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20240413「水の宙返り」

緑の中に飛び込み
泡にまみれ
息継ぎもせずに
そのまま潜る
しばらくすれば
視界が開けるだろうけれど
底に着くことはないだろう
そう感じたなら
そこで振り向き
蜻蛉返りで
上昇する
息が続かないのに
目も開けられず
空を目指すばかり
ぷはっとはいて
また飲み込む
辺りは静かなのに

浮かんでいる雲を見上げて
波に揺られ
わたしのボートは
小さなお椀
小さな櫂もないのだけれど
湾曲に寝そべって
日がな一日を過ごす
どこに行ってもいい
流されるまま
流されないまま
ふっと浮かぶ
島からの伝令
もしくは封書の印
反射するものを集め
わたしのどこかで
ふつふつと呼吸しつつ
青さを身体へ写している

照り返る日差しで
焼けた肌に黒さを認める
もうそんな季節でもあるまいし
それでいて反対側では
季節が違うと聞く
であるならどこへ行ってもいい
その手を動かし
その足で見つめればいい
どれもがわたしたちのこと
どれもがわたしたち以外の物ごと
視野の狭さに往生するが
それさえあればいいのだと
どこかで思っている
宙を与え受け取るひかりを反射して
影を追い越そうと続けている
我に返るとちゃぷんと揺れて
目覚めたばかりの水の音

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