君が「お月さま!」って見付けてくれた。 「まいにち」の隙間で輝く夜月は、雲を縁取って優しく微笑んでいるみたいだった。
空から宙へ。 君のことを想いながら「まいにち」が終わる。 しあわせでシアワセな、まいにち。
君を見つけるたびに僕は想う。 曖昧な空と優しい宙が、僕をいつでも見守っているんだって。
君をずっと追いかけていた。 優しい霞をまといながら、宙色の背景に飾り付けられていくみたいだった。頬を刺すような冷たい光となった君は、僕とは似ても似つかないくらい、とてもとても、綺麗だった。
薄く、微笑む月を見ていた。 「こんなお月さま、初めて見たよ。」そう言った僕は気が付いた。 この宙はひとつしかない。そして、どこまでも続いていることに。
目まぐるしく移り変わる空模様。 君と僕は、雨と雨の隙間に虹を描いて、宙まで届くように大きな声で叫んだ。 「わたしたちは。僕たちは。ここに居るんだ。」って。