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クムリポ /十六番目の時代

KA WA UMIKUMAMAONO

(16)

マーウイを夫に ヒナケアロハイラ(愛の色濃いあざのヒナ)が妻となった
Maui ke kane -- Hinakealohaila ka wahine

Nanamaoa(ナーナーマオア:雨上がりに見る)-- Hinakapa‘ikua(ヒナカパイクア:背後のヒナの罰の光)
Kula‘i(クライ:ひっくり返す)-- Hinaho‘opa‘ia(ヒナホオパイア:罰を科すヒナ)
Nanakua‘e(ナナクアエ:広がる転覆)-- Keaukuhonua(ケアウクホヌア:大地への透明な報酬)
Kapawa(カパワ:夜明け前の暗闇)-- Kukuluhiokalani(ククルヒオカラニ:空の突風と滴り)
Heleipawa(へレイパワ:夜明け前の暗闇を行く)-- Ko‘oko‘okumaikalani(コオコオクマイカラニ:暗い空の杖)
Hulumalailena(フルマライレナ:黄色いあざの羽)-- Hinamaikalani(ヒナマイカラニ:空のヒナ)
‘Aikanaka(アイカナカ:人間の糧)-- Hina‘aiakamalama(ヒナアイアカマラマ:それを食むヒナの光)

プナイムア(初めの泉)が生まれ ヘマ(隔たり)とプナ(泉)が その後に生まれた
Hanau o Punaimua, o Hema, o Puna i muli
魚の罠が仕掛けられ 長いタパが ヘマに持ち去られた
‘Aha‘i Hema i ke apuela o Luamahaheau
‘無数のヘマの裂け目’と ‘オーヒアの花を積むヒナ’が結ばれた
Hanau Kaha‘i-nui-a-Hema -- Hinaulu‘ohi‘a
ワヒエロア(長い焚き木)を夫に ホオラウカヒリ(カヒリを広げる)が妻となった
Wahieloa ke kane -- Ho‘olaukahili ka wahine 

Laka(ラカ:手なずける)-- Hikawaolena(ヒーカーワオレナ:黄色い森のよろめき)
Luanu‘u(ルアヌウ:穴と高地)-- Kapokulei‘ula(カポークーレイウラ:赤いレイの夜の嘆き)
Kamea(カメア:黄白)-- Popomaile(ポーポーマイレ:マイレの花のふさ)
Pohukaina(ポーフカイナ:憎しみの夜の錠)-- Huahuakapolei(フアフアカポレイ:押しのける子ども達)
Hua(フア:果実)-- Hikiiluna(ヒキイルナ:より高く実る)
Paunuikaikeanaia(パウヌイカイケアナイア:海に満たされた穴)-- Manokalililani(マノカリリラニ:空の多くの嫉妬)
Huanuiekalala‘ila‘ikai(フアヌイエカラライライカイ:安らかに凪いだ海の子)-- Kapoea(カポーエア:生命の上がる夜)
Paunuikuakaolokea(パウヌイクアカオロケア:透明に鳴き交わす)-- Kapuho‘okia(カプホオキア:別れの禁忌)
Haho(ハホ:ほっそりと)-- Kauwilai‘anapu(カウウィライアナプ:稲光が出る)
Palena(パレナ:境界)-- Hikawainui(ヒーカーワイヌイ:無数の川の流れ)

ハナラアヌイ(偉大で神聖な仕事)が生まれた ハナラアイキ(小さく神聖な仕事)が生まれた
Hanau Hanala‘anui, hanau Hanala‘aiki
ハナラアイキを夫に カプカプ(禁忌達)が妻となった
Hanala‘aiki ke kane -- Kapukapu ka wahine

Mauiloa(マーウイロア:永遠のマーウイ)-- Kauhua(カウフア:結ばれる果実)
Alau(アラウ:分岐)-- Moe[‘]ikeana(モエイケアナ:充分に寝て知る)
Kanunokokuheli‘i(カヌノコークヘリイ:小さな青を葬る)-- Keikauhale(ケイカウハレ:家に迎える栄光)
Lonomai(ロノマイ:その知らせ)-- Kolu(コル:三番)
Wakalana(ワカラナ:浮かぶ弧)-- Kawai(カーワイ:湯気)
‘Alo(アロ:共にいる)-- Puia(プイーア:香りが満ちる)
Kaheka(カーヘカ:水たまり)-- Ma‘ilou(マイロウ:病とかぎ針)
Mapuleo(マープレオ:急降下の旋律)-- Kama‘eokalani(カマエオーカラニ:空から「ここにいる」と呼ぶ子ども)
Paukei(パウケイ:満ちる栄光)-- Painale‘a(パイナレア:上がる力の喜び)

ルアコア(勇敢な同胞)を夫に ヒナアポアポ(取り押さえるヒナ)が妻となった
Luakoa ke kane -- Hina‘apo‘apo ka wahine

Kuhimau(クヒマウ:想像を続ける)-- Kaumana(カウマナ:奇跡の力が現れる)
Kamaluohua(カマルーオフア:子どもが産まれ落ちる)-- Kapu(カプ:禁忌)
Lo‘e(ロエ:釣針の曲がり)-- Waoha‘akuna(ワオハアクナ:茂みを行く帆船)
Kahokuohua(カホークーオフア:果実の星)-- Hikakauwila(ヒーカーカウウィーラー:風鳴りに太陽はかかる)
Kaka‘e(カカエ:崖のへり)-- Kapohanaupuni(カポーハーナウプニ:取り巻かれ生まれる夜)
Kaulahea(カウラーヘア:立ち込める臭い匂い)-- Kapohauola(カポーハウオラ:健康に横たわる夜)
Kahekili(カヘキリ:流れる雨だれ)-- Hauanuihoni‘ala(ハウアヌイホニアラ:寒けは香りに口づける)

‘陸へ向かう時代’が生まれ ‘脈打つ彼が住む偉大な沼地’が妻となった
Hanau o Kawauka‘ohele, o Kelea-nui-noho-ana-‘api‘api, he wahine
カラマクア(親類との出会い)が 沼地に結ばれた
Noho (Kelea) ia Kalamakua
ライエロヘロヘ(耳を澄ます静けさ)が生まれ ピイラニ(空に向かう)と結ばれた
Hanau La‘ielohelohe, noho ia Pi‘ilani,
ピイケア(透明に向かう)が生まれた
hanau Pi‘ikea
十番がピイケアと結ばれた クマラエヌイアウミ(十番の偉大な額)が生まれた
O Pi‘ikea noho ia ‘Umi, [hanau] o Kumalae-nui-a-[‘]Umi
崖から追われた愛が 思い出される
Nona ka Pali haili kauwa
クマラエヌイアウミを夫に クムヌイプアワレ(ささやかな花の無数の起こり)が妻となった
Kumalaenui-a-‘Umi ke kane, o Kumunuipuawale ka wahine
マクア(親類)を夫に ただ一つの女性から分かれる
Makua ke kane, ka wohi kukahi o ka moku
カポーヘレマイ(ここを行く夜)を妻に 禁忌を治める女性が畏れとなる
Kapohelemai ka wahine, he wohi ali‘i kapu, ka ho‘ano
海辺に打ち上がる分かれは 最も素晴らしい 人類に捧ぐ
O ‘I, ia ‘I ka moku, ka haina kanaka
多くを囲う 安らかな地(食事)
Ke kaulana ‘aina i Pakini
オーヒアの花が咲く ハワイの島々が縫われる
Ka ‘ohi‘a ko, ke ku‘ina o ka moku o Hawai‘i
積み重ねて 積み重ねて語った
Ia Ahu, ia Ahu-a-‘I,
それはロノ(記憶)
ia Lono
ロノイカマカヒキ(目にした記憶)が 戻られました
Ia Lono-i-ka-makahiki ho‘i






・カヒリ(Kahili)・・・王を象徴する、棒の先に鳥の羽をつけた飾り。

・マイレ(Mile)・・・ ハワイに古くから自生する植物。オリーブに似た果実をつける。ハワイで神聖視され、香草として冠婚葬祭に用いる。平和の象徴。[Alyxia stellata]。

・ほっそりと(Haho)・・・‘ハーホー’(Ha-ho)と歌った場合、「送られる生命」。

・口づける(honi)・・・別意として「こすって火をつける」。

・オーヒア(‘Ohi‘a)・・・赤い房状の花弁をつける花[Metrosideros polymorpha]。ハワイで神聖視され、ハワイ島の島花に指定されている。オーヒア ・レフアとも。

・海辺に打ち上がる分かれは 最も素晴らしい・・・直訳で「語った、島(分断)について語った」。訳文ではカオナ(暗喩)の意を尊重した[‘Oi, ia ika moku]。

・ロノ(Lono)・・・ ハワイの豊穣の神。雨とともにやって来るとされ、マカヒキ(後註)の期間中に祀られる。訳文は直意。

・マカヒキ(Makahiki)・・・ハワイの新年。日没後、マカリイ(すばる)がすぐ水平線に昇る時期の新月から数えて四ヶ月の休息期間を指す。十月〜十一月から始まり、ハワイの雨季の重なりに合わせて一年の豊穣が願われる。祭神はロノ。マカヒキ期間中は安息を守り、戦争を含むあらゆる労働作業がカプ(禁忌)とされた。

・ロノイカマカヒキ(Lono-i-ka-makahiki)・・・「マカヒキのロノ」の意(マカヒキとロノは、それぞれ前註を参照)。新年に祝われるロノ神のこと。訳文は直意(Lono-i-ka-maka-hiki)。
考えうる含意に「針をかける一人の子どもの記憶」(Lono-i-kama-kahi-ki)、「すべての異国の漂流の記憶」(Lono-ika-ma-kahilki)、「最愛の場所を願い到着した虫」(Lo-noi-ka-maka-hiki)。

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