ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!(4)

「なにを眠たいこと言うとんじゃこんボケがァ! 寝言じゃったら寝かしつけたるけえ寝てから言わんかい!」

 渡世の親からの鋭いビンタが、宇品の頬を襲った。文句は口にも顔にも出さない。当然予見していたことだった。
 赤茶の明るい髪をツインテールにまとめた宇品より小柄なこくどう──元町天神会直系紙屋組組長、紙屋みのり。天神会一の武闘派である。

「そのへんにしたれや、紙屋の姉妹(しめぇ)よ。宇品は会長の

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エタり小説よろず請負! 短編仕立人 勅使河原まゆり『異世界転生ファンタジー編』

「さあ、勇者ケイよ! 魔王を倒し、この世に平和をもたらすのだ!」
 王から下賜された言葉に、俺はなんだか誇らしい気持ちになった。トラックに撥ねられてよくわからない異世界に送り込まれたと知った時はどうしたものかと思ったが、世の中捨てる神あれば拾う神ありだ。
「伝令ーッ! 火急の伝令にございます!」
 王宮の間に、泥と汗にまみれた兵士が飛び込んできたのは、その次の瞬間だった。王は訝しげにその兵士を見た

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六人の孔明、一人は熊猫。

その日、蜀の丞相・諸葛亮孔明は、自分の寝所に見慣れぬ女が腰掛けていることに気づいた。

「誰ですか、あなたは」

 孔明はその場に立ち止まり、冷静に言った。もう十数年より前になったが、女を使った連環刑なる企みによって一人の暴君が死ぬことになったことを、彼はよく覚えていた。不用意に近づくのは危険だ。

「わたしは、あなたね」

 女は妙にキンキンする甲高い声でそう言った。仙人か妖怪の類であろうか。そ

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今日からエスコバル!

その木が植わっていたのは、どうってことない空き地の一角だった。
 僕は不動産会社の一社員。長野県熊沢市。一地方都市の建物と建物の間、細い私道を通った先の、だだっ広い空き地。
 不動産の常識として、通りに面してない土地というのは、大概価値がないものとして扱われる。地方都市の郊外ともなると、不動産の所有者が誰かわからないなんてことはザラで、それが建物まで及ぶと解体できない廃墟の出来上がりだ。この土地は

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24時間耐えきれますか!?

「クソーッ! 航空支援はまだか、イリヤ!」

 CIA特別捜査官であるライアンはままならない状況に苛立ちながら叫ぶ。港湾区に広がる倉庫街、その1ブロックがとあるテロリストによって占拠されたという報告を受けてからまだ四十五分だ。

『大丈夫よ、ライアン。アルファチームが急行しているわ。到着次第、ヘリからの火力支援をすぐ──』

「グウーッ!!」

 ライアンは突如腹を抑え、苦しみ出す! 無理もないこ

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創作に対する反応が少なくて落ち込んでいる私の叫びを聞いてほしい。

このタイトルにつられてきたってことは、あなたも何かしらの創作をされているってことですかね?どうなんでしょうね。いまや漫画、小説、Youtube、ブログ、生配信、Instagram、作曲、、、意外とこの世の中って素人たちが作った創造物であふれているんですよね。私も、いちジャンルで小説の書き手をやっておりまして、まだ活動を始めてから2か月しかたってないんですけど、ありがたいことに450人のフォロワーさ

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ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!(2)

「えらいことになりましたで!」

 黒髪姫カットの女であった。背は低く、部室──祇園高校こくどう部こと、祇園会の扉をまるで破るように飛び込んできた。

「どした、ゆり。うちはそろそろ帰るで。ぴぃぴぃ言うなら明日にせんかいや」

 部室で帰り支度をしていた太田川神子は、静かに言った。
 既に八時。若衆以外の幹部はみな帰宅している時刻である。
 こくどう部においては、若衆がシノギの統括のため、自主的に

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ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!(1)

その日のヒロシマは雨だった。
 しとしとと降り始めた雨は、夕方から夜にかけてざあざあと道を濡らし、視界が塞がれるようだった。
 流川通りにあるメイドカフェの前に車が止まったのは、夜六時のことであった。

「白島の姉貴、お疲れです」

 止まった車の前に、女子高生がすばやくかけよるとドアを開け、大きな黒い傘を差した。
 ヒロシマの名門、元町女子高校の制服である。車の後部座席から降りてきたのも、同じ制

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Twitterの投票機能を使ってストーリーが分岐する私史上初の試みをやって見ました。他にも同じようにやっている方も見えるとは思いますが、
私としては初の試み。さて、どうなったか。

↓↓

https://twitter.com/YsWmnumKoghZLvZ/status/1302193061229862912?s=09

素敵スパイラルを広げましょう。
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