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20240509「宙の底」

白と黒の
そしてその淡いに立って
その中間らしさの混ざりけで
立ち止まり
またとぼとぼ歩く
右に行ったら
左に行ったら
わたしは転がり
奈落に落ちるのだろう
それでいて周りをぐるりと
捜査して
紡がれる証拠をありありと
見つけている
だがそれを収集することはない
それはそれとして
既に在っているのだから

捨て置いてあったから
誰も見向きもしないし
誰も拾おうともしない
わたしには関係ないのだと
そう思っていた時に
見つかるのは
いつかのことの残片
泥の中から
風の中から
炎を照らし
水に塗れ
たらした一滴を受け取る
梅花皮を滲ませ
既に終わっていることを
確と了承しているはず
遇いながら捨象している

影を向こうに
そして回り込んだそれを
中心の先へと回転している
宙の底
薄靄の上から
柔らかいひかりが刺す
射抜かれた残影を過ごし
網膜の表面で受け取って
からからになった地面を
素足で乗せる
誰のことでもあるのなら
合切を持ち込んで
わたしになれないわたしを
その中へ注いでおこう
欠片のどこかを
誰かが探している

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