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ロックなお姉さんの大人の恋

「もう日本に来ないと思ってた〜」

「いやマジで!10年以上ぶりぐらい?俺3回くらい泣きそうになりましたもん」

「最高でしたよね!」


そんな会話が聞こえてきたのはタクシー乗り場の列でのこと。
この付近で誰か海外アーティストのコンサートがあったらしい。トイレに寄っている友人を待ちながら先に並んでいたのだが、私の前には男女のカップルが1組、そしてその前に若い男性3人組が待っていた。

どうやらカップルと3人組は知らない人同士のようだったが、ここに並んだタイミングで「あ、あのライブの帰りですよね?」とお互いの会話を聞いて気づいたっぽい。
興奮冷めやらぬという感じで、ライブの感動を共有すべく語り合っている。


いいなぁライブ。
フェスとかじゃなくて単独ライブだと(そうだったかわかんないけど)こんな風に帰り道で会ってもみんな確実にそのアーティストのファンという"同志感"もあるからか、帰り道でもこんな風に盛り上がれるのかもしれない。

そんな中、若者3人組の方の男性が、カップルの女性に言った。

「ていうかお姉さん、めっちゃ服気合入ってますね!かっこいい」

「いやいやそんな...いい年してアレなんですけど。でも結局音楽も服装も好きなものって昔と変わんなくて。今でもこんな格好しちゃってる、ははは」


お姉さんは40代か、もしかすると50才前後くらいかなぁという印象だ。髪色は明るく、ドクターマーチンのブーツにチェッカー柄の靴下を履いていて、ロックな気配がするファッション。お姉さんは謙遜のような感じでそう答えたが、男性の言った通り髪型もファッションもとても似合っていてかっこいい。

「いやいやめっちゃいい感じっすよ。しかも旦那さん?彼氏さん?と一緒にライブとか仲良しでいいですね!」

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