トピックス(小説・作品)

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夕暮れの鏡

夕暮れの鏡

時々、会社の雰囲気があまり良くない時がある。 新しく来てくれた人にとって、今のこの会社では任されることが特殊かつ多すぎるのだと思う。先輩社員の叱責に、「言ってる事実は正しいが、人格否定も含まれるその言い方では心が折れそう」 と思うことが増えた。私は別の職種なので口出しできないが、以前はそんな言い方をするような人ではなかった人がそんなことを言ってて驚く。しかし彼女と同じ職種の人と話していると「前からそういう気質はあった」という話を聞くこともあった。別の畑から見ているとわからな

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「好き」を守りながら歩く

「好き」を守りながら歩く

趣味は読書ですと。ありがちだが、すぐに答えることができる。 しかし、読書好きを公言していても、なかなか文字が追えず「積読」が発生してしまうことがある。 平時であれば、私にとって「積読」はたいてい一時的に起こるものである。本が好きな人の中には、「未読の本を持っておきたい」「本があると安心する」といういかにも本好きな「常時積読」の理由を持つ人もいると思うが、私はなんとなく「読んでいない本」があるとそわそわしてしまうから、あまり積むことはない。 私が積読をするということは、単

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ローマの休日 #1 〜三度も訪れた甘いひと時を味わえる老舗ティールームです〜

ローマの休日 #1 〜三度も訪れた甘いひと時を味わえる老舗ティールームです〜

海外旅行が恋しくなる 夏の日。 2017年の旅をもとにイタリアの 素敵な場所をご紹介していきます。 まずは、ローマから。 滞在した4日間で 三度も通ってしまったのがこちらの 「Babingtons(バビントンズ)」でした。 スペイン階段のふもとに 佇むこちらのティールーム。 125年の歴史を感じさせる 重厚な扉をあけると ピンクを基調としたロマンチックな 空間が広がっているのです。 猫のモチーフもあちこちに あしらわれていてとっても可愛い。 初めて訪れたのは

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絶対なかったいつかの夏

絶対なかったいつかの夏

一度だけ家族と海水浴に行ったことがある。 私が小学三年の夏で、それは私にとって未だに人生唯一の夏だ。 海水浴に行くぞ、と言い出したのは父で、それは朝食の時間に突然決定され、決行された。 母はあわてて引き出しから重箱を探し、ぶつぶつ言いながら黙々と大量のおにぎりを作り重箱に詰め、私と弟は浮き輪を交代ではしゃぎながら、焦りながら、膨らました。 たどり着いた海水浴場にはたくさんのパラソルやテントが立てられ、案外うるさい波の音と笑い声が響いていた。 私は高揚し、この場所に家族皆

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「志望動機はなんですか?」のテンプレ面接に終止符を打ちたい

「志望動機はなんですか?」のテンプレ面接に終止符を打ちたい

バイトの面接官なるものを初めて担当した。 自分のお手伝いをしてもらう学生を選ぶので、采配は任されていた。 はじめての面接官だったけど、途中から面接の形式をやめた。完全に雑談にシフトした。 結果、とても良い発見があった。 それは、「志望動機はなんですか?」的なテンプレ面接は、往々にしてほとんど意味がない、ということだ。 少なくとも、限られた短時間で、相手の本当の魅力を引き出す目的には、到底そぐわない。 ここで、自分が今まで受けてきた面接のことを反芻してみると、だいたい以

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熱

久々にひどい熱を出して寝込んだ 寝返りすらしんどくて 一日中うなされていた 浅い眠りのなかで色んな夢を見た こわくてかなしい夢ばかりで 何度も何度も叫んで起きた 助けてほしいと思ったけれど 拒絶される恐怖で 指は文字を打てなかった まだ乗り越えられていない かつてつらかったことではなく 今もなおつらいことのままだ 私はこれから何を失うだろうか もう誰も何も失いたくない けれど失いながらでしか生きられない 朦朧 頭痛 吐気 買い物に行けなくて 泣く泣く頼むUberE

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好きな食べ物はなんですか?って聞かれたら何と答えますか?

好きな食べ物はなんですか?って聞かれたら何と答えますか?

これは1年前もあったなーって懐かしくなる。 好きな食べ物はなんですか?聞かれて答え方にすごく迷った。 なんと答えたら良いだろう?って思っちゃうんです。 最近も紹介していただいてLINEしてる方がいて、そんな話になった。 1年前のときは、パスタとかって答えたんです。 良い答えがわからなくて。 それでそういうものもあるお店にしてもらったけど、結局わたしが頼んだのはオムライス。 そんな日もあります。 パスタを食べるだろうと期待されたけど、そこのお店のパスタはちょっと

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Wisdom in Wonderland part.XIII

Wisdom in Wonderland part.XIII

みなさん、こんばんは。禧螺です。 今日もnoteをご覧いただき、ありがとうございます。 最近、家族の中での私の呼び名が「蝶のお世話係」となりました。 とはいえ、ここまで本気になって蝶を育てたことがないので、インターネットや本を見て、蝶のお世話の方法や、一生を学んでいる最中です。 昨日の各SNSににおいて、それぞれに返信しようとした時間は、幸運にも幼虫の蛹化(ようか)を実際にお目にかかれて見るのに夢中だったので、できませんでした、すみません…。 ちなみに、蛹化(ようか

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月とコーヒー

月とコーヒー

お気に入りのマグに入れたコーヒー、少し濃いめで、苦くて酸っぱい。 お湯で薄めてアメリカンにしたり、はちみつを垂らしたり、ミルクをたっぷり入れるときっと、ちょうどいい。 月が落っこちて来そうな夜。 ひとり、静寂に包まれる。 こういう時はなんだか、テレビやラジオの音はやけにうるさくって、だのに消したら静かすぎて居心地の悪い。 コーヒーは苦くて、熱い。 座り込んだソファにずぶずぶと沈む。 沈んで、沈んで、沈み込んで、まるで液体になったかのよう。 ドゴォン! 窓の外から大き

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気もそぞろ

気もそぞろ

毎日毎日 コロナの事で 気もそぞろ オリンピックで 気もそぞろ メダルラッシュで 気もそぞろ 侍ジャパンで 気もそぞろ 感染者がどうとか 自粛がどうとか 日本がどうとか ベラルーシがどうとか 熱中症がどうとか ワクチン接種で 気もそぞろ 酷暑にやられて やる気を失い 賑やかなんだか アラートなんだか 訳が分からず 顔のない政治家 逼迫する医療従事者 それでも 歓喜とお笑い 交互に映し出すTVに 気もそぞろ 夏になると 各所で災害 水の事故 スクールバスに 放置される幼児

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