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Eテレ「Our Family」(後編) 20.3.19

Eテレ『ハートネットTV 』で放送された「Our Family」。

前編が、 FTM親友のゲイの精子で、FTMパートナーに子供が授かり、出産するまで。
後編は、子育てと、FTM・パートナーの女性・ゲイ三人の微妙な気持ちのすれ違いについて。

後編冒頭では、FTM・パートナー・子供が一緒に住んでいて、主に育児は二人が担当、ゲイの男性は月に2~3回来て育児をしている姿が紹介される。
しかし、来訪・育児の頻度が少なく、育児に慣れていないゲイ男性に、パートナーの女性は不満を持っている という。

ここで「……え?」と僕は思った。


ゲイ男性は子どもの生物学上の父親であり、「子育てに協力する」と言ったかもしれないが、彼女の旦那ではない。そして、互いに恋愛感情の無いゲイの精子で子供を産んだのは女性の意志だし、いわば他人レベルの人物に、旦那レベルの子育てを期待するのは虫が良すぎる気もする。
そのうえで、ゲイの男性にキツく当たるのは違うのではないか……と。

FTMカップルと子どもの「家庭」において、「自分がどういう存在かっていうのが難しい」と語るゲイ男性に「それは責任逃れだよ」と、冗談めかしつつも責める女性の言葉を、僕は100%の理解はできない。

FTM「旦那」もまた、「とにかく何がどうあれゴンちゃん(ゲイの男性)は親なんだ」と、ゲイ男性を育児に積極的に関わらせようとする(一例として、『毎日朝6時に必ずFTMカップルの家庭を訪れる』よう提案)のは、最初から自分たちの育児の負担を軽くしたかったのでは……と邪推すらしてしまう。
もちろん下衆の勘繰りもいいところだが。


話し合いの結果、週一でゲイ男性が子供を保育園に送ることになる。

その後、保育園の運動会に、FTMパートナーの女性とゲイ男性が参加。女性は「ゴンちゃんも楽しかった『と思う』」と言っていたが、推測を交えた言い方・そこまでの経緯(『責任逃れだよ』うんぬん)も含めて、若干「圧の強さ」が見て取れる。
FTMは彼女の「旦那」であるからして、それを受け入れるなり意見することができるかもしれないが、女性とほぼ他人と言えなくもないゲイの男性はどう感じるだろうか。



――と、意地悪な書き方をついしてしまうのは、結局のところ、彼らへの「嫉妬」なのだと思う。
いわゆる「既婚ゲイ」(ゲイでありながら女性と結婚している人)は別にして、ゲイならば当然死ぬまでパートナーとの生物学的な子供は望めないのだ、という思い込みが僕の中にもあって、それをこのような形で覆してしまった彼らに対しての。

番組を観る限り、パートナーの女性の発言力が強いように見え、前述の不満をゲイ男性本人にぶつけたり、「週末はゴンちゃんの家庭に子供を行かせて、二人の関係性が見れたらしっくりくるのかもしれない」など、ご自身が思う所の「家庭」(?)の形に当てはめようとしているところが不安材料にも思える。


FTMとパートナー女性
FTMの親友ゲイ
ゲイの精子でパートナー女性から産まれた子供

この時点でまだ存在する「ぎくしゃく感」がどうなるかは、本人たちが解決していくことであり、そうでなければおのずと継続は難しくなるかもしれない。

ゲイ男性自身のパートナーの存在は語られていないが、もしいなかったとしても将来できたとして、その彼氏が、FTMのパートナーに子供を産ませたことをどう感じるか。
まだまだこの先ハードルは待ち構えている気がする。


50年間独り身を通してきた僕が言うのも、おこがましい限りであるが。


ちなみに、個人的には、このゲイの人の立場になりたいかというと



無理に決まってんじゃないのさ!



である。

ここで出るオネエ言葉。

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