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治療家のための文化人類学~ナラティブの整理実践~

マガジン読者の皆様お待たせいたしました。治療家のための文化人類学、最新作の長編です。

患者は診察室で
さまざまなことを語ります。

今回の症状とは全く関係のないエピソードであっても、本人としては「欠かせないエピソードの一つ」として語ります。

したがって我々は、
有用な情報ではないからといって
聞き流していいわけではありません。


今回はそんな
患者が語るストーリーの「整理法」を学び、

記事の後半では動画を見ながら、
実際に聞き分けていただきます。


【得られる効果】
✔︎患者の満足度が向上する。
✔︎人体ではなく人として患者を見られる。
✔︎患者の潜在ニーズに触れやすくなる。
✔︎鑑別や推論、除外診断が考えやすくなる。




1.患者の言動は文脈に影響される


まず覚えておきたいこととして、
「人の言動は文脈に影響される」
という前提を持ちましょう。

過去に大きな腰痛を経験したことで、また腰が痛くなったときに「以前みたいになるのではないか?」という形の不安を抱くことがあります。

過去に鍼治療で改善したことがあれば、別の疾患を患ったときにも「鍼」に解を求めたくなることがあります。

過去の体験や成育歴、過ごしてきた社会や文化、環境。ときには宗教や他人の発言にも影響されたうえで、「患者が語るエピソード」は構築されていくものです。

我々は、その患者が持つ

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