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クローゼットとオープンリー 20.9.16

BSで再放送中の朝ドラ『はね駒』、そろそろ終了へ。
新作ドラマが中断されていた時期、このドラマが毎日放送されていたおかげで、当時の心の支えになっていた。


ドラマのストーリーとは別に、書いておきたいことがある。


前半、女学校に通う主人公りんの師匠として、ジュリー(沢田研二)演じる松浪先生が登場するのだが、同じ女学校で教鞭をふるう梅沢という教師がいる。演じるのは去年亡くなった山谷初男さん。
この梅沢、家事と手芸が得意で、現在で言う所の「女子力」が高い。

それだけならまだしも、休みの日にはジュリー……松浪の自宅まで押しかけ、女房気取りで料理を振る舞おうとしたり、りんと勉強する松浪のそばに陣取り、そよそよと松浪のみにうちわの風を送ったりする。
果ては、女学校の新制服を嬉々として試着したりもするのだから、これはもう……「そういうこと」だろう。
ただ、言葉遣いはあくまで男言葉であり、教師としてはごく普通の(凡庸な)人間である。

明治時代のゲイ(男色)事情がどうだったのかはわからぬが、まあ、昔も今も、このような感じなのかもしれない。


一方、長い中断期間を経て、やっと再開された『エール』でも、ゲイのような人物が登場する。
名を御手洗(みたらい)といい、ヒロインの歌の先生であるが、登場早々「オネエ言葉」を炸裂させる。なお、子供の頃からそうであって、それにより学校の先生から虐待を受けた、との設定がある。

『はね駒』と『エール』、ドラマ上は明治と昭和の設定だが、実際の制作年は1986年と2020年で、34年の開きがある。

1986年は、自分の実体験から言えば、まだまだゲイを笑い者にする“風習(常識?)”が残っていて、『はね駒』の中でも、「女が女を好きになったら気持ち悪い」とのセリフがあった。(※嫌悪というより、その人物個人の『常識』として発言)

ただ、梅沢の場合は、結果としてジュリーと敵対する凡人役ではあるが、御手洗のようにオネエ全開になることもなく、それで笑いを取るわけでもない。かなりゲイ要素を強く匂わせているが、ドラマ内でそれを梅沢に直接指摘したり、揶揄する者もいない。

(特に当時の)朝ドラである以上、ある程度の品格は求められたのだろうが、わざわざこの時代(1986年)に梅沢のようなキャラ(クローゼットゲイ?)を出したこと、かつ、あからさまにゲイを笑い者にする当時の風潮とは違う形で扱ったことは指摘しておきたい。
現代の目で見れば、疑問や不満もあるかもしれないが、当時のゲイに対する扱いがあまりにもひどいものだったので、どこか甘い目で見てしまうのかもしれない。


ちなみにだが、『エール』の脚本兼演出担当の方は、朝ドラでは『あまちゃん』を、最近ではあの ドラマ版『弟の夫』を担当した。

これも事実の一つとして記しておく。

【CM】
俺、麻将流太郎。中学に入学した早々、番長を名乗る安岡大吾が因縁を付けてきた。売られたケンカは買ってもいいが、少しは楽しませてくれねえとな。
『DOKIドキ☆胸キュン・すっとこどすこい』http://hidaryu.blog107.fc2.com/blog-entry-453.html

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ただし
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