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ASD×境界性パーソナリティ障害! 複雑な感情のパズルを解く方法

ASD(自閉スペクトラム症)と
境界性パーソナリティ障害(BPD)は、
どちらも日常生活に大きな影響を及ぼす精神障害です。

この二つが併発する場合、どのような生きづらさを
抱えることになるのでしょうか?

この記事では、ASDとBPDの症状や関係性、
併発した場合の影響、そして共通する
対処法について考えていきます!


境界性パーソナリティ障害とは?

境界性パーソナリティ障害(BPD)は、
感情が不安定で、人間関係が激しく
揺れ動きやすい精神疾患を指します。

特に「見捨てられ不安」と呼ばれる
強い恐怖感が特徴的です。

これは、誰かに見捨てられるのではないか
という強い不安感で、人との関係がうまく
いかなくなる原因の一つです。

例えば、友人が少しでも距離を置いたり、
返事が遅れたりすると、
自分はもう大切にされていない」と感じ、
過剰な反応をしてしまうことがあります。

このような不安から、
相手を試すような行動(自傷行為をする)を取ったり、
逆に自分から関係を断つこともあり、
結果として人間関係が不安定になりやすいのです。

こうした症状は、本人にとって非常に
苦痛であり、日常生活に大きな影響を及ぼします…

ASDと境界性の関係性

共通点は?

ASDとBPDには、共通する特徴があります。

例えば、どちらの障害も感情の
コントロールが難しい点です。

ASDの人々は社会的な暗黙のルールを
理解するのに苦労しがちで、
そのために社会的な交流がスムーズに
いかないことがあります。

一方、BPDの人々は他者との関係が
不安定になりやすく、これもまた社会生活に
支障をきたす原因となります。

また、自己イメージの揺らぎや、
自分がどうあるべきか分からなくなる点も、
両者に共通する特徴です。

両者共に「白黒思考」を持っている
傾向があるみたいですね。

白黒思考二関しては以下の記事で解説しました↓

相違点は?

しかし、ASDとBPDにははっきりとした
違いもあります。

ASDの人々は、特定の興味に強く集中し、
反復的な行動をとりがちです。

一方、BPDの人々は、感情が急激に変わりやすく、
ときに自己破壊的な行動に走ることもあります。

さらに、ASDの人々は一般的に他者との距離を
保つことを好むのに対し、

BPDの人々は他者に強く
依存する傾向があります。

これらの違いは、診断や治療において特に
重要なポイントとなるでしょう。

併発すると...

感情の調整がさらに難しくなる?

ASDとBPDが併発すると、感情の調整が
さらに難しくなる可能性があります。

ASDの影響で感情の理解や表現が難しい上に、
BPDの影響で感情が激しく揺れ動くため、
両者が重なることで、感情のコントロールが
一層困難になることがあります。

このような状況では、些細な出来事が
絶大なストレスとなり、生活に大きな影響を
与える可能性があるでしょう。

社会的な孤立が進む?

また、ASDとBPDが併発すると、社会的な孤立が
進むことがあります。

ASDの人々は社会的な状況において疲れやすく、
BPDの人々は人間関係において
不安定さを感じやすいため、結果的に他者との
関わりを避けるようになるでしょう。

これが進行すると、社会的な孤立感が深まり、
ますます自分の殻に閉じこもるような
生活になりかねません。

ASDと境界性に共通する対処法!

1. 感情の記録をつける

感情日記をつけることは、日々の心の動きを
客観的に見つめ直すための有効な手段です。

ASDやBPDを持つ方々は、感情の波が激しいことが多く、
その原因やパターンを理解するのが
難しいことがあります。

そこで、感情の記録では、日々感じた感情を
具体的に書き留め、その感情を引き起こした
出来事や状況も一緒に記録します。

たとえば、
「今日は学校で忘れ物をしてしまい、
強い不安を感じた。先生に怒られるのが怖かった。」
といった具合です。

このように感情と出来事を結びつけて記録することで、
自分の感情の動きや、どのような状況で特定の感情が
引き起こされやすいかが見えてきます。

この記録を続けることで、感情のトリガー(引き金)となる
要因を把握でき、同じような状況が再び起きたときに、
過剰な反応を避けて冷静に対処できるようになるのです。

さらに、感情の記録を見返すことで、
自分がどのような時にポジティブな感情を
持てたかも確認できます。

これにより、自分にとって良い影響を与える
出来事や行動を増やすことができ、日常生活における
感情の安定にも繋がります。

スマホアプリなどで簡単に取り組めるので、
ぜひ挑戦してみてください!

2. 呼吸法を取り入れる

呼吸法は、簡単かつ効果的なストレス管理の
手段として有名です。

特にASDやBPDの方々にとって、
感情のコントロールが難しい状況で
呼吸法を使うことで、気持ちを落ち着ける手助けになります。

深い呼吸を意識的に行うことで、
自律神経系が整えられ、
心と体の緊張が和らぐでしょう。

例えば、「4秒吸って、4秒止めて、4秒で吐く」という
444呼吸法を実践すると、過度の不安や緊張を
緩和することができます。

この呼吸法は、心拍数を下げ、リラックスした
状態を促進するため、感情が高ぶったときや
ストレスを感じたときに特に効果的です。

呼吸法の良い点は、どこでもすぐに
取り入れられること。

通勤中や仕事中、さらには家庭内の困難な状況でも、
意識的に深呼吸を行うことで、自分を
落ち着かせることができます。

日常的に呼吸法を取り入れることで、
感情の急激な変動を抑える助けとなり、
より安定した心の状態を保つことができるでしょう。

3.自己肯定感を育む練習

自己肯定感を育むことは、ASDやBPDの方々にとって、
自己ケアの重要なポイントです。

自己肯定感とは、自分自身を価値ある存在として
認める感覚
のことで、これが強くなることで、
日常生活で感じる不安や孤独感を和らげる力になります。

たとえば、日々の中で
「今日は時間通りに仕事を終えることができた」
「嫌なことがあったけれど、落ち着いて対処できた」
といった小さな成功体験を見つけることが大切です。

脳が瞬時に「サイン」を出す出来事でも
肯定的に受け止め、自分を褒めることで、
徐々に自己肯定感が育っていきます。

感情の揺れが激しい時でも、
冷静に対処するための力を養うことが
できるはずです!

さらに、この自己肯定感を育むために
効果的な方法として「三行ポジティブ日記」があります。

このワークは、毎日寝る前にその日にあった
ポジティブな出来事を3つ書き出すという
シンプルなものです。

たとえば
・「美味しい食事を楽しんだ」
・「友人から励ましの言葉をもらった」
・「自分の好きな趣味に時間を使えた」など、
些細なことで、構いません。

海外の研究でも、これを続けることで
幸福度が高まり、抑うつ度が低下するという
データが報告されています。

この日記を続けることで、自分の中にある
ポジティブな面に気づきやすくなり、
自己肯定感を自然と高めていくことができるでしょう。

そして、その結果として、感情が安定しやすくなり、
ASDやBPDの方々にとって
生きやすくなることが期待されます。

まとめ

ASDとBPDが一緒にあると、感情の調整が難しくなったり、
孤立感が強くなったりすることがあります。

しかし、今回紹介した対処法を実践することで、
少しずつ楽に生きれるようになります!

自分に合った方法を見つけて、
継続していきましょう。

ここまで記事を読んでくれて
ありがとうございました!

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