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イッキューパイセン 回らない寿司編
【江戸前】【一流職人】【鮮度が良い】【包丁の切れ味】【おさむ】
有名書道家の手になる巨大な看板が通行人を威圧する。
1か月前に城下町の一等地に建てられた寿司店『金満鮨』はネタの鮮度、質、職人の腕、調度品などどれもが超一流であり、富裕層を主客としてたちまちのうちに有名店へと成長した。
長さ約40メートルを誇るカウンターに客がぎっしりと並ぶさまはまるで工場のベルト作業めいている。
このよう
75年ぶりの挑戦者《チャレンジャー》
エドモンド・ハンクマンは時間通りにやってこないスクールバスが大嫌いだった。
待ち合わせに遅れるガールフレンドが大嫌いだった。
指定日に届けないネット通販はアカウントを削除した。
規則的なものが好きだった。
水飲み鳥の動きを何時間も眺めていられた。
仕組みを知ろうと父親の時計を分解したこともある。
やがて彼は、求めるものが空にあることを知る。
太陽、月、そして無数の星々。
天文
ゲリラ監査役青海苔のりこ #9 後編2
前回までのあらすじ
ニチアサのネタバレをSNSで流すことにより、自身の番組へと視聴者を誘導する恐るべし計画を企てた日曜朝の報道番組『惨DAYな朝』に対し、さらに恐ろしいゲリラ監査役が監査を開始した!
喝と言うことしか能のない番組のご意見番ハリーは暴力によって沈黙させられ、今また番組MCであるセキも暴力による監査を受けようとしていた!
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霧よ、再びの栄光を。
肌を刺すような初夏の冷たい空気。
午前5時のロンドンは深い霧に包まれていた。
《非常…宣言下……直ち……避……》
横転した広報車のスピーカーから途切れ途切れのAI音声が聞こえてくる。
酷い腐敗臭の漂うゴミ集積場には十数匹ものカラスが群がり、元が何だったのか最早判別もつかないようなモノを啄んでいる。
「グワッー!」
突然飛んできた石が1羽のカラスの頭に命中し倒れこみ、それを見た他
最強SDGs決定戦!
おれはSDGsさ。
SDGsだから服を着ない。ゴミになるからな。
SDGsだから魚も骨まで全部食べる。生ゴミになるからな。
SDGsだからフィギュアもブリスターから出さない。資源ゴミになるからな。
SDGsだからゴッホの絵にトマトスープをかけない。あいつらはゴミ。
SDGsだから最後のSをちゃんと小文字にする。賢いからな。
もちろんSDGsだから紙ストローだ。使い終わったあとは食べる。
ゴミに
高い高い苗字ナンバーワン決定戦
「うおー」
「うわー」
全国から「高い苗字」のナンバーワンを決める大会がついに開催された。
「うおー」
「うわー」
東京ドームは超満員、観客のボルテージもそこそこだ。
「第1試合選手入場!」
身長2mで2mのシークレットブーツを履いたリングアナが高らかに宣言する!
「うおー」
「うわー」
観客の興奮は最高潮だ!
「赤コーナーより【高山】選手の入場です!」
「いきなり高山かよ」
「高山に勝てる
積田刀四郎は竜王を目指す
2015年 3年四組 積田 刀四郎
僕は正直、この3年間のうちでは勉強机よりも将棋盤と向き合ってきた時間のほうがずっと長かった。
体力に自信がない僕が、将棋部を選んだことに間違いはなかった。
純粋な頭脳のみによる一対一の勝負。
運が介入する要素は存在せず、たったひとつの誤りが即敗北に繋がる、そんなところが気に入った。
「将棋はパワーだ!」と指導してきた五里先輩には一度も負けなか