lehua

ハワイの叙事詩「クムリポ」を、ハワイ語から日本語訳して掲載します。

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ハワイの叙事詩「クムリポ」を、ハワイ語から日本語訳して掲載します。

最近の記事

クムリポ /概説と訳出先

ここでは、本アカウント上に掲載されているクムリポの概説、訳出先を記載します。 [クムリポについて] クムリポは、ハワイ王国が編纂したハワイ語による叙事詩です。もともとメレ(歌)とフラ(踊り)によって王家に語り継がれた物語ですが、1889年、第七代国王カラカウア王によって文章化、一般公開が行われ、第八代リリウオカラニ女王の英訳をきっかけに広く知られるようになりました。今回の翻訳における訳出・参照文献は以下の通りです。 =========== ・“The Kumulipo:

    • クムリポ/生物名のカオナ

      この記事では、一番目〜四番目の時代に歌われた生物名のカオナを紹介します。 カオナとは、ハワイ語における暗喩手法のことです。一つの単語に複数の意味を持たせるハワイ語の特性として、言葉の直接的な表現の裏に別の意味合いを含ませることがよくあります。クムリポも例外でなく、歌中に様々な暗喩が施されています。以下のリンクに、PDF形式でそれぞれの時代の生物名のカオナを示しました。各時代の本文と照らし合わせて楽しんでいただけましたら幸いです。 訳出:Ulukau ~Hawaiian El

      • クムリポ /十六番目の時代

        KA WA UMIKUMAMAONO(16) マーウイを夫に ヒナケアロハイラ(愛の色濃いあざのヒナ)が妻となった Maui ke kane -- Hinakealohaila ka wahine Nanamaoa(ナーナーマオア:雨上がりに見る)-- Hinakapa‘ikua(ヒナカパイクア:背後のヒナの罰の光) Kula‘i(クライ:ひっくり返す)-- Hinaho‘opa‘ia(ヒナホオパイア:罰を科すヒナ) Nanakua‘e(ナナクアエ:広がる転覆)-- Ke

        • クムリポ /十五番目の時代

          KA WA UMIKUMAMALIMA(15) ククイハア(小さな松明)のそばに ヌウメア(高くある地)と ハウメア(横たえる地)の女がいた O Haumea wahine o Nu‘umea i Kukuiha‘a メハニ(静かな歩みとともに) O Mehani, パリウリ(青い崖)の クアイヘアラニ(こすれた曇り空)が 覆う高地 nu‘u manoanoa o Kuaihealani i Paliuli リホリホ(きらめく) エレエレ(黒色) 黒い空のパノパノ(厚い雲)

        クムリポ /概説と訳出先

          クムリポ /十四番目の時代

          KA WA UMIKUMAMAHA(14) リアイクーホヌア(大地にゆく望み)を夫に ケアカフリホヌア(逆さの大地の交わり)が妻となった Li‘aikuhonua ke kane Ke‘akahulihonua ka wahine Laka(ラカ:手なずける)-- Kapapaialaka(カーパパイアラカ:模索を手なずける) Kamo‘oalewa(カモオアレワー:ひと続きに飲みこむ)-- Lepu‘ukahonua(レープウカホヌア:大地のあてどない丘) Maluap

          クムリポ /十四番目の時代

          クムリポ /十三番目の時代

          KA WA UMIKUMAMAKOLU 〜 HE LALA NO KA WA UMIKUMAMALUA 〜 〜十二番目の時代の一つのさし枝〜 (13) パリクー(そびえる崖)を夫に パリハイ(語られる崖)が妻となった Paliku ke kane Paliha‘i ka wahine Palika‘a(パリカア:支払われた崖)-- Palihiolo(パリヒオロ:逆さまの崖) Lakaunihau(ラーカウニハウ:憤りの日なた)-- Keaona(ケアオナ:透き通るシラ

          クムリポ /十三番目の時代

          クムリポ/十二番目の時代(下)

          KA WA UMIKUMAMALUA(2/2) Hainu‘awa(ハイヌアワー:積み上げた時代が捧げた)-- ‘Ulahuanu(ウラフアヌー:神聖な嘆きの実) Laukohakohai(ラウコハーコーハイ:沢山の打ち合う音)-- Ho‘olilihia(ホオリリヒア:どれほど妬みがあったろう) Opa‘iakalani(オパイアカラニ:空がピシャリと音を立てる)-- Kumukanikeka‘a(クムカニケカア:ざわめきに代わり)Opa‘ikumulani(オパイクムラ

          クムリポ/十二番目の時代(下)

          クムリポ /十二番目の時代(上)

          KA WA UMIKUMAMALUA(1/2) オプウプウ(積み重ね)を夫に ラアニハ(捧げた怒り)が妻となった O Pu‘upu‘u ke kane La‘aniha ka wahine Opu‘upe(オプウペー:こぶをならす)-- Pepe(ぺーぺー:平らにする[/慎む]) Opu‘umauna(オプウマウナ:山と丘)-- Kapu‘u(カプウー:悲しみの禁忌) Opu‘uhaha(オプウハーハー:手探りを重ねる)-- Leleiao(レレイアオ:陽が昇る) Opu

          クムリポ /十二番目の時代(上)

          クムリポ /十一番目の時代(下)

          KA WA UMIKUMAMAKAHI(3/3) Li‘ili(リイリー:小さな海藻)-- [‘]Au[‘]au(アウアウ:水浴び) Li‘ili[‘]au[‘]au(リイリーアウアウ:水を浴びる小さな海藻)-- Kamau(カーマウ:続く) Li‘ilikamau(リイリーカーマウ:小さな海藻が続く)-- Holiholi(ホリホリ:芽生える) Li‘ilili‘ili(リイリーリイリー:小さな海藻たち)-- Nanaahu(ナーナアフ:海藻の山) Li‘ilihalul

          クムリポ /十一番目の時代(下)

          クムリポ /十一番目の時代(中)

          KA WA UMIKUMAMAKAHI(2/3) Manaweulani(マナウェウラニ:空の草の奇跡)-- Laukunu(ラウクヌ:燃える葉) Ho‘oma[‘]ilu(ホオマーイル:小さくする)-- Puluea(プルエア:葉が昇る) Ma[‘]ilu(マーイル:小さなもの)-- Lehuane(レフアネ:灰が風に乗る) Polehua(ポーレフア:夜のオーヒアの花)-- Keahu(ケアフ:積み上がる) Pu‘ulele(プウレレ:風に積み上がる)-- Noelo

          クムリポ /十一番目の時代(中)

          クムリポ /十一番目の時代(上)

          KA WA UMIKUMAMAKAHI(1/3) 女は ピオラニ(空の弧) を つとめた Oia wahine noho lani a pi‘o lani no 女は ハウラニ(昇り降り)を つとめた Oia wahine haulani a noho lani no キイは 弧の下の高地にいた Noho no iluna a iho pi‘o ia Ki‘i 厳かに 大地の子 Weli ai ka honua i na keiki カマハイナ(折り返しを歌う子)が 男と

          クムリポ /十一番目の時代(上)

          クムリポ /十番目の時代

          KA WA UMI(10) 草木の囲いに ライライがいた O mai la, o La‘ila‘i ka paia 多くの夜を治めるカーネと 味気ないキイがいた O Kane a Kapokinikini ka pou, o Ki‘i ka mahu ラーイオロオロが生まれ カーパパと結ばれた Hanau La‘i‘olo‘olo i noho ia Kapapa カマハイナ(口にする子)が 男として生まれ Hanau Kamaha‘ina he kane カマムレ(

          クムリポ /十番目の時代

          クムリポ /九番目の時代

          KA WA EIWA(9) ライライの 大地を揺する O La‘ila‘i, o Ola‘i-ku-honua 空が裂け 唸りながら熱くなる O Wela, o Owe, o owa ka lani 女によって ぐんぐんと空に上がる Oia wahine pi‘ilani a pi‘ilani no 草地から 空へ昇る泣き声 Pi‘i[‘]aoa lani i ka nahelehele 雨と風が舞い上がり サラサラと大地を打つ Onehenehe lele kula

          クムリポ /九番目の時代

          クムリポ /八番目の時代

          KA WA EWALU(8) 可愛い子が 小さくここに O kama auli[‘i], auli[‘i] anei 沢山の 夜の時代の子 O kama i ke au o ka po kinikini 遠い夜の 波に乗る子ども O kama i ke au o ka po he‘enalu mamao 芽生えるように 人は生まれた Hanau kanaka o mehelau 狭い流れから 人が生まれた Hanau kanaka ia Wai‘ololi 広い流れ

          クムリポ /八番目の時代

          クムリポ /七番目の時代

          KA WA EHIKU(7) 山の上を 畏れが包む O kau ke anoano, ia‘u kualono 夜の時を 滑り降り He ano no ka po hane‘e aku 夜の時に ここへ来る He ano no ka po hane‘e mai 夜の時に 彼らは満ち He ano no ka po pihapiha 厳かに その端々で He ano no ka ha‘iha‘i 高地に 恐ろしい傷をつける He weliweli ka nu‘u a

          クムリポ /七番目の時代

          クムリポ /六番目の時代

          KA WA EONE(6) 多くのカヒリが 背に広がり O kupukupu kahili o kua ka mano 禁忌を満たし 地が耕される O kuku ka mahimahi, o ka pihapiha kapu 泥を掻いて 走り回れば O ka holo [a]na kuwaluwalu ka linalina 草が芽を吹く 助けになる Holi [a]na, ho‘omaka, ho‘omakamaka ka ‘ai 川が 陸に上がり Ka ‘ai ana

          クムリポ /六番目の時代