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異文化理解で井の中のおじさんは大海を知る…かもしれない ~エリン・メイヤー「異文化理解力」を読んで~

海外赴任経験も出張経験もない超ドメスティック人材な私であるが、8月からグローバル人材育成(研修)を主事業とする会社に転職した。

同僚はほとんど海外赴任経験がある( ゚Д゚)


しかもアメリカで20年、ヨーロッパで15年以上、というレベルで。。。

前職で最後に担当した仕事は社内研修所の責任者なので、研修業界には興味があったものの、前職の延長線の仕事だと転職する意義があまりないかな、と思っていたので研修業界は第2志望という感じだった。

ところが、なかなか中年(50代)の転職活動の現実は厳しい💦
贅沢言ってられないな・・・と思い始めた頃に今の会社の紹介を受け、その後はトントン拍子に面接がすすみ内定を獲得。研修企画を担当することに。
(海外赴任経験が求人条件だったが、研修経験者という点で何とかひっかかったのであろう)とにかく、巡り合わせとしか言いようがない。

自分が選んだポイントとしては「グローバル人材育成(語学、異文化、赴任研修等)」に特化している点に注目した。いくら厳しい転職戦線といえども、一般的な(何を一般的と捉えるかはあくまで自分の目線であるが)研修ベンダーであれば応募していなかったであろう。
海外経験もないのに、なぜか外国が好き。英語が好き。ハリウッド映画と洋楽とKPOP大好き。

そういえば何故なんだろう笑。

ともかく、ドメスティック人材の自分が入社するからには、それなりに予習をしよう!ということで行動したことは、、、

Global系のセミナーを聴きまくる(^^♪

グローバルをテーマにしたセミナーを探していくつか聴講してみた。
どの会社もテーマにしていたのは「そもそもグローバル人材って何?」「そのために必要なものは?」というアプローチであり、その結果として「異文化理解」に行き着いていた。
特に日本人は世界の中でも類稀な文化を持つ国であり、日本的商習慣を払拭できないまま赴任して苦労する方が多いということが背景にあるようだ。
また、そもそもグローバル展開したいのにグローバル人材をどう育てていいかわからない、という人事担当者が多いこともわかった。

異文化理解を重要視する点とそのアプローチ方法は各社ほぼ一様、それもそのはずでベースの考え方(原典)が同じだからである。

ひとつは、オランダの社会心理学者ホフステードの6次元モデル
世界の異文化を研究し、6つの文化圏にモデル化したということであるが、
日本はその6つのカテゴリのどこにも所属しない、、、つまりそれだけ特異な文化を持つ国だということである。

もう一つは、異文化マネジメントの専門家である

エリン・メイヤーの「Culture MAP」


このCULTURE MAP(邦題;異文化理解力)を早速購読した。
ここでは「8つの指標」で世界各国の文化を分析・可視化する。

おもしろい!(^^♪


エリン・メイヤー氏や書籍ついては、色々なサイトで紹介されているので私の解説は出る幕なく省略。この分野の権威であることは間違いない。

自分にとって一番の学び・気づきは、すべての国の文化を「相対的に」把握することが大事だということ。
例えば、コミュニケーション指標で見た場合も、ハイコンテクストな日本人とローコンテクストな外国人という単純な構図ではなく、同じローコンテクストでも、アメリカ人から見たイギリス人はハイコンテクストな人たちなのである。さらに、イギリス人から見たスペイン人もハイコンテクスト。
つまりは、日本人に限らず、グローバルビジネスでは、異文化理解力が必須教養であり、様々な異文化を理解し文化の架け橋となって多国籍チームをまとめるのが真のグローバルリーダーである、ということであろう。

アメリカ人がフランス人の部下に苦労し、その逆もあり、さらに多国籍なチームが仕事をする場合は、異文化理解を踏まえたリーダーシップ・マネジメントが特に重要だ。豊富な事例とインタビューに裏付けられた本書は説得力もあり、自分自身にとっても良い予習になった次第である。

全世界のグローバルリーダーを目指す人向けに書かれた本であるから、当然日本人ビジネス社会での付き合い方にも言及されている。なんと、、、

「飲みにケーション」で関係構築しろって笑


もちろん、コロナ前に書かれてたこともあるけど。。。
外国人が皆合わせてくれたら実は楽だよね、とちょっと思ったけど。
ま、そんなに現実は甘くないわな。

ともかく、予習はここまで。

これからは気持ちは大きく世界貢献!

仕事仕事(^^♪

▼以下、要旨抜粋▼
八つの指標で自文化の見取り図を作る
①コミュニケーション
・世界で最もローコンテクスト・・・米
 世界で最もハイコンテクスト・・・日本
 歴史の影響(島国/移民同士)
・全ては相対的ー米<英 ハイコンテクスト
②評価
・ネガティブな批判は遠回し・・・米
・普段遠回し→欠点はハッキリ・・・仏
・いつも率直なメッセージ・・・蘭
・Communication/FBスタイルの型毎対策
③説得
・原理優先(演繹)か応用優先(帰納)の思考か
・アジア的説得ー包括的思考(全体を説明)
・聞き手(文化)に合わせテクニックを変える(忍耐と柔軟性)
④リード
・平等主義か階層主義か→歴史に根差す
 (ローマ帝国、バイキング、儒教)
・リーダーはどちらの主義にもになる必要
⑤決断
・大文字(合意形成)か小文字(トップダウン)の決断か
・日本ー階層主義&超合意主義(根回し)
・意思決定の方法を予め話し合う
⑥信頼
・認知的信頼か感情的信頼か
 分けて考えるー米「仕事は仕事」
 分けないーアジア系
・根差す文化に対応した信頼関係を作る
 日本「飲みニュケーション」で関係構築
⑦見解の相違
・儒教社会(中国、韓国、日本)ー面子保つ
 和を以て貴しとなす ⇔オープンに見解相違(仏など)
・グローバルチームでは悪魔の代弁者役
⑧スケジューリング
・直接的時間か柔軟な時間か
 ドイツー産業革命の影響(組織性/迅速化)
 途上国ー日々の生活が絶え間なく変化
 (人間関係/柔軟性)
・様々な働き方への適応力養う(試行錯誤)
・スケジューリングのシステムを事前に話し合い、チーム文化>自国文化へ

最後まで読んでいただきありがとうございます。いつもより文章が長かったかな・・・
世界にはばたくビジネスリーダーを一人でも多く輩出できるよう、その一端を担う仕事ができればと思っています。その前に目の前の実務に早く慣れないとな~(苦笑)

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