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目の前で消失(便利は不便!? 8) 22.6.1

無料クーポンのエサにつられ、スーパーへ行く。

スマホアプリのクーポンを見せると、某クエリアス一本もらえるのだという。ものすごく好きな飲み物でもないが、くれるというならもらっておく。それが僕、飛田流。


店に遠慮して別の物まで絶対に買ったりはしないが、今日はたまたま割引デーであったため、食料品もついでに購入。アプリを起動させ、空いているレジに向かい、さあ会計。

「某クエリアスだけ無料クーポンを使います」

と店員の女性に軽やかに宣言し、クーポンの画面を見せる。

「『クーポンを使う』のボタンを押してください」

店員の指示で、ボタンをポチる。


「支払い方法が設定されていないので、最初からやり直してください」


ちょ

なにこの表示……。

店員と僕、顔を見合わせる。

「さ、先にこっちの会計をお願いしますっ」

その間に、さぁ再操作。飛田流の辞書に「(無料サービスを)諦める」という文字はない。

はいはい相変わらずの二段階認証ね。送られてきたSMSの数字を必死に覚え入力。

で、再びクーポン画面を表示。


「現在ご利用可能なクーポンはございません」


ヒェッ

もう一回ホーム画面に戻って再度表示。

出たー……。

また最初から、「クーポンを使う」のボタンを押す。現れたバーコードを店員に見せて、スキャン。

これでエラーだったらもうお手上げ。

「あっ、無料になりました」

は~ぁ。

デジタルめ……。

昔の割引クーポンは紙だからこんなことはなかった。郵便で届いて、それを持っていってはい交換。本当に単純だった。

それがデジタルになってから、こんな赤っ恥何度掻いただろう。


これはもう、客に「羞恥プレイ」をさせるのが仕様なのか?

たとえそうであったとしても、タダなら仕方がない。

タダほど安いものは無い。

無料は神。

ナイス無料!


ま、今回の某クエリアス、一本68円だったけど……。





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