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PXを重視した医療組織とは

 患者中心の医療になるための海外事例とPX重視による組織の変化

 近年、PX ( Patient eXperience:患者体験 )が少しずつ広まりつつあるように思う。PXは患者中心の医療を実現するために生まれた考え方で、イギリスやアメリカでは病院における医療サービスの質を計測する指標として採用されている。僕自身、約3年ほど前シンガポールやアメリカに行った時にもやはりPXサーベイ(患者体験価値の調査)が導入されている病院は少なくなく、基準が変化しつつあるな!という驚きがあったことを今でも覚えている。

 このPXという言葉。

 実は1980年代に誕生していたようだ。イギリスでは政権が変わったことをきっかけに、2002年には政府主導でPXサーベイが実施された。さらに2010年には「患者満足度調査」と「PXサーベイ」が同時に実施された。

 患者満足度とPXサーベイは同じではない?

 一見、同じような意味を持っていそうな言葉であるが、実は大きな違いがあるのだ。患者満足度は「結果」を主観的に評価することを意味し、PXは「プロセス」を客観的事実をもとに評価することを意味している。

*PX=「プロセス」を客観的事実をもとに評価
*患者満足度=「結果」を主観的に評価

 満足度調査は主観であるため、実際に病院でどのような医療サービスが行われているのかという事実を把握できない。またよくあるパターンが「あの看護師さんによくしてもらったから、悪い点数をつけられない」「効果はあまり感じていないけど、リハビリの先生優しかったし、イケメンやしね〜」などのように客観性の欠いた調査になりやすい。

 主観性はある一定で必要である一方で、そういった面ばかりでは医学の進歩は生まれても、『医療(医療サービスを含む)の発展』には結びつかないのではないだろうか。

 PXサーベイでは実際に

「あなたのケアを担当した看護師をあなたは信頼し、安心感を得ていましたか?」
「医師は診断画面だけでなく、あなたと向き合い、重要な質問に対してわかりやすい説明を受けましたか?」
「あなたのケアをするための看護師の人員や配置は適切だと感じましたか?」

などのような具体的な質問をすることで、改善点を明確にできる。

 現在日本においてPXの認知度は高くはありませんが、国家施策とも一致し始めており、これからPXサーベイを導入していく法人は多くなるのではだろうか。

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                 ↑著者 株式会社ALTURA 安田彩夏

 経営にもインパクトを残すPX

 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて、医療機関や介護施設は、常に緊張状態を強いられており、気が休まる時間もない人が多い。PXは一見すると医療従事者の人への新たなプレッシャーになるのではないか?と考える人もいるが、実際は逆であり、頑張っている医療従事者の“日々の見えない頑張りやプロセス”を具体的に承認するものなのである。

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 中国ではPX専門の部署を設置したという情報。スペイン最大規模の医療機関では、医療サービスの質向上や医師のコミュニケーションスキル向上などの目的でPXサーベイ実施とその結果をKPI(Key Performance index:重要成果指標)にして、組織改革に望んでいる病院の存在。PXを理解する研修を必須参加にしている病院。など、確実に全世界でPXの認知度が向上しつつあるとともに、病院経営において重要なインパクトになってくるだろうと予測されている。


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株式会社ALTURA
代表取締役 CEO
笹倉 栄人 / SASAKURA HIDETO

「医療介護 × IT × 教育」の企業 / 株式会社ALTURA創業者 代表取締役CEO  1988年生まれ。2014年にフリーランスのセラピスト兼コンディショニングトレーナーとして独立後、2万件以上にアプローチ。ベトナム、シンガポール、中国上海、カタール、ドバイ、アメリカ等の海外を渡り、組織環境や身体重心からヒューマンパフォーマンスを予測するアルゴリズム「BC理論」を構築。コ・メディカル領域のフリーランスに対して経営サポート、臨床技術の講師として活躍し、2016年7月に株式会社ALTURA設立。2019年から個性、感情、マインドヘルス、能力、キャリア、成長環境を可視化し、PX(Patient Experience)とEX(Employee eXperience)を最適化する医療介護特化型マネジメントシステム「ALOLINK」を開発。組織の従事するヒューマンパフォーマンスを向上させる環境予測アルゴリズムの研究を行なっている。2018年には世界新聞ニューヨークタイムズでアジアの若手リーダーとして香港で表彰。

■【著書】
身体に現れる「氷山の一角」を見逃すな!『身体革新』 身体をデザインする思考法
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000078.000021844.html

■【取材】
ニューヨークタイムズに掲載されました。
https://www.neltimes.com/persons.php/hideto_sasakura/

Next connect 企業インタビュー
https://nextconnect.jp/interview/detail?id=60


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