見出し画像

クムリポ /十三番目の時代

KA WA UMIKUMAMAKOLU

 〜 HE LALA NO KA WA UMIKUMAMALUA
十二番目の時代の一つのさし枝

(13)

パリクー(そびえる崖)を夫に パリハイ(語られる崖)が妻となった
Paliku ke kane Paliha‘i ka wahine

Palika‘a(パリカア:支払われた崖)-- Palihiolo(パリヒオロ:逆さまの崖)
Lakaunihau(ラーカウニハウ:憤りの日なた)-- Keaona(ケアオナ:透き通るシラミ)
Nalaunu‘u(ナラウヌウ:高地に広がる)-- Pu‘ukahalelo(プウカハレロ:舌先に傷ついた丘)
Kapapanuinuiauakea(カーパパヌイヌイアウアーケア:無数の地層)-- Ka‘ina‘inake[‘]a(カイナイナケア:持ち上がりさえぎる)
Kapapaku(カーパパクー:地層[/模索]が現れた)-- Kapapamoe(カーパパモエ:横たわる地層)
Kapapaluna(カーパパルナ:上へ向かう地層)-- Kapapailalo(カーパパイラロ:下へ向かう地層)
‘Olekailuna(オレカイルナ:高く海のない)-- Kapapapa‘a(カーパパパア:がっしりした地層)
Kapapanuialeka(カーパパヌイアレカ:呑みほしていく地層)-- Kapapahanauua(カーパパハーナウウア:雨の生まれる地層)
Kapapanuikahulipali(カーパパヌイカーフリパリ:崖に変わる地層)--Kapapai'anapa(カーパパイアナパ:平らでない地層)
Kapapnuiakalaula(カーパパヌイアカラウラー:のびのび広がる無数の地層)--Kapapaholahola(カーパパホラホラ:開かれた地層)
Kapapaki‘ilaula(カーパパキイラウラー:広げられた地層)-- Kapapaiakea(カーパパイアーケア:見渡す限りの地層)
Kapapai‘aoa(カーパパイアオア:唸る地層)-- Kapapapoukahi(カーパパポウカヒ:一つの尾根となる地層)
Kapapauli(カーパパウリ:青い地層)-- Kapapapoha(カーパパポハー:破れ裂ける地層)

カーパパパフ(突き出される地層)が 初めに生まれ
[Hanau] o Kapapa-pahu ka mua
カポーヘエナル(夜を滑る波)が 後に続いた
Ka-po-he‘enalu mai kona hope noho
カポーヘエナルを夫に カマウリカイナイナ(青い征服の洞)が妻となった
Ka-po-he‘enalu ke kane Kamaulika‘ina‘ina ka wahine

Kaho‘okokohipapa(カホオコーコーヒパパ:地をならしていく)-- Mehakuakoko(メハクアコーコー:カギケノリの背のしじま)
Papa‘iao(パパイアオ:ピシャリと打つ光)-- Mauluikonanui(マウルイコナヌイ:無数に広がっていく)
Papahe‘enalu(パパヘエナル:波に乗る平地)-- Hanauna(ハナウナ:ひとつの世代)

プウカホヌアラニ(空の大地の丘)と リアイクーホヌア(大地の願い)が 中に生まれ
Hanau a iloko o Pu‘ukahonualani o L‘iaikuhonua,
オホマイラー(日当たりの芽生え)が 後に続いた
o kona muli mai, o Ohomaila
オホマイリ(引き継ぐ芽)を夫に ホヌアカウ(現れた大地)が 妻となった
Ohomaili oke kane Honuakau ka wahine

Kehaukea( ケハウケア:透明な冷たい風)-- Kualeikahu(クーアレイカフー:ふくれ上がり強く波立つ)
Mohala(モハラ:過ちを解かれて)-- Lu‘ukaualani(ルウカーウアラニ:私達は空に沈む)
Kahakuiaweaukelekele(カハクイアヴェアウケレケレ:縫いつけられる沼地の傷)-- Hi
nawainonolo(ヒナワイノノロ:満ち満ちた水は下に落ちる)
Kahokukelemoana(カホクケレモアナ:広大な沼地の満月)-- Hinawai‘oki (ヒナワイオキ:水に切り取られたヒナ[月])
Mulinaha(ムリナハー:ひび割れた後の)-- ‘Ipo‘i(イーポイ:蓋を語る)

ラウミハ(しじまの広がり)が 女として生まれ
Hanau o Laumiha he wahine,
ケカハクアラニ(空の裏地の傷痕)に住んだ
i noho ia ke Kekahakualani
カハウラ(赤いかき傷)が 女として生まれ
Hanau o Kaha‘ula he wahine,
クーフリホヌア(向きを変えた大地)に住んだ
i noho Kuhulihonua
カハカウアココ(戦いの血)が 女に生まれ
Hanau o Kahakauakoko
クーラニエフ(空へ立つ飛沫[しぶき])に住んだ
i noho ia Kulani‘ehu
ハウメアが女に生まれ
Hanau o Haumea he wahine,
カナロア(海神)と結ばれた
i noho ia Kanaloa-akua
クーカーウアカヒ(たった一つの雨に変わる)が 男に生まれ
Hanau o Kukauakahi he kane,
クアイメハニ(こすれる熱)を 妻に結ばれた
i noho ia Kuaimehani he wahine
カウアフリホヌア(逆さの大地の戦い)が 生まれた
Hanau o Kauahulihonua
ヒナマノウルアエ(上に広がる無数の落下)が 女に生まれた
Hanau o Hinamanoulua‘e he wahine
フーフネ(ほっそりふくらむ)が 女に生まれた
Hanau o Huhune he wahine
ハウヌウ(高地の冷たい風)が 女に生まれた
Hanau o Haunu‘u he wahine
ハウラニ(昇り降り)が 女に生まれた
Hanau o Haulani he wahine
ヒーカープアナイエア(試みる花のよろめき)が 女に生まれ 
Hanau o Hikapuana[‘]iea he wahine,
それを ハウメアが見た
[‘]ike ia Haumea,
それは ハウメアからのもの
o Haumea no ia

ハウメアの体をなした 驚くべき八つの地
O Haumea kino paha‘oha‘o, o Haumea kino papawalu
ハウメアに触れ合った 数えきれないものごと
O Haumea kino papalehu, o Haumea kino papamano
とてもとても 沢山溢れる体によって
I manomano i ka lehulehu o na kino
ヒーカープアナイエアは 空の胸に抱かれる
Ia Hikapuana[‘]iea pa umauma ka lani
風に吹く雲は ヌウメア(高くある地)の女
Pa [‘]ilio ia wahine o Nu‘umea
大地のヌウパパキニ(沢山の層の連なり)が ヌウメアの地
O Nu‘umea ka ‘aina, o Nu‘upapakini le[‘]a honua

ハウメアによって広がる ひと続きの泉
Laha Haumea i na mo‘opuna
向こうでキオ(魚の腹子)が破れる それはロロの支払い
I‘o Ki‘o pale ka ma’i, ka‘a ka lolo
子どもであるなら ひよめきで女から生まれる
Oia wahine hanau manawa ina keiki
ロロを通って 子どもは生まれた
Hanau keiki puka ma ka lolo
女はヌウメアで 小さな暗い青[/陣痛]を続ける
Oia wahine no o ‘I‘ilipo o Nu‘umea
ムリナハー(裂かれた後)に しつらえる
I noho io Mulinaha
ロロを生む ラウミハ(しじまの広がり)が生まれた
Hanau Laumiha hanau ma ka lolo
ロロによって カハウラ(赤いかき傷)が 女に生まれた
O Kaha‘ula wahine hanau ma ka lolo
ロロによって カハカウアココ(戦いの血)が生まれた
O Kahakauakoko hanau ma ka lolo
そうして女の雨が ハウメアに注いだ
O Haumea o ua wahine la no ia
それは カナロア(海神)と結ばれた
Noho ia Kanaloa-akua
カーウアカヒ(たった一つの私達)は神として ロロから来た
O Kauakahi-akua no a ka lolo
ホオロロ(ロロの使役)が 女に生まれた
Ho‘ololo ka hanauna a ia wahine
わけなく破る生命が ロロから生まれた
Ha‘ae wale ka hanauna lolo

大地が変わって 平らになる
O Papa huli honua
空が変わって 平らになる
O Papa huli lani
生まれ開かれる 偉大な平地
O Papa nui hanau moku
ワーケア(透明な時代)が パパ(平地)と結ばれた
 O Papa i noho ia Wakea
ハアロロ(ロロの低まり)が 娘に生まれた
Hanau Ha‘alolo ka wahine
「違う」と叫んで 憎しみが生まれた
Hanau inaina ke ke‘u
口々に騙って ワーケアからパパを引き離した
Ho‘opunini ia Papa [‘]e Wakea
カウオハ(判決)が 陽の光に射した
Kauoha i ka la i ka malama
カーネの夜が 後に続いた
O ka po io Kane no muli nei
初めの夜が 撚り合わされた
O ka po io Hilo no mua ia

陸に湧き上がった 禁忌
Kapu ki paepae ka hanu‘u
ワーケアの交わりによって 建った家
Ka hale io Wakea i noho ai
空の祖が 導く禁忌
Kapu ka ‘ai lani makua
くすぐるような アペの禁忌
Kapu ka ‘ape mane‘one‘o
酸っぱく苦い 一咬みの禁忌
Kapu ‘akia ka ‘awa‘awa
 つんと匂う 虫喰いの舟で行く禁忌
Kapu ka ‘auhuhu ka mulemulea
咲き誇った 黄色い花の禁忌
Kapu ka ‘uhaloa no ke ola loa
成長したタロイモ 悲しみの禁忌
Kapu ka la‘alo manewanewa
遠く延びる 凧の尾の禁忌
Kapu haloa ku ma ka pe‘a
悠久の手探りに伸びる ハーロア(遠い生命)の生垣
Kanu ia Haloa ulu hahaloa
昼の光に照らされて ハーロアの葉が茂る
O ka lau Haloa i ke ao la

つづく
Pu—Ka—



・青い征服の洞(Kama-uli-ka‘i-na‘ina)・・・或いは「青い羊水の子」(Kama-uli-ka-‘ina‘ina)。

・カギケノリ(Koko)・・・海藻[Asparagopsis taxiformis]。匍匐茎によって多くの群落を形成する。茶褐色。

・過ちを解かれて(Mohala)・・・「病の解放」といった意。一般的な意として「開花」。

・ひよめき(Manawa)・・・乳児の頭蓋骨の泉門。骨がまだ接合されていない頭頂の柔らかな部分。

・裂かれた後(Muli-naha)・・・「処女喪失」の暗喩。

・イイリポ(小さな暗い青)・・・「陣痛」と意をなすのは、イイーリポ(‘i‘i-lipo)と歌った場合。この場合、「暗い青の陣痛」となる。“イイー”(‘i‘i )の別意として、「固く張った・引き締まった」がある。

・カーウアカヒ(Kauakahi)・・・‘カウアカヒ’と歌う場合、「たった一つの雨」(Ka-ua-kahi)、「たった一つの戦い」(Kaua-kahi)。‘カーウアカヒ’と歌う場合、「たった一つの私達」(Kaua-kahi)、‘カウアカヒー’で「流れ出て現れる影」(Kau-aka-hi)の意。

・空の祖が 導く禁忌・・・「導く」と訳を当てた「‘ai」は一般に「食べる」を指す言葉で、比喩表現として「主権を握る」といった意味がある。

・黄色い花(‘uhaloa)・・・ここでは、タパコラ[Waltheria Indica ]。アオイ科の植物。含意として「永い浪費」(‘uha-loa)、ハーロアの悲しみ(‘u-haloa)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?