朱野帰子

「マタタビ潔子の猫魂」で第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。既刊本は「海に…

朱野帰子

「マタタビ潔子の猫魂」で第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。既刊本は「海に降る」「駅物語」「会社を綴る人」「わたし、定時で帰ります。」「対岸の家事」他。最新刊はわた定シリーズ3作目の「わたし、定時で帰ります。ライジング」 。ここでは告知と駄文を書きます。

マガジン

  • 小説家の働き方

    自分の働き方について書きます。

  • セルフパブリッシングもやっていき

    朱野帰子、同人誌作りもはじめました。労働に関する同人誌を一人で作って売る様子を書いた記事を集めています。

  • 仕事・労働エンタメを語る

    仕事・労働についての本やエンタメについて書いた記事を集めています

  • 「対岸の家事」

    専業主婦と家事労働を描いた「対岸の家事」についての記事があります

  • 「わたし、定時で帰ります。」

    「わたし、定時で帰ります。」について書いたnoteをまとめてあります。シリーズ1作目、2作目、3作目、4作目(準備中)、スピンオフ、ドラマ化などなど。

最近の記事

商業作家が同人誌を作る意味(私の場合)

文学フリマ東京38で頒布した無配の文章です。

    • 小学校高学年の親をやるってどんな感じ?

      Twitterでは、ワーキングマザーと専業主婦が「どっちが正解か」で揉めている。選べる前提で話している時点で「新卒で正社員になれて、育休もとりやすくて、働き方改革も終わっており、リモート勤務も選択可能、保育園もゼロなら全入の世代なのでしょうな」と氷河期世代としては死んだまなざしになってしまうのだが、いっぽうで子供が何歳くらいの前提で話しているのだろうと考える。 たとえば保育園時代は朝から晩まで保育園が預かってくれる。たまに発熱はするけれど、シッターさんなど「外注」を利用すれ

      • 「文学フリマ東京38」と「技術書典16」に参加して心理的安全について考える

        あっという間に日々がすぎていきますね。 長編を書いているると(まだ書いてるんかい!とつっこみたいですよね)、感情の全てがそっちに持っていかれてしまって、noteに書けることがなくなってしまう……というのが最近の悩みです。 そんななか、5月19日(日)に文学フリマ東京38、5月26日(日)に技術書典16にサークル参加してきました。前回はどちらもインフルエンザでお休みしたこともあり、今回は一週間前からマスク着用で、ものすごい緊張感ですごしました。会場についたときは「参加できた!

        • 『98万円で温泉の出る築75年の家を買った』の、その家に遊びにいった話

          高殿円さんと友人になったのは昨年のことです。 高殿円さんといえばドラマ化もされた『トッカン!』です。デビューしたばかりのころ編集担当さんに「会社員で女性なのだから、お仕事小説を書いてみたら?」とアドバイスをされてまず仕事小説家になった私。しかし、会社員時代に読んだり観たりしていたのは『釣りバカ日誌』とか『金融腐食列島』とか『ハゲタカ』とかとにかく男性むけの仕事ものがほとんどでした。女性むけの仕事ものといえば恋愛メインか、働きたくない女もの、あるいは出版もの……。「お手本にな

        商業作家が同人誌を作る意味(私の場合)

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        • セルフパブリッシングもやっていき
          9本
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          2本

        記事

          『余命一年、男をかう』文庫版の解説を書きました

          みなさんは余命一年とわかったら何を買いますか? なんとなんと光栄なことに、吉川トリコさんの『余命一年、男をかう』文庫版の解説をまかせていただきました。 文芸誌に掲載された時点で一気読みしてしまったのですが、島清恋愛文学賞を受賞した他、山本周五郎賞にノミネートされたこの小説の解説を書かせてもらえるなんて! 「お前わかってるんだろうな? ちゃんと書けよ?」という、この作品を応援している講談社の人たちの顔がちらつきましたが、でも「私のために書かれたんじゃないか?」ってくらい好き

          『余命一年、男をかう』文庫版の解説を書きました

          2024年5月26日(日) 技術書典16にも「朱野帰子」でサークル参加します! こちらにも新刊はありませんが、おもしろいイベントなのでぜひに。 at池袋サンシャインシティ 展示ホールD こちらも入場券(無料)の入手が必要です↓ https://techbookfest.org/event/tbf16

          2024年5月26日(日) 技術書典16にも「朱野帰子」でサークル参加します! こちらにも新刊はありませんが、おもしろいイベントなのでぜひに。 at池袋サンシャインシティ 展示ホールD こちらも入場券(無料)の入手が必要です↓ https://techbookfest.org/event/tbf16

          5/19(日) 12:00〜17:00 開催(最終入場16:55) 文学フリマ東京38に「朱野帰子」でサークル参加します! 新刊はありませんがぜひお越しください。 混んでなければサインなどもできるかと〜 チケットの購入はこちら↓ https://bunfree.net/event/tokyo38/#ticket

          5/19(日) 12:00〜17:00 開催(最終入場16:55) 文学フリマ東京38に「朱野帰子」でサークル参加します! 新刊はありませんがぜひお越しください。 混んでなければサインなどもできるかと〜 チケットの購入はこちら↓ https://bunfree.net/event/tokyo38/#ticket

          新作告知/短編『痛い人生設計を作る、ルノアールで』を書きました

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          30歳までに読みたいお仕事小説『レイアウトは期日までに』の書評を書きました

          タイトルの通りなのですが、U-NEXTから刊行された碧野圭さんの『レイアウトは期日までに』の書評を書かせていただきました! 碧野圭さんといえばなんといっても『書店ガール』シリーズ。編集者として働いたこともある碧野さんが描く、出版業界のお仕事ものはピシッとしていてよいです。 『レイアウトは期日までに』は装丁のお話なのですが、作家ってわりと装丁のことを知らないのですよね。読んでいて「あ、そうなんだ」と勉強させてもらうことも多い。碧野さんは装丁家だったわけではないですが、主人公

          30歳までに読みたいお仕事小説『レイアウトは期日までに』の書評を書きました

          『もふもふ 犬猫まみれの短編集』に「わたし、定時で帰ります。」のスピンオフ書いてます。

          またまた遅ればせながらの告知です。 2月1日に『もふもふ 犬猫まみれの短編集』が新潮社から出ました。 タイトル通り、犬と猫が出てくる短編集なのですが、こちらに「昨日もキーボードがめちゃくちゃになりました」という短編を書いています。 完璧なデスク環境を作ったはずのリモートワーク男性が、飼い始めた猫にすべてをめちゃくちゃにされていくお話。朱野作品が初めての方でも楽しんでいただけるよう、コメディタッチで書いております。 猫が必ずどこかに出てくる本だけを置いている猫本専門店、

          『もふもふ 犬猫まみれの短編集』に「わたし、定時で帰ります。」のスピンオフ書いてます。

          『わたしの名店 おいしい一皿に会いにいく』が発売されています

          いやもうほんと……長編を書くだけの日々で、まったくnote更新できませんでした。 エッセイ集『わたしの名店 おいしい一皿に会いにいく』が12月に発売されています。改めてご紹介。とても短いエッセイですが、私も書いています。 私が紹介しているお店は早稲田メーヤウ。 大学時代から現在に至るまで食べにいくお店です。エッセイに詳細が書いてありますが、この早稲田メーヤウ、最初は早稲田大学本キャンパスの近くにあり、それから文学部キャンパスの隣に移転しています。私が会社員をやっていたこ

          『わたしの名店 おいしい一皿に会いにいく』が発売されています

          NHK放送のネコメンタリー「藤井太洋とゴローとジジとペンタ」の回に藤井さん宅を訪れた朱野がちょこっとだけ出ているそうです。藤井さんの執筆環境もみられるみたいなので興味がある日はぜひ!(1月29日午後2:30再放送予定) https://www.nhk.jp/p/ts/Z52R515WW1/episode/te/32PZPK63NG/

          NHK放送のネコメンタリー「藤井太洋とゴローとジジとペンタ」の回に藤井さん宅を訪れた朱野がちょこっとだけ出ているそうです。藤井さんの執筆環境もみられるみたいなので興味がある日はぜひ!(1月29日午後2:30再放送予定) https://www.nhk.jp/p/ts/Z52R515WW1/episode/te/32PZPK63NG/

          『ひよこエンジニアのためのお仕事サバイバルガイド2023』を読んでデスクも家も片付けた一年

          12/23 午前中は書く。アンチヒロインという設定に変えたので、そうでなかった時に書いた第一稿をどんどん書き直していく。高学歴で仕事もできるけど「社会規範なんかない」と語るヒロインである。社会を信じる心なんてものはとうに捨てたのだ。焼き鳥食べたいとTwitterで言ったら、友人がLINEで「行こう」と言ってくれたので行ってきた。他にも誘ってくださった方たちがいたのだが、来年になったらぜひ行こうね。お店は田町にあった。なんとカルロス・ゴーンが行きつけだった店だった。トイレにはゴ

          『ひよこエンジニアのためのお仕事サバイバルガイド2023』を読んでデスクも家も片付けた一年

          『フリーランス大全』を読みながら、主人公をアンチヒロインに変えていく

          12/13 朝起きれない。冬だということもあるが、氷河期をテーマにしているせいだろうと思う。就職氷河期とは単に若者が就職できなかったというだけでなく、若者たちが暴力をふるわれ、ネグレクトされ、さらに(よくあることではあるが)加害者に都合のいい歴史修正をされたという、経済史上に刻むべき事件だったと理解している。しかも、それに加担した大人たちは普通の企業人たちで良き父親たちで、おそらく今も同じようなことをしている。一日二時間やるのが限界で、あとの時間はイーロン伝記を読むなど楽しい

          『フリーランス大全』を読みながら、主人公をアンチヒロインに変えていく

          自分への誕プレで買った『イーロン・マスク』にはまる

          12/4 上の子がインフルになったため、家族行事には私と下の子だけが参加。私は祖母の訪問着を着た。呉服屋さんに行ったついでに「子供用の浴衣の販売はいつからですか」と尋ねたところ、五月頃に出すが、コロナ禍で浴衣文化は急速に廃れつつあるという話をされた。このまま少子化が進めば日本民族が消滅することもありうるし、そのときに民族衣装の写真が一枚でも残っていたほうがいい。それもあって今回は大枚を叩いて撮影。帰宅して着物を脱いでしまいながら「これを着る次世代はいるんだろうか」と考える。上

          自分への誕プレで買った『イーロン・マスク』にはまる

          怒涛のウィルス祭りのさなか 『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書』を買った

          再び日記です 11/27 先週の水曜から学級閉鎖だった下の子がようやく学校に行ってくれる。パートナーも出社したため、自由にできる一日。 技術書典15が昨日終了したため、オンラインで受注した(技術書典では受注生産もできるのだ)紙の本を印刷する手続きをする。技術書典が用意してくれている「後から印刷」のシステムに、新刊と既刊のデータを入稿し、220冊分の印刷費を振り込んだ。キーボード本はこれで二刷、部数は600部、実売数は400となる。残りの200冊は次のイベントで売るときがくる

          怒涛のウィルス祭りのさなか 『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書』を買った