栗田隆子『ハマれないまま、生きてます』(創元社)には、剥き出しの、生の言葉が刻まれている。ゴリゴリという音を軋みながら、読み手の皮膚から肉へ、肉から骨へと染み込んでくる。しかし、そうした侵食によって、きっと多くの「ハマれないまま」生きる人々が、命を救われることになるだろう。