好きな音楽を流しながら入れるという。
なんだここは?ちょっとお金持ちの友達の家か?

外の銭湯に来て、こんなにも自宅のように貸し切りさながらにくつろげる設備があるだろうか。
私が脱衣所に向かうと、ちょうど浴室から上がってきた女性が一人いた。「こんにちは」と声をかけられる。
ドキッとしながらもやや狭い脱衣所、無視できるわけもなくこんにちは。と答える。

「あ、なんか今、超マイワールドな曲かけちゃってたんで、音消しときますね。好きなの入れて下さい。」

その女性は気さくに言った。
超マイワールドな曲とは。

ついでに操作方法なんかまで教えてくれて、彼女は身支度を整え脱衣所を去っていった。
ロッカーは6つでこじんまりとした感じだけど、今は私一人。
十分広い。貸し切りだ。

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