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そこそこ生きてきたおかげです 21.1.30

急にタイムラインに百恵ちゃんの話題が現れたと思ったら、引退コンサートが地上波でも放送されたんだね。
すでにBSプレミアムで放送されたのは視聴済。

本当は、僕自身との年齢差からして、「百恵さん」と言わなければならないところだろうが、あの当時のイメージが今でも残っているので、つい。

僕が物心付いた時には、もう百恵ちゃんはスターだったのだが、思春期に入る前に引退してしまったので、はっきりと記憶にあるのは引退寸前の数年しかない。かつ、当時小学生だったので、彼女が歌う大人の歌の世界が多少わかりづらかった。

歌手としては、青い性を想像させる際どい歌詞の曲を歌い大ヒット。役者としても、「赤いシリーズ」という、今でいう所の昼メロ――はもう無いけど、とにかく、出生の秘密を抱えた薄幸の少女役でブレイクする。
ただ、ドラマを観るには当時子供過ぎたので、その記憶はない。

百恵ちゃんは当時アイドルという立ち位置だったが、ぶりっ子的な愛らしさというよりは、ソフトツッパリ路線を歩んでいた記憶がある。「ツッパリ」が不適切なら、「大人の女」と言えばいいのか。
「馬鹿にしないでよ」
「心の貧しい女だわ」
など、およそアイドルソングとはかけ離れた曲を歌って(歌わされて?)いた百恵ちゃん。しかし、それを持ち前の歌唱力もあって、完璧に自分のものにしていらした。

「アイドルらしからぬ」と言えば、BSで放送された百恵ちゃん主演の映画も観てみたのだが、どこかに性のにおいが付きまとうというか、文芸作品ではあるが全裸(?)になったり、相手役(現在の夫君)との裸での抱擁、さらにはベッドシーンまで演じられてギョーテンする。

今の目で見れば(のちの夫になる方がお相手とは言え)、各所からのクレームが来そうな印象もあるが、百恵ちゃんはプロとして、どんな歌・どんな役柄でも受け入れ、その対価としてスターの地位を手に入れた気がする。

篠山K信いわく「時代と寝た女」。品のある表現ではないかもしれないが、それが最もしっくりくると思う。


ちなみに、僕が百恵ちゃんの曲の中で好きな曲を一つ上げるなら、『夢先案内人』。
その後に歌われるツッパリソング・国民的歌謡曲とは違い、等身大の女性の思いがロマンティックなメロディに乗せて歌われる。
作詞作曲は、阿木燿子・宇崎竜童の名夫婦コンピ。

発売当時8歳だった僕は、最近までこの曲を知らなかったのだが、50を過ぎて今になってハマっている。
そして、ご子息がこれを含めて百恵ちゃんの曲をカバー。

そこそこ長く生きてみないと、目にできないことってあるんだね。



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