Jun Yamamoto

ピアノを飯田喬子、作曲を野田暉行に師事。2016年に「戦争が廊下の奥に立ってゐた~トラ…

Jun Yamamoto

ピアノを飯田喬子、作曲を野田暉行に師事。2016年に「戦争が廊下の奥に立ってゐた~トランペット独奏のための」が曽我部清典氏により初演された。2023年には「いざ出でむ雪見にころぶ所まで~邦楽七重奏のための」「ディナミカ・インプルシヴァ~オーケストラのための」が初演された。

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  • Jun Yamamoto 音楽を語る(2)

    クラシック音楽のいいとこどりをして語ります。

  • Jun Yamamoto 音楽を語る

    音楽を語ります。具体的に詳細に、譜面を示して語ります。めっちゃ語ります。

記事一覧

R=Strauss "Don Quixote"

二つに分かれて、一方は半音で上昇し、一方は通常の解決をする属七の第七音。

Jun Yamamoto
6か月前
1

Schoenberg "Verklärte Nacht" Op.4

シェーンベルクの「浄められた夜」でもっとも印象的な増三和音。 KM先生に教えていただいた、ベートーベンにおける第3音上の属和音使用の先行例

Jun Yamamoto
6か月前

Ravel "Scarbo" from "Gaspard de la nuit"

Ravelのスカルボの35小節目。メロディの二拍目はEで、左手も二拍めまでEなのに、突然3拍目以降がE#になるのがどうしても解せない。メロディはD#のフリジアン。このEがE#に…

Jun Yamamoto
6か月前

オーケストラ・プロジェクト2023 東京オペラシティ コンサートホールにて、山本準『ディナミカ・インプルシヴァ~オーケストラの…

今年のオーケストラ・プロジェクトは東京オペラシティ コンサートホールにて、山本準の『ディナミカ・インプルシヴァ~オーケストラのための~』が初演です! オーケスト…

Jun Yamamoto
6か月前

Richard=Strauss Violin Sonata op.18 Movt. 2

リヒャルト=シュトラウスのヴァイオリンソナタ作品18は、第二楽章のこの部分をどのくらいいやらしくルバートするかで、演奏の質が違ってくる。

Jun Yamamoto
6か月前

冒険者たち(Les Aventuriers)1967 のテーマ

冒険者たち(Les Aventuriers)は小学生の時にみて、強烈な印象を受けました。当時、ピアノの練習はそっちのけで、歌謡曲などの自己流ピアノに邁進していた私は、ほとんど…

Jun Yamamoto
6か月前

TVドラマ「合理的にあり得ない」テーマ

このテーマ音楽は実にキャッチ―です。ほんのちょっとの間、属調に転調するだけなんですが、大変効果的です。作者は音楽担当の眞鍋昭大さんですよね?

Jun Yamamoto
6か月前
2

Chopin Scherzo No.3

Meno mossoから後の、キラキラした加工音型。上段はただ、分散和音を両手のユニゾンにしたもので、下段がショパンのオリジナル。右手だけに○印の部分倚音ないし経過音を配…

Jun Yamamoto
6か月前

Beethoven Piano Concerto No. 4 Movt. 2

減七和音の連続にすぎないのだが、ベートーベンにしては(失礼)繊細な進行。

Jun Yamamoto
6か月前

Jun Yamamoto/ "Ruins/Dusk/Shadows" for Piano and Max

動画が公開になりました。 日本の作曲家2022 世の終わりに寄せて-メシアン没後30周年- 第1夜 acoustics の拡張  2022年10月31日(月)東京オペラシティリサイタルホー…

Jun Yamamoto
6か月前
3

Jun Yamamoto Digamma for Orchestra (Video Available)

山本準作曲「ディガンマ~オーケストラのための」の動画がYouTubeで公開されましたのでお知らせします。 演奏は山下一史指揮、愛知室内オーケストラ、昨年(2022年)11月2…

Jun Yamamoto
1年前
1

Mahler Symphony No.4 Movt. 3

マーラーの第4交響曲。第3楽章、練習番号7の直前の第二ヴァイオリンとヴィオラ、F# E D# C# B A と降りてくるところ、伴奏はB#を含んでいるけれども明らかにAmの和音であ…

Jun Yamamoto
1年前

Haydn String Quartet in D major, Hob.III:63 Movt. 1

和声的に興味深い、ハイドンの弦楽四重奏「ひばり」"Lark"からのパッセージ。

Jun Yamamoto
1年前

BoA メリクリ

某氏に指摘された、BoAさんの「メリクリ」(2004)の転調問題。サビの「ずっと~ずっと~」に入る直前のコード進行だが、 主部はキーGbで、Db Eb Ab と動いてサビのAbメジ…

Jun Yamamoto
1年前
1

J. S. Bach Well-Tempered Klavier Book 1. Fugue h moll BWV869

このフーガは大変複雑である。テーマからしてすべて倚音とその解決の組み合わせになっている。 この答唱が、本来属調で、5度高く(4度低く)出て、冒頭二つの音については…

Jun Yamamoto
1年前

Saint-Saëns Piano Concerto No.5, Op.103 Movt. 2

サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト」の第二楽章で、ピアノがフシギな音で演奏するところ。長三和音を平行移動させているだけなのだけれど、左手の根音をmfにして…

Jun Yamamoto
1年前
R=Strauss "Don Quixote"

R=Strauss "Don Quixote"

二つに分かれて、一方は半音で上昇し、一方は通常の解決をする属七の第七音。

Schoenberg "Verklärte Nacht" Op.4

Schoenberg "Verklärte Nacht" Op.4

シェーンベルクの「浄められた夜」でもっとも印象的な増三和音。

KM先生に教えていただいた、ベートーベンにおける第3音上の属和音使用の先行例

Ravel "Scarbo" from "Gaspard de la nuit"

Ravel "Scarbo" from "Gaspard de la nuit"

Ravelのスカルボの35小節目。メロディの二拍目はEで、左手も二拍めまでEなのに、突然3拍目以降がE#になるのがどうしても解せない。メロディはD#のフリジアン。このEがE#になるタイミングと声部がどうしても気になる。

C#7に持っていくにしてもせめてもう少し待てなかったのか。オリジナル(A)だと対斜感があるから、せめて(B)のようにでもできなかったのか。

あるいはもう一つ早くE#にしてしまえ

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オーケストラ・プロジェクト2023 東京オペラシティ コンサートホールにて、山本準『ディナミカ・インプルシヴァ~オーケストラのための~』初演予定

オーケストラ・プロジェクト2023 東京オペラシティ コンサートホールにて、山本準『ディナミカ・インプルシヴァ~オーケストラのための~』初演予定

今年のオーケストラ・プロジェクトは東京オペラシティ コンサートホールにて、山本準の『ディナミカ・インプルシヴァ~オーケストラのための~』が初演です!

オーケストラ・プロジェクト 2023「リゲティ生誕100年、ラフマニノフ生誕150年、ロマンの断絶を超えて」

2023年12月1日(金) 開場18:30 開演19:00
東京オペラシティ コンサートホール(京王新線「初台駅」東口下車徒歩5分)

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Richard=Strauss Violin Sonata op.18 Movt. 2

Richard=Strauss Violin Sonata op.18 Movt. 2

リヒャルト=シュトラウスのヴァイオリンソナタ作品18は、第二楽章のこの部分をどのくらいいやらしくルバートするかで、演奏の質が違ってくる。

冒険者たち(Les Aventuriers)1967 のテーマ

冒険者たち(Les Aventuriers)1967 のテーマ

冒険者たち(Les Aventuriers)は小学生の時にみて、強烈な印象を受けました。当時、ピアノの練習はそっちのけで、歌謡曲などの自己流ピアノに邁進していた私は、ほとんどの曲はドミソ、レファラ、ミソシ…シレファ、ときにはミソ#シの和音で伴奏できることを発見していたのですが、この映画のテーマは一筋縄ではいかなかった。クールな転調が続くのです。これを弾くことはさっぱりあきらめましたが、あの時もっと

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TVドラマ「合理的にあり得ない」テーマ

TVドラマ「合理的にあり得ない」テーマ

このテーマ音楽は実にキャッチ―です。ほんのちょっとの間、属調に転調するだけなんですが、大変効果的です。作者は音楽担当の眞鍋昭大さんですよね?

Chopin Scherzo No.3

Chopin Scherzo No.3

Meno mossoから後の、キラキラした加工音型。上段はただ、分散和音を両手のユニゾンにしたもので、下段がショパンのオリジナル。右手だけに○印の部分倚音ないし経過音を配してキラキラ感を出している。ちょっとしたことなんだけど、効果絶大のショパンマジックである。

Beethoven Piano Concerto No. 4 Movt. 2

Beethoven Piano Concerto No. 4 Movt. 2

減七和音の連続にすぎないのだが、ベートーベンにしては(失礼)繊細な進行。

Jun Yamamoto/ "Ruins/Dusk/Shadows" for Piano and Max

動画が公開になりました。
日本の作曲家2022 世の終わりに寄せて-メシアン没後30周年-
第1夜 acoustics の拡張  2022年10月31日(月)東京オペラシティリサイタルホール から
山本 準
「廃墟/薄暮/影」 ピアノとMAXのための
大崎 結真(Pf)
北爪 裕道(エレクトロニクス)
(曲目解説)
この曲はもともとピアノ独奏のための「幻想詩集」として構想され、後にエレクトロニクス

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Jun Yamamoto Digamma for Orchestra (Video Available)

山本準作曲「ディガンマ~オーケストラのための」の動画がYouTubeで公開されましたのでお知らせします。

演奏は山下一史指揮、愛知室内オーケストラ、昨年(2022年)11月2日にサントリーホール大ホールで行われました。初演です。

Mahler Symphony No.4 Movt. 3

マーラーの第4交響曲。第3楽章、練習番号7の直前の第二ヴァイオリンとヴィオラ、F# E D# C# B A と降りてくるところ、伴奏はB#を含んでいるけれども明らかにAmの和音であるだけに F# E D C B A でないところが、調性をあいまいにしていますね。

Haydn String Quartet in D major, Hob.III:63 Movt. 1

和声的に興味深い、ハイドンの弦楽四重奏「ひばり」"Lark"からのパッセージ。

BoA メリクリ

某氏に指摘された、BoAさんの「メリクリ」(2004)の転調問題。サビの「ずっと~ずっと~」に入る直前のコード進行だが、 主部はキーGbで、Db Eb Ab と動いてサビのAbメジャーに転調する。

ここがトリッキーに聞こえるのは、Dbが主調の属和音であるのに対し、これを下属和音とみなしてEbーAbと動いて転調するので、ちょっと不思議な感じがするのだと思う。

J. S. Bach Well-Tempered Klavier Book 1. Fugue h moll BWV869

このフーガは大変複雑である。テーマからしてすべて倚音とその解決の組み合わせになっている。

この答唱が、本来属調で、5度高く(4度低く)出て、冒頭二つの音については変応し、終結部も原調に戻るために変化するのはいいとして、途中から4度高く(5度低く)なっている。この変化はよくあることなのかどうかが気になる。

この部分なんかは、和声音はバスのDだけで、上三声は全部倚和音である。

反復進行の部分はす

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Saint-Saëns Piano Concerto No.5, Op.103 Movt. 2

サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト」の第二楽章で、ピアノがフシギな音で演奏するところ。長三和音を平行移動させているだけなのだけれど、左手の根音をmfにして、右手の倍音部分をppにしてあるので、ピアノじゃないような音がする。

【追記】これ、左手のト音記号が落ちてるよね。