「民主主義とは何なのか」長谷川三千子 P218 本書を読むのは3回目。内容も良いけど結語の聖徳太子十七条憲法に感じ入る。 絶忿棄瞋、不怒人違。人皆有心。々各有執。彼是則我非。我是則彼非。我必非聖。彼必非愚。共是凡夫耳。 漢文読めないのが情けない(泣)。
ラノベやアニメにその傾向が強いが、昨今のファンタジーの舞台のほとんどは善良なる為政者による専制主義国家だ。なぜか民主主義国家の出番は少ない。長谷川さんの本を昔読んだときにも思ったが実は人々の多くは偉大な為政者による専制主義に憧れているのではないかという気がする。銀英伝みたいに。
ただ憲法を改正すればことが済む問題ではない。小幡氏が戦記を読み 込むことによつて見出した、日本人のこの民族的欠陥は、まさにかつて本居宣長が漢意(からごころ )といふ言葉できびしく批判したものにほかならない。 自己でないものを自己であるかのごとくに勘違ひするおぞましい文化的倒錯
民族自壊のさまを、目をそむけることなく見つめる。そして、そのおぞましい「民族的欠陥」が「復興」をなしとげたはずの現在にも「恐しいほどの保存状態で残されている」 と述べる 現在の日本には、日本全体が捕虜であつたときに敵から与へられた「日本国憲法」がそのまゝに保存されてゐる。