見出し画像

【風呂酒日和119-2】 亜楽(あらく)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


白山湯の並び。すぐそこに看板が見える。
豊洲の駅前もちらほらお店はあったけど、お腹も減ったし今日はもう近場にしゅばっと飛び込みたい気分。あそこに行ってみよう。

銭湯を出てすぐ右手に灯る立て看板を目指しててくてく。
読み方は「あらく」だろうか。明かりがついているからやってるとは思うがどんなところかしら。

中を覗くと扉の向こうにはテーブル席に座る人が見えた。からからと扉開ける。あれ、厨房には誰もいない。
と思っていると、テーブル席の方から「いらっしゃーい」と聞こえてご夫婦と思われる2人が出てきてくれた。

「すみません、1人なんですが...」

「どうぞどうぞ、こちらへ〜」

そう言ってカウンターに促される。
ありゃーこれは申し訳ないことをしたかもしれない。テーブル席には2人の女性客。おそらく常連さんで、もう他に誰もいなかったから一緒に飲んでいたのであろう。

ほんまもんの「お邪魔します」をしてしまった模様。申し訳ない。
しかしおじさんと奥さんは嫌な顔一つせずささっとお箸とおしぼりを持ってきてくれ、厨房に入った。

ここから先は

3,991字

この記事が参加している募集

#ほろ酔い文学

6,049件

サポート、嬉しいです。小躍りして喜びます^^ いただいたサポートで銭湯と周辺にある居酒屋さんに行って、素敵なお店を紹介する記事を書きます。♨🍺♨