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【毒親】『親という傷 幼少期の心の傷をとりのぞけばあなたの人生は好転する』◇まとめ その3【トラウマ】

本書のまとめの3本目。ここでは次の部分をまとめます。
全部の目次は,こちらの記事に記載しています。


Part1 わたしたちのルーツ


Chapter2 心の傷に名前をつける


心の傷はあなたを苦しめたいのではなく,あなたを救うために注意を引こうとしているのだ。(p.078)

 ここから,いよいよ自分の生い立ちについて,質問を通して振り返っていきます。

 生い立ちに関係してくる人々は,自分の幼少期を共に過ごした「家族(養育者を含む)」です。

 著者は,生い立ちのことを「初めて何かをしたときを綴った物語である(p.053)」と述べています。

 幼少期の頃に,家族と経験した様々な「初めての経験」の中にある,次のような経験が,心の根元に傷跡を残すと著者は言います。

  • 1,初めて非常につらいことが起こったとき

  • 2,人生を変えるようなことが起こったとき

  • 3,誰か,または何かにありのままの自分を変えるよう求められたとき     (以上,p.053より抜粋)

 これらの経験は,前回にも書いたように,長い間忘れられていても,心は覚えています。

 さて,上記のことを考慮して,「生い立ちについての質問」に答えていきます。

(全て載せてしまうと著作権が心配なので,)私が実際に答えてみた質問をいくつか抜粋しましょう。(p.055-057)

  • 子どもの頃,あなたのそばに誰がいましたか。

  • 大人たちはお互いにどのように愛情を表していましたか。

  • 父親,母親について,個人として,父親(母親)として,どのような人でしたか。

  • あなたのことで,父親,母親に理解してほしいことは何ですか。

  • もし両親がそのことを理解してくれていたら,あなたと両親の関係はどうなっていたと思いますか。

  • もし父親(母親)にひとつだけ言うことができて,言って何の影響もないなら,何と言いたいですか。

※すべての質問が気になる方は,一番下の購入ページをご参照ください

 これらの質問に答えたあと,著者はこの章で最も大切な質問をします。
それは,

子どもの頃,一番欲しかったのに得られなかったものはなんですか(p.059)」

 この「一番欲しくて必要なものが得られなかったとき(p.060)」に,心の根元の傷の痛みが生じるという。

 前回の事例で登場したナターシャは,「家庭の平和を守るために,父親の不倫の秘密を隠し通す」という役割を担わされることで,信じていた父親に裏切られ,「信頼の傷」が生じました。

 その「信頼の傷」が,結婚を考えている彼氏のクライドに対して,彼女に「不信感」を生じさせていたのです。

 彼女は著者とのカウンセリングを通して,自分の傷を見つけて,「一番欲しかったのに得られなかったもの」に気づき,その後,幼少期のことや,父親との決裂,その影響についてさらに深堀していったそうです。

 さて,ここまでは生い立ちを振り返るワークでしたが,ここで「心の根元にある傷」を「ごまかす方法4つ(傷の存在を受け入れるのを拒むこと)」と「ごまかしたことで生じる5つの代償(傷の存在を拒むことで生じるサイン)」を紹介しています。

心の傷をごまかす方法(p.062)

  • 1,隠す(傷を意図的に隠すこと/例:ボーイフレンドが嫌なことをしても,平気なふりをする)

  • 2,避ける(傷に近づかないように,距離を置くこと/例:決してデートをしないようにする)

  • 3,演じる(演じて傷をごまかすこと/例:上司や同僚を感心させるためだけに立派な業績を上げる)

  • 4,人を喜ばせる(人を喜ばせ失望されないようにすることで傷から目をそらすこと/例:イベントの招待を決して断らない)

心の傷をごまかす代償(p.066)

  • 1,反応性(出来事・経験に対して生じる強い反応のこと)

  • 2,物事を大げさにとらえる(出来事や経験に対して不適切なほど大きな反応をすること)

  • 3,非機能的パターン(自分にとってよくない行動や選択を繰り返すこと)

  • 4,わざと壊す(自分自身や人間関係をわざと壊すこと)

  • 5,自分にはできないことをアドバイスする(他の人に,自分にはできないことをアドバイスすること)

 これらはすべて,「心の傷が注意を引こうとしているサイン(p.072)」です。当てはまるものがあるか,私も振り返ってから,チェックしてみました。

 最後に,ナターシャを始め,紹介している事例は,心の根元の傷の種類とその発見(心の傷に名前を付けること),そしてその癒し方を知る良いきっかけになり得るので,感情が揺さぶられるかもしれないが,参考にしてほしいと著者は述べている。

―― ■ 以上が本書のまとめ。以下は私の感想文です ■ ――

 さて,Part.1が終わりました。

 上記の質問に私も答えましたが,著者の言うように,振り返ると色々な感情が溢れました。

「どうして両親は,あのとき抱きしめてくれなかったのだろう。」

「どうして両親は,あのとき褒めてくれなかったのだろう。」

「なぜ私は,両親から『あなたはここにいても大丈夫』と言われなかったのだろう。」

 考えれば考えるほど,辛い気持ちがどんどん出てきて,ワークの最中に涙も流れました。

 著者も本文で何度も注意を促していますが,このような幼少期を振り返るワークを行なうときは,自身のケアを十分行うことが重要であるとのことです。

 確かにこれらのワークは,感情への負荷がかなり大きいので,人によってはフラッシュバックや,重篤な身体症状が発症しかねません。

 事前にカウンセラーやその他の「心の専門家」に相談しておくのもアリですね。

(私の場合は,通院している精神科の臨床心理士に,ワークの際は事前に相談して行なうようにしています)

 次回から「Part.2 心の傷とその原因」に入ります。

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